私の小説がコミカライズ?されるなんて!(短編小説編)
一通のメールから始まる夢のような話。
素人の書いた短編小説がコミカライズするまでの流れを作者の心の叫びと共にまとめてみました。
私は、あの日の衝撃を一生忘れる事はないでしょう。
2025年12月4日、ヒナプロジェクトという会社から目慣れないメールが届きました。
何だコレ? 迷惑メール? いや、確かヒナプロジェクトって、なろうを運営している会社だったよね? なんて、そんな事を考えながらメールを確認したんです。
そしたら、『ブシロードワークス』とか『コミカライズのご相談』とか書いてあるじゃないですかっ!
ギャーってなって脳がフリーズしました。
そして次の瞬間、これ詐欺かな?って思ったんです。
でもメールには『このメッセージは小説家になろう内メッセージボックス・登録メールアドレスの両方に送信されています』って書いてあるんですよ。
えっ?……………そ、それならコレは、本当の本当にコミカライズのお誘い………?
めっちゃ脳汁が出ました。
実は私、12月7日が誕生日なんですよ。
もう最っ高のプレゼントをいただいた気分でしたね。
メールには可否のご返信を…とあったので、もちろん『宜しくお願いします』と返信させていただきました。
でもね、私はある事を失念していたのですよ。
この時点で薄々気付いてはいたんですが、テンション上がり過ぎて頭が回らなかったんです。
自分が、とんでもない機械オンチだという事に!
この後、担当者様とメールでやり取りをするのですが、まず最初にキャラクターシート(髪や目の色、髪型や服装、身長など細かい設定を書いたシート)を送るという壁にぶち当たります。
私ね、パソコン持ってないし、そもそもデータの送り方が分からないんですよ。
担当者様が送って下さったキャラクターシートのファイルとやら……見る事は出来ても記入が出来ないっ!
何これ? どうやるの?
もしかして、パソコンがないと出来ないやつ?
そ、そ、そんなぁ……………………!
いやでもね、こんな事でコミカライズを諦める訳にはいかないんですよ。
だって憧れていたんです。コミカライズ。
自分の書いた小説が漫画になったら素敵だなって。
いつか、一生に一度でいいから、そんな夢みたいな事にならないかなって。
だから私は、覚悟を決めました。
よし、家族にカミングアウトしようっ!
そんでパソコンを借りよう。
実は私、小説を書いている事を家族に秘密にしていたんです。家族どころか、友人知人誰一人知りません。
だって、自分を知っている人に読まれるのって、恥ずかしいじゃないですか。
だから誰にも言ってなかったんです。
まぁ、そんなこんなで意を決した私は、家族にカミングアウトをしました。
そしたら、開口一番に「それ、詐欺じゃない?」って言われました。まぁ、そりゃそうだよね。
家族は、送られてきたメールを何度も確認して、色々調べて、ようやく詐欺じゃないと納得してくれたらしく「え……これ本当じゃん! え……凄いね!」と驚きながらも褒めてくれました。
そして家族の助けを借りて、無事キャラクターシートを送り返す事が出来たのです。
キャラクターシートなんて今まで書いた事がなかったので、とても新鮮でした。
そして、いかに自分が曖昧な設定で話を作っているのかを再確認して、反省したりもしました。
その後も、事務手続きのやり取りで(マイナンバーカードの写真や銀行口座など)データを送る際に、家族の助けを借りる事になります。
どうやら、この何とかファイルってやつは、パソコンがないと送れないみたいですね。
もしかしたら、『パソコンを持ってないのでデータが送れません』と連絡をしたら、何か別の対応をしてくれたかもしれないですけど、『それでは、この話はなかった事にして下さい…』なんて言われてしまったらどうしよう? とか怖い事を考えてしまい、結局、家族にカミングアウトする道を選びました。
それから数日間、ニヤニヤ笑いの家族から「先生」というあだ名で呼ばれる羞恥プレーが続くのですが、私に悔いはありません。
2025年12月19日、担当者様から『キャラデザの確認をお願いします』というメールが届きました。
そして、添付されているイラストに手が震えます。
自分が考えたキャラを漫画家の先生に描いていただけるなんて……これ、お金払わなくていいんですか?って本気で思いました。
短編小説『ぽっちゃり令嬢は婚約破棄を望む』には、主に3人の登場人物がいるのですが、とにかくヒーローのソルをとてもカッコ良く描いていただいて、ソルってこんなにカッコ良かったんだ! と感動しました。
幼馴染の婚約者であるオリバーの意地悪そうな感じも凄く良いし、主人公のカレンも可愛いっ!
