既視感
*****前回のあらすじ*****
学校の地下に隠された秘密を探るため、主人公とこころ、そして謎多き銀城ルナは深夜の学校へと潜入する計画を立てる。彼らの前には未知の空間が広がっていた。
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扉を開けた先に広がっていたのは、想像を超える広大な花畑でした。狭い入り口からは想像もつかないほどの開けた空間に、色とりどりの花々が咲き誇っています。その美しさに、あなたたちはしばらく言葉を失います。
しかし、その美しい光景を眺めているうちに、あなたは徐々に意識が遠のいていくのを感じます。目の前の景色がぼやけ、体が軽くなっていくような感覚に包まれます。
次に意識が戻った時、あなたは自分の家のベッドの上で目覚めていました。夢のような出来事は一体何だったのか、それとも本当に起こったことなのか、混乱しますが、心の奥では黄昏の花畑の美しい光景が鮮明に残っています。
図書室で集まったあなた、五百雀こころ、そして銀城ルナは、扉の向こうで起こったことについて話し合います。三人とも扉の向こうの記憶がほとんどなく、何が起こったのかを理解しようと試みます。
あなた:「みんなも覚えていないんだね。扉を開けたら、あの美しい花畑が広がっていたけど、それからのことはほとんど覚えていないよ。」
こころ:「私も同じ。花畑を見たことは覚えているけど、その後は…。気づいたらベッドの上だった。」
ルナ:「不思議ね。あそこに何か特別な力があるのかしら。でも、なぜ私たちの記憶が曖昧なのかがわからないわ。」
あなた:「もしかして、黄昏の花の伝説が関係しているのかもしれない。花粉を吸うと特定の記憶を失うって言われているし…」
放課後、三人で地下入り口をもう一度確認しに行くと、そこはただの駐車場になっていて、以前見た階段や入り口の跡形はどこにもありません。その驚くべき変化に、三人は混乱します。
あなた:「これは一体…?前に見た入り口はどこにもない。これが本当に同じ場所なのか?」
こころ:「信じられないわ。あの日見たのは一体何だったの?」
ルナ:「もしかしたら、黄昏の花の影響で、私たちは夢と現実の間を行き来していたのかもしれない。」
帰宅後、何気なくあなたが夢日記を開くと、そこには自分の書いた覚えのない記述があります。驚きながら、その文を読み進めます。
「地下室は存在する。これを読む頃には忘れるだろうからここに書く。あの地下室は図書室につながっている。」
あなたはこの衝撃的な記述にしばし呆然とします。地下室が実際に存在し、それが図書室につながっているという事実。この記述が示唆することは、あなたたちが体験したことが単なる夢ではなく、何らかの現実の出来事であった可能性を強く示唆しています。
次の日、あなたはこの夢日記の記述を五百雀こころと銀城ルナに見せ、さらなる調査を提案します。図書室に隠された秘密の入口を見つけ出し、地下室とのつながりを探ることが、黄昏の花の謎を解明する鍵になるかもしれません。
あなたたちはルナの絵とこころの小説の原稿に共通点があることに気づきます。ルナの絵には美しい花畑と奇妙な箱が描かれており、こころの小説の原稿には図書室の地下にある隠し通路の存在とその行き方が記述されていました。
あなたは突然の洞察に驚きます。水鳥川紫苑と最初に会ったときの既視感が、あの地下室の体験と関連しているのではないかという考えが頭をよぎります。あなたは、もしかすると水鳥川紫苑もあの地下室に一緒に行ったのではないか、そしてそのことをお互いに忘れてしまったのではないかと思い至ります。