第12話 二回戦中堅戦 優美vs我女(がめ)
先方戦が終わるとすぐ舞花は控え室に戻ってきた。
大翔「ほい。コーラ。」
舞花「ありがと。」
前もって準備していたようで、戻ってきた舞花にすぐグラスに注いだコーラを渡す。
優美「やったね舞花!」
舞花「うん!勝ってきたよ!」
そうやって喜び、舞花はぐいっとコーラを一気に飲む。
優美「そう言えば舞花、毎回一発で勝負を決めに行ってるけどどうして?」
コーラを飲み干した舞花はその質問に対して答える。
舞花「ああ、まあ長期戦にしても魔力量とかの関係上不利になりかねないからねー。相手の方が魔力量多いと不味いから一気に勝負を決めに行ってる感じ。」
優美「あーね。」
大翔「あっそうだほい優美。」
私達が話していると、大翔が次の対戦相手の情報が乗ったメモを渡してきた。
チームM 中堅 斎藤我女
能力『変身「ブラックドラゴン」』
黒く固い皮膚を持ったドラゴンへと姿を変えることができる。分かっている攻撃手段は
·鉤爪
·ブレス(炎)
·巻き付き
そこには次に優美が戦う相手である。斎藤我女の情報が載っていた。
優美「ありがと。」
大翔「いいよ。それと優美もコーラ飲む?」
優美「あっじゃあお願い。」
大翔「ほーい。」
そう言うと大翔はバックの中から何やら黒い液体と何かの香辛料が入った瓶を取り出した。いや、液体が黒く見えるのは中にある香辛料が光を遮っているからだろうか。
優美「ちょちょちょ!なにそれ!」
大翔「ん?何ってコーラだけど。」
優美「それが!?」
私は驚愕した。横目で舞花の方を見ると舞花も驚きで目を見開いている。
大翔「ああ、これクラフトコーラって言って蜂蜜やら何やらあったら作れるぞ?」
優美「えぇ…」
私はゆっくり舞花の方を見ると、舞花は何やら納得した顔をしていた。
舞花「ああ、だからいつも飲んでるやつよりなんか美味しかったのか。」
優美「美味しいの?それ。」
舞花「うん。」
優美「じゃあ作ってー。」
大翔「ほーい。」
大翔はそう言ってクラフトコーラを炭酸水で割ったものを差し出す。私は恐る恐るそれを一口飲んだ。
優美「美味っ!」
舞花「でしょー!」
そんなこんなで私は中堅戦の準備が終わるまでコーラを飲みながら、そして皆と話ながら待っていた。そして丁度コーラを飲み終えた頃、準備が整った事を知らされた。
優美「それじゃあ行ってくる。」
大翔「頑張って。」
舞花「絶対勝ってきてね!」
共にそう背中を押され、私はバトル会場へと向かった。
キング「さぁ!第二回戦中堅戦!まずチームMからはその姿を黒いドラゴンへと変化させ、相手を倒す。その圧倒的な力はまさに無敵と言える人!斎藤我女!」
その声と共に斎藤我女はバトル会場へと姿を現す。
キング「お次はチームA!第一回戦を突破し、一度も負けられない状況の中、優勝することは出来るのか!赤緑優美!」
その声と共に、しっかりとした足取りでバトル会場へと向かう。そして両者共に位置につく。
キング「それでは両者……構え!」
そう声がかかり、優美は構えを取る。
キング「………始め!」
その声と共に優美は動き出す。地面を蹴り、高速で我女に向かって行く。
優美「変身が厄介ならさせなければ良い!一撃で決める!封魔拳!」
優美の一撃は我女のお腹の当たりを捉えた。攻撃が入った瞬間、周囲にドンと大きな音が響き、空気が揺れ、我女が後方へぶっ飛ぶ。そして我女は後方にあった山にぶつかり、ぶつかった辺りで土煙が舞う。少しの間静寂が流れる。しかし瞬間、土煙の中から何かが上空へと飛び出す。優美はの姿を直視する。そこには蛇のような形をした体でありながら、その体には大きな羽が付いており、全身を漆黒の皮膚に覆われ、手には大きな鉤爪がついている。その顔はトカゲに似ており、一瞬龍にも見える生物がいた。我女は、その鋭い眼光でしっかりと優美の事を見据えている。
優美「霊刃!」
優美は霊力の刃を我女に向けて飛ばす。その刃はしっかりと我女に命中するが、全く聞いている様子はない。
優美「かった!」
優美がその固さに驚愕していると、
我女「残念でした。」
と、我女が声を発する。
優美「!!!」
優美が驚いた瞬間。我女は口から炎を吐き出す。
優美「熱!」
優美は間一髪で避けたが、それにも関わらず、炎の熱が優美を襲う。
優美「(あれに直接当たりなんかしたら死ぬ!)」
優美は飛んで距離を取ったが、我女は構わず追いかけてくる。
優美「(いったん距離を取りたいけど全然離せない…そうだ!)」
優美はいったん森の中に逃げ込む。
優美「(ここなら!)」
そう思うのも束の間、我女は森に対し炎を吐いて森を燃やし始めた。
優美「えぇ……そこまでする?」
優美は我女の行為に思わず引いてしまうが、その間にも火の手は刻一刻と迫っている。
優美「(どうしようこのままだと丸焦げになるけど私の力じゃぶっ飛ばす事は出来ても多分ダメージを与えることは出来ない…)」
しばらく優美は考えこんだが、良い作戦が浮かばない。そうして火の手がもうまじかに迫ったとき、突然突風が吹き荒れた。
我女「あっっつ!」
突然の突風により、我女が吐いていた炎が彼女自信に牙を剥いた。
優美「(あれは……自分の炎でダメージを負っている?)」
我女は火傷程度のダメージを負ったが、治癒魔法によってすぐにその傷を治した。
優美「…そうだ!」
ある考えが浮かび、我女の隙をついて優美は森から脱出する。我女はまだ気付いていない。
優美「封魔拳!」
我女の背後から封魔拳を打ち込む。我女は封魔拳を受けた衝撃で燃え盛る森へと落下していき、地面に叩きつけられた。
我女「あっつ!あっ!熱い!」
我女は熱さで悶えているが、それでも火傷程度しかダメージを受けていない。
優美「うおーーーーー!」
優美は我女に向かってどんどんと加速していく。
優美「封魔拳!」
我女にぶつかる寸前で火傷を負っているところに向かって封魔拳を放った。ドォンと言う轟音と共に土煙が舞う。そして、土煙が晴れたとき、そこには我女を倒した優美の姿があった。
審判「斎藤我女!気絶により戦闘不能!よって勝者!赤緑優美!」
その瞬間スタジアムで歓声が上がる。優美は勝利した喜びを噛み締めながら、控え室に戻って行った。
こんにちは!作者の柳川歩城です!いやー第二回戦も無事勝ち残ることが出来ましたねぇ~。このまま優美達は勝ち残って優勝出来るのか、こうご期待!あっそれはそうと私アルファポリスの第17回ファンタジー小説大賞に参加してるんですよ!まあ上位の人の作品がまじですごすぎるので勝てないと思いますが、1000位くらいにはなりたいなーって思うんです!なのでよろしかったら人神、そして終末の天使に投票よろしくお願いいたします!最後にこの小説の評価とブックマーク、そして第17回ファンタジー小説大賞の投票よろしくお願いいたします!それではまた次の機会に。