第1話 やっと会えた
ある日の朝、けたたましい目覚ましの音で少女は目を覚ます。すると少女は目覚ましを止め、二度寝しようとする。次の瞬間、少女は勢いよく飛び起きた。
優美「寝坊したー!」
優美「ヤバいヤバい!入学そうそう遅刻するー!」
私の名前は赤緑優美。支世高校の新入生だ。今日はそこの入学式、前日から目覚ましをしっかりと掛けていたのに寝坊してしまった。
優美「あー!なんで目覚ましを掛ける時間まちがってるかなー!」
私は今、全速力で高校へ向かっていた。
優美「(絶対に遅刻なんてできないのにー!)」
そんなとき私の足は速度を落とす。目の前に楽しそうに話ながら歩く幼なじみ達がいたからだ。
舞花「あっ優美~。おっはー。」
彼女は平泉舞花。いつも派手な服を着ていて、とてもノリが良い。とても持てているが、本人いわく「まだ好きな人が見つかっていない」ということで、彼氏はいないらしい。とても努力家で、魔法の腕を日々磨いていて、それを試すために度々私のことを挑発して戦おうとする困ったちゃんだ。
龍騎「おはよー...お前さては遅刻しそうになって走って来たな?」
彼は大川龍騎。農家の息子で面倒見がよく、困ったことがあればいつも相談にのってくれる。昔から私達のなかでは何でも相談できるお兄ちゃんのような存在だ。
優美「う...少し寝坊しちゃって(てへ)。まあ皆がいるから遅刻せずにすんだっぽいなーよかった~。」
そこでふと、私の脳裏にあることがよぎった。
優美「大翔は?」
本名は白崎大翔私達の共通の友達で、物静かで、優しさ人だ。ここから家も近いからてっきり皆と一緒だと思ったのだけど、そこに大翔の姿は見えなかった。
龍騎「そういや今日あってないな。別の日にはこれでもかって言うほど会うのに。」
舞花「確かにそうね。」
二人ともまだ今日は大翔に会ってないようだ。優美「もしかしたら私と同じように遅刻しそうになってるのかも。」
龍騎「いやそれはないだろ、あいつ真面目だし。」
そうやって嫌な予感がしながらも、龍騎が私にツッコミをいれた瞬間、かすかに声が聞こえてきた。
???「止めてくれ!」
???「なんだって?聞こえねえな?」
そう聞こえた瞬間、私たちはその声のする方へ走り出した。行き着いた場所は薄暗く、ネズミもいるような汚い路地裏。声の主達はそこにいた。
大翔「痛っ」
どこかの学生達「あ?無能力者が生意気言うな!」
そこでは大翔が学生達に取り囲まれ、たこ殴りにされていた。そして私達は、それが眼に入るやいなや、声を挙げた。
優美「何をしているの?!」
どこかの学生達「あ?何のようだ?」
その学生達は一目で分かるくらい柄が悪い人達だった。
龍騎「そいつは俺たちの友達だ!そんなことをするなんてただじゃおかない!」
舞花「そうよ!大翔が何をしたって言うの?!」
その言葉を聞いた学生達は、大翔を襲った理由を楽しそうに話し始めた。
学生達「こいつが俺らの視界に入ってきたからだが?」
優美·舞花·龍騎「は?」
その理由は、明らかに理由と言えるようなものではなかった。
学生達「いやーw困ったものだよね!無能力者なんかが俺たちの者に入ってきたら、この目がよごれてしまうw」
龍騎「何がおかしい?」
龍騎の声が明らかに怒りを感じさせる。
学生達「?なんで君たちはそんなに怒っているんだい?この世界は能力主義。それなのにこいつは『この世界で唯一の無能力者』、みーんなこいつのことは軽蔑してるさ。そんななかで俺たちのサンドバッグになれるんだよ。どんなに光栄なことか分からないのかい?」
暴論だ。確かにこの世界は能力主義で無能力者は軽蔑の対象になりやすい。けれどもこんなこと、許して良い筈がない。
龍騎「よほど死にたいらしいな…」
場の空気がピリつく、そうやって私達がこいつらに飛びかかろうとした時、
???「流石にそりゃぁ暴論だぜあんたら。」
不意に頭上から声が聞こえた。
優美·舞花·龍騎·学生達「!」
その場にいる皆が驚いて頭上を見上げると、長身の黒髪をした男がこちらを見つめていた。
学生達「誰だてめぇ?」
学生達はそうやって男を睨み付ける。しかし、男は一歩も引く様子を見せない。
???「いやー流石にね?」
