デート⁈ 2
『映画しか思いうかばなくて映画にしちゃったけど…大丈夫か…な?』
先輩と歩きながら、私は考えた。
「あの。先輩は…」
ふと顔をあげると、先輩は前にいなかった。
『先…輩…?どこ…?』
その途端、私はすごい不安を覚えた。
『先輩。先輩。先輩。 大樹先輩!どこ…?』
人混みをかき分け、私は必死になって先輩み探した。
「………ん……ちゃん……雪…ちゃん!雪菜ちゃん!」
先輩の声がした。
「先輩。先輩!先輩!」
私はそう叫びながら、先輩を探した。
「「いた!」」
私と先輩の声がかさなった。
「ごめんね。大丈夫?」
先輩はそう言いながら、私の顔を覗き込むようにして聞いた。私は「うん」と言ってうなずくと先輩はにっこり笑って、私の前に手を差し出した。
「え?」
私は驚きのあまり、声を出して先輩の方を向いた。すると、先輩は決まりが悪そうにして「そうだよね 、手は繋ぎたくないよね…ごめん。 」と言って手をズボンのポケットに入れてしまった。
『私も、先輩と手を繋ぎたいけど…恥ずかしい……でも…』
「先輩!手…繋ぎたいです。」
私がそう言うと、先輩は、驚いた顔をしたけど、すぐにいつもの顔になり、にっこり笑って手を出してくれた。おずおずと私は先輩の手を握った。先輩の手は温かかった。
映画館。
「な、何みよっか。」
「せ、先輩は、何がみたいですか?」
映画館について私たちはすごく困っていた。なぜなら、上映されているのは四つで、ホラー映画が二つ、子供向けが二つだったから。
私は、ホラー映画が苦手で、先輩と私で子供向けの映画をみるのはおかしく、なんだかしゃくにさわる。
「それじゃあ…映画館はやめるしか無いですね。」
私が言うと、先輩は苦笑しながら頷いた。