第5話 戦いの後
再び目覚めたとき、最初に目に飛び込んで来たのは真っ白な天井だった。
龍騎「ここは…」
まだ少しぼーっとする頭で、俺は辺りを見回した。
看護士「あっ!起きました!目を覚ましましたよ!」
看護士のそんな声が響くやいなや、俺の体に衝撃が伝わった。
真奈美「よがっだ~!いぎでだ~!なんであんなごどじだの~!」
龍騎「母さん?!」
衝撃の正体は飛び付いてきた俺の母だった。母は本当に心配していたようで、俺に抱きついてからワンワンと泣いている。
学「良かった…本当に…」
俺の目の前には、涙を流しながら幸せを噛み締めているような顔をした俺の父の姿もあった。
龍騎「父さんまで…なんでそんなに泣いてんだ?」
起きたばかりで頭がぼーっとしており、ついそんなことを聞いてしまった。
学「お前…」
父が何か言おうとしていたが、それよりも速く母が俺の頬っぺたをひっぱたいた。
真奈美「何でって…あんた、親に何も言わずに出ていったかと思ったら…いきなりニュースでイクセスリィにいるって出てきて…それに死にそうになって…フラフラになって…どんなに心配かけたと思ってんの?!」
泣きながら母は答える。それを見て俺は自分の発言を後悔し、必死に謝った。
龍騎「ごめんなさい…心配してくれて…ありがとう。」
しばらく泣いたあと辺りを見回すと、他の皆も目か覚めて親と一緒に泣いているのが分かった。
龍騎「お前も起きとったんか。よかった!」
その後俺達は自分達があの戦いからこのイクセスリィの病院で丸2日寝込んでいたこと、あの戦争は無事終わった事が告げられた。
優美「私達、勝ったの?」
龍騎「そうみたいだな。」
舞花「やっ……………………………たーーーーー!」
力子「私達がイクセスリィを守ったんだよ!」
あの時は直感でしか感じられなかった勝利が、今はしっかりと実感できていた。そうやって俺達が感慨に浸っていると、突然病室のドアが開き、そこから綺麗な女性が入ってきた。その瞬間、病室にいた看護士、更には患者まで、あるものは床であるものはベッドの上でその女性に平服した。するとその女性は少し笑いながら口を開いた。
???「皆さん。そんなに固くしないでもいいのですよ?」
そう言って女性は俺達の方へと近寄ってくる。
フィーシー「こんにちは、英雄の皆様。私はこの国の神、フィーシーと申します。」
俺達は驚いた。今自分達の目の前でここイクセスリィの神が自分達を「英雄」と称したからである。そうやって俺達が驚きで声を出せずにいると、フィーシーは言葉を続ける。
フィーシー「今回イクセスリィはあなた方のその強さや、勇気によって救われました。心から感謝しています。これから、あなた方には想像も出来ないような困難が訪れるかもしれません。しかし、そんなときにはここイクセスリィを訪れてください。我々はいつでもあなた方の味方でございす。」
舞花「あ…ありがとうございます。」
俺達の中で唯一舞花がお礼を言えると、フィーシーは俺達を見て微笑した。
フィーシー「それでは私はこの後少し予定があるので、ここで失礼します。それでは皆さん。皆さんの人生に幸福が訪れますように。」
そう言ってフィーシーは私達の目の前で姿を消した。
力子「えっ消えた!」
舞花「瞬間移動魔法か…かなりの高難易度魔法…さすが神ね。」
その後俺達は、久しぶりに家族との時間を楽しんだ。しばらくして、優美が看護士に尋ねる。
優美「そう言えば、あのとき現れたフードの人は誰なんですか?凄い強そうでしたけど。」
俺達は続く言葉に聞き耳を立てる。あのときあのフードの男もテレビの中継に写っていた筈だし、あれだけのことをやってのけたのだ。俺達が眠っている間に何か分かっているかもしれない。しかし、続いて出てきた言葉は、俺達が想像もしていなかったことだった。
看護士「フードの人…?はて?そんな人居ましたっけ?」
優美·龍騎·舞花·力子「は?」
神議の間にて、
私は時間より早めに神義の間に到着し、自分の「生命」と書かれた席に座って他の神々が到着するのを待った。そうして待って居ると、着々と他の神々が到着する。そして全員の計8柱の神々が到着すると、魔法と書かれた席に座った神が口を開いた。
魔法「今回集まって貰ったのは他でもない。
『裁定者』についてだ。」
こんにちは皆さん。柳川歩城です。なーんかすごいことになってきましたねー。ここから物語はどのような展開の仕方をしていくのか、皆様是非お楽しみ下さい。この作品の評価とブックマークへの登録を何卒よろしくお願いします。それではまた、次の機会に。