表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

第1話:港は、まだ生きていた

港は、亡くなった祖父の写真よりも醜く崩れていた。

木製の桟橋は朽ち、岸壁には波の跡がくっきりと残る。海風は冷たく、塩の匂いと腐った魚の匂いが混ざった。船はほとんど停泊しておらず、岸にはほこりをかぶった樽や破れた網が散乱していた。


「……まずは水はけの図を描き直すか」

ユリア・ローレンは、淡々と手元の図面にペンを走らせる。目の前の光景に呆然とする必要はない。彼女には前世の経験と知識がある。街を変えるための方法が、頭の中で静かに整理されていく。


住民たちは不信と諦観に包まれていた。小さな港町の再建など、夢物語だと思っている者も多い。しかし、ユリアは知っている。都市計画は魔法ではない。人の手と制度で、港も街も確実に動かせる。


「漁場の整備からだわ……」

まずは港の機能を取り戻す。安全な船着き場、効率的な荷揚げ場、水はけと排水の改善――順序立てて一つずつ片付けていけば、結果は必ず見える。


港の向こうに、荒れた海の先に希望を描きながら、ユリアはそっと地図を指でなぞった。


「ルーファ――あなたを、必ず生き返らせてみせる。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