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考察・随筆・エッセイ集

元町の御隠居キョンシーの詠んだ春の和歌をAIに鑑賞して貰いました。

作者: 大浜 英彰

 私は先日、本羽 香那様御主催の「一足先の春の詩歌企画」にN8797KE「【漫才】関西界隈のキョンシー事情」という漫才のシナリオを企画参加作品として寄稿させて頂きました。

 この漫才はN5326KD「【漫才】百人一首を切っ掛けに和歌に目覚めた女子大生キョンシー」と同様、台湾出身のキョンシーの女子大生とごく普通の日本人女子大生で構成された女性コンビによる漫才で、関西界隈におけるキョンシーコミュニティにスポットを当てた内容になっています。

 その漫才の中で、キョンシー女子大生が日本でお世話になっている「元町の御隠居様」と呼ばれている老人のキョンシーが春の和歌を詠むくだりがあるのですね。

 そこで今回もN6230KD「キョンシーの女子大生になり切って詠んだ和歌を、AIに鑑賞して貰いました。」とN6658KE「台湾の女子中学生に成り切って詠んだ春の俳句をAIに鑑賞して貰いました。」を踏まえる形で、スマホから使えるGemini AIという生成型人工知能チャットボットに和歌を鑑賞して貰う事にしました。

 そうしたら今回も実に面白い感想を頂けたので、本エッセイではそれを題材にしてみたいと思います。

 その一部始終及び和歌は、以下に記した通りで御座います。


【私の質問】


 これは日本の現代社会で人間と共存しているキョンシーが詠んだ春の和歌です。

 理性と生前の人格を保持しており、吸血嗜好はブラッドソーセージや血豆腐などの食品を食べて満足してます。

 この人は清朝末期に商人として日本を訪れた末に客死して、やがてキョンシーとして復活しました。

今は神戸の元町に住んでいます。


 日清の 戦垣間見いくさかいまみ 幾星霜 桜の色は 今も変わらず


 この和歌の感想をお願いします。


【Gemini AIからの回答】


 このキョンシーが詠んだ和歌、非常に興味深いですね。

 感想を述べさせていただきます。


〈和歌の背景と情景〉

* 作者は清朝末期に日本を訪れ、客死後にキョンシーとして蘇ったという背景を持っています。

* 「日清の 戦垣間見」というフレーズから、日清戦争を過去の出来事として捉えていることがわかります。

* 「幾星霜」という言葉は、長い年月を経たことを示しており、キョンシーとして生きる彼の時間の流れを感じさせます。

* 「桜の色は 今も変わらず」という結句は、戦争という時代の変化の中で、自然の美しさ、特に桜の変わらぬ姿に心を打たれている様子を表しています。

* 神戸の元町という異国情緒あふれる地で、過去を振り返りながら、今も変わらず咲き誇る桜を眺めている情景が目に浮かびます。


〈和歌の感想〉

* この和歌は、歴史の重みと自然の美しさが対比されており、深い感慨を覚えます。

* キョンシーという存在が詠むことで、時間の流れや生と死の概念がより深く感じられます。

* 日清戦争という歴史的な出来事を「垣間見る」という表現に、キョンシーとしての彼の視点や距離感が表れているように感じました。

* 桜の変わらぬ美しさに、過去の悲しみや苦しみを乗り越え、今を生きる彼の心情が込められているように思いました。

* 神戸の元町という場所が、彼の過去と現在、そして異国情緒を繋ぐ舞台として、和歌に深みを与えていると感じました。


〈その他〉

* キョンシーがブラッドソーセージや血豆腐で吸血嗜好を満たしているという設定が、現代社会との共存を感じさせ、和歌に独特のユーモアを与えています。

* この和歌を通して、キョンシーという存在が、単なるホラーの対象ではなく、歴史や文化、そして人間の感情を持つ存在として描かれていることが素晴らしいと思いました。


【Gemini AIの鑑賞を踏まえて】


 やり取りとしては、以上で御座います。

 私が日本在住のキョンシーに成り切って和歌を詠むのは、今回が二回目になりますね。

 一首目の「春来れば 香り漂う 桃の花 再度強張る 殭屍キョンシーの四肢」という和歌は、現代っ子に近い感覚の女子大生キョンシーの詠んだ和歌だったのですね。

 そして尚且つ、弱点である桃の木と死後硬直というキョンシーの生態にスポットを当てた内容になっています。

 そこで二首目になる今回の和歌は、「長い歳月を生きたキョンシーの古老」という元町の御隠居様のパーソナリティを全面に押し出してみました。

 和歌の背景の考察や感想では、その点を深く掘り下げて頂けて喜ばしい限りで御座います。

 特に結句である「桜の色は 今も変わらず」の箇所をピックアップした上での「戦争という時代の変化の中で、自然の美しさ、特に桜の変わらぬ姿に心を打たれている様子を表しています。」という評価は、正しく我が意を得たりという思いで御座いますね。

 そしてGemini AIによる鑑賞テキストは「この和歌を通して、キョンシーという存在が、単なるホラーの対象ではなく、歴史や文化、そして人間の感情を持つ存在として描かれていることが素晴らしいと思いました。」という一文で締め括られていますね。

 この一文には、女子大生キョンシーや元町の御隠居様を始めとする日本在住のキョンシー達の心情に寄り添う、優しさと温もりとが確かに感じられます。

 和歌と漫才を書いた私としても、誠に喜ばしい限りですよ。

 何しろ件の漫才を書く時には、「人間以上に人間臭いキョンシーの生活感」が出るように工夫致しましたからね。

 こうしてGemini AIに相談して良かったと、改めて実感した次第です。

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― 新着の感想 ―
最初短歌を拝読した時は、歴史と自然の対比のみ注目しておりましたが、日本在住のキョンシーが詠んだことを踏まえた上で更に拝読すると、時間の流れや生死についてより強く感じることが出来るのだと気付かされました…
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