この場の空気が一気に重くなる。
???「ここまでの暴論振りかざすやつを黙って見過ごす訳には行かないんだわ。」
そう男がそう言うと、学生達の顔がみるみる真っ青になっていく。
???「ここから失せろ。」
男がそう言った瞬間、学生達は一目散に逃げて言った。
龍騎「魔法か?」
そう龍騎が言った気がした。しかし、私はこの男の威圧感によって体から力が抜けきっていたため、そんなことを気にする暇がなかった。龍騎達も同様に、その場に座り込んで脱力している。
???「いやー災難だったな。大丈夫か?」
男はそう言って大翔に手を差し出す。
大翔「ありがとうございます。」
???「あーあ、ぼろぼろじゃん。少し待ってな。」
そう言って男は大翔に手をかざす。すると、みるみるうちに大翔の怪我が治り、服も綺麗になっていく。
???「あんた危なかったな。無事で何よりだ。」
大翔「本当に…本当にありがとうございます。」
???「いーのいーの。俺はあーゆー奴らが気に入らんかっただけだからw」
男が私達の方を見る。
???「あんたら、こいつを助けようとしていたな、良い心がけだ!」
男が笑う。先ほどの緊張がとけ、私達も声を出して笑った。
???「あんたらその制服からして、支世高校の生徒か。ヒーロー志望か?」
私は答える。
優美「はい!私達は、そこの高校の新入生なんです。」
それを聞くと、男は途端に顔色を変えた。
???「おい待てお前今自分達はそこの新入生だと言ったな?」
優美「はい?そうですが。」
男は焦った様子で言う。
???「もうすぐでそこの高校の入学式が始まるぞ!」
私はそう言われた途端に慌ててスマホを見た。あと5分程で始まる。本当にギリギリだ。
優美「皆!ヤバいよあと5分で始まる!」
龍騎·舞花·大翔「はぁ?!」
???「急げ!」
そう言われた瞬間、私達は駆け出した。男はこちらに向かって大きく手を振っていた。幸い、ギリギリではあるが、なんとか間に合った。
優美「あー...なんとか間に合ったー。」
他の三人は、疲れてその場に座り込んだ。
舞花「ギリギリセーフ。」
大翔「危なかったー。」
そうして少し休憩した後、私達は一緒に校門をくぐった。
大翔「皆、あの時助けようとしてくれて
本当にありがとう。」
龍騎「友達が困ってたら、助けるのは当たり前の事だ。」
舞花「そうよ、だから困ったら私達を頼ってね。」
そんな会話をしながら、私達は自分達の夢に向かって歩み始めた。
こんにちは皆さん作者の柳川歩城です。ここでは、作者の私がこの小説の世界について説明をしていこうと思います。一応伝えておきますが、この小説に出てくる人物、団体、国などは、全て空想上のものですので、勘違いなどがないようお気を付け下さい。さて、今回はこの世界の支世高校、そして国について説明していこ思います。まず支世高校とは世界の未来を守るヒーローを育成する高校です。そしてヒーローとヴィラン(ここでは魔獣や人などを同じくくりとします)にはそれぞれランクがあり、そのランクに対応する。ヒーローにヴィランの対処を依頼します。まとめるとこんな感じです。
ランク高 ヒーロー
↑
X
S
A
B
C
D
E
↓
ランク低
ランク高 ヴィラン
↑
esoteric 主にXが担当
collapse 主にS,Aが担当
danger 主にBが担当
problem 主にCが担当
note 主にD,Eが担当
↓ランク低
そしてこの世界には国が10ヶ国あり、それぞれ、
有の国
無の国
生命の国
戦争の国
平和の国
魔法の国
錬金術の国
芸術の国
法の国
自由の国
があります。このあとがきは ある時とない時があるのでご注意下さい。さて、これで
『第一話始まり』終わります。投稿日は不定期ですが、少しでも早く続編が出せるように頑張っていきますので、皆様何卒応援よろしくお願いいたします。作品についての質問も受け付けておりますので、どしどしください。キャラクターの紹介については別に出します。この作品の評価とブックマークへの登録をよろしくお願いします!目標は評価100、ブックマーク50ですので本当によろしくお願いします!それではまた、次の機会に。