自分が頭の中でイメージしていたものよりも、もっとずっと素敵なキャラデザでした。
作画担当をしていただいた『ここあここ先生』本当にありがとうございます。
2026年1月5日、待ちに待ったネームのデータが送られてきました。
コマ割りされている枠に、人物やセリフの入ったものが32枚。まだ細部は描かれていませんが、表情や体の向き、建物の名称などが記されていて、これが漫画の元になるのかと思うと感無量です。
ストーリーは少し変更されていて、より分かりやすい感じになっていました。
なるほど、この部分はこう表現するのか! という発見がたくさんあって面白かったです。
何と言うか、自分の作品なのに手を離れてどこか遠くへ旅立って行くような感覚というか、寂しいけれど誇らしいような不思議な気持ちになりました。
2026年2月2日、ついに原稿のデータが送られてきました。これが最後の確認です。
もはや、自分の作品だという感覚はなくなって、普通に楽しんで読んでしまいました。
そして2026年3月6日、念願の『愛さない? 上等ですわ!』負けず嫌い令嬢たちのアンソロジーコミックが発売しました!
コミカライズのお話をいただいてから本が出るまで、長いようでとても短かったです。
改めて、この作品が選ばれた理由を考えてみると、やはり単に運が良かったんだろうなと思います。
『ぽっちゃり令嬢は婚約破棄を望む』は、私の書いた小説の中で一番星が付いた作品です。2024年7月19日に投稿し、何故かどんどんランキングが上がり、翌日には日間3位になりました。
ちなみに、私が書いた他の作品はそんなに星が付いていないんですよ。どうしてこの作品にだけ多く星が付いたのか未だに分かりません。
おそらく運とタイミングが良かったのだと思います。
一度ランキング上位に上がると、少しずつ落ちてはいくものの、読者様がたくさん読みに来て下さるので星はしばらく増え続けます。
その後もランキングはジリジリと落ちていきますが、評価は履歴に残るので、編集者様の目に留まりやすくなるのだと思います。
そして今回、たまたま私の作品がコミックとして出そうとしているテーマに合っていたので、お声を掛けていただけたのではないかと思うのです。
つまり、ラッキーにラッキーが重なった感じ?
でもね、書いていなければ運を手にする事は出来ないんですよ。当たり前の話ですけどね。
どんな話が当たるか分からないし、どんなキッカケでお声が掛かるかも分からない。
要するに、ひたすら書いて書いて書き続けるのがコミカライズする秘訣なのでは?と思うのです。
いやいやいや、お前そんなに書いてないやろ?って声が聞こえてきそうですけどね。
そうですよ。書いてないです。私、めちゃくちゃ書くの遅いんですもん。
いつも書いては消してを繰り返すし、点の位置だって何度も付け直しちゃう人なんです。
リアルが忙しくなると、メンタルやられて書けなくなるし、書き始めるまでに時間もかかる。
でも、なろうってバケモノみたいな人が(褒めています)たくさんいるじゃないですか?
毎日投稿してる人がいたり、100万文字以上書いてる人がいたり………本当に何なの? 怖い。
私なんて、10万文字すら書けないんです。
長編小説を書くのが凄く苦手なんですよ。
書いては止まり書いては止まり、そして嫌になって別の話を書き始めてみたり……と、そんな事を繰り返しているから全然進まない。
そして、ようやっと書き進めた小説を読み返しては、何だコレ? いくらなんでも酷すぎない? もう全部消してやり直したいっ!症候群にもよくかかります。
今年は書けるかなー…10万文字。
10万文字の壁を越えると一皮剥けるらしいですよ。
いいですね。剥けてみたい。
とりあえず今は『駄作を書く勇気』と『未完成の傑作より完成した駄作』をモットーに自分のペースで書き続けようと思います。
そして叶うならもう一度、あの全身が喜びで震えるような衝撃を味わいたい!……と願ってしまう。
なろうは、まるで魔境ですね。
バケモノはうじゃうじゃいるし、しんどくて逃げ出したいって思うのに、何故かまた挑んでしまう。
おかしな呪いに侵されたように、何度も何度も物語の泉に思考を沈めて意識を委ねる。
己の未熟さに打ちひしがれても、星やコメントに勇気もらい、もう一度!……と立ち向かう。
そして今日も、ヘッポコ冒険者の私は真っ暗な洞窟をノロノロヨロヨロ進むのです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
よろしければ、皆さまの執筆中あるあるや、乗り越え方など、感想欄に残していただけると嬉しいです。




