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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

過ち

作者: 青い報酬
掲載日:2026/09/30


男は、悪の組織に雇われていた。

組織を率いているのは、ある大臣だった。


ある日、男は大臣に呼び出された。

「仕事だ」

机の上に、一枚の写真が置かれた。

政敵の顔だった。

「こいつを殺せ」

指定された場所は、政敵のオフィスが入っているビルだった。

「方法は?」

「爆破する。ビルごとだ」

大臣は続けた。

「一般人も巻き込め。無差別テロに見せる」

男は黙って聞いていた。

「犯人は別に用意してある。お前が捕まることはない」

「替え玉ですか」

「ああ」

男は命令どおり、爆弾を仕掛けた。

そして、ビルを爆破した。

99人が死んだ。

だが、政敵は死ななかった。

その日、たまたま予定を変更していたのだ。


翌日、男は大臣に呼び戻された。

「過ちを犯したな」

大臣は言った。

「はい。失敗しました。」

大臣は、しばらく男を見ていた。

「そうか」

それだけだった。


男は逮捕された。

替え玉は現れなかった。

組織は、男を切った。

裁判で、男は死刑を言い渡された。

罪名は、爆破テロ。

死者、99人。


死刑執行の日。

男が刑場へ向かう途中、記者が叫んだ。

「自業自得だ!」

男は足を止めずに言った。

「そうです。私は過ちを犯したのですから」


–––––


その国には、ワクチン担当の大臣がいた。

大臣は、闇の組織から命令を受けていた。

国民にワクチンを打たせろ。

それが命令だった。


ところが、接種は思うように進まなかった。

国民の間に、ワクチンへの疑問が広がっていたのだ。


焦った大臣は、記者会見を開いた。

「このワクチンの安全性は、科学的に証明されています」


だが、科学では、検証はできても、証明はできないことを、大臣は知っていた。

それは、大臣だけではなかった。

「科学的に証明された」

その言葉を聞くたびに、人々の疑いは深くなった。

接種率は上がらなかった。

「私は過ちを犯しました」

その言葉とともに、大臣は失脚した。


計画は、失敗した。


その夜。


大臣のもとに、一本の電話があった。

「過ちを犯したな」

大臣は黙っていた。


翌日。新聞が大臣の事故死を報じた。




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