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地下室

*****前回までのあらすじ*****


ゲーム内のカフェで五百雀こころという女性と出会い、彼女の小説「黄昏の花」に共感し、共に伝説を追うことを決める。やがて、伝説の起源が二人の高校と関連していることがわかり、真実を求めて奮闘するが、その過程で学校中に噂が広がってしまう。


********************

 銀城ルナがあなたと五百雀こころに話しかける機会を見つけます。彼女は謎の多い、口数の少ない美少女で、ミステリアスな雰囲気を持っています。彼女が話しかけること自体が珍しいため、二人は少し驚きます。


 ルナ:「こんにちは。あなたたち、黄昏の花のことを調べているのを聞いたわ。その話、とても興味深いわ。」


 こころ:「ええ、実はそうなの。でも、ルナさんが興味を持ってくれるなんて意外だね。」


 あなた:「ルナ、何か知ってることがあるの?」


 ルナの表情は神秘的なままですが、彼女はあなたたちに少し情報を提供します。


 ルナ:「学校の地下にある古い文書に、この地域の伝説について書かれたものがあるらしいわ。ただ、そこに入るのは簡単ではないけれど…」


 ルナの話を参考にし、先生に学校の地下について相談したところ、教員も地下室の存在については単なる噂という認識で、そうした施設は存在しないとのことでした。しかし、学校の建物が古いことから、戦時中の防空壕跡のようなものがある可能性はあり、それが現在は立ち入り禁止で放置されているという情報を得ました。


 あなた、五百雀こころ、そして銀城ルナは、深夜に学校の防空壕に侵入する大胆な計画を立てます。学校にはセキュリティシステムがありますが、調べによると、そのシステムは新校舎周辺に集中していて、古い防空壕があるとされる場所はセキュリティの手が及んでいないようです。


 三人はいつものカフェで集まり、侵入計画を綿密に練ります。この計画はリスクが伴いますが、黄昏の花の謎を解明するための重要な一歩となるかもしれません。


 計画の時間:深夜、学校が静まり返った時間帯を選びます。

 侵入方法:校舎から離れた位置から、目立たないように防空壕の入口を探します。

 持ち物:懐中電灯、筆記用具、カメラ、必要に応じて水や軽食など。

 安全対策:万が一のために、誰か一人には待機してもらい、何かあった場合はすぐに連絡が取れるようにします。


 あなた、五百雀こころ、そして銀城ルナは、カフェの隅の席で深夜の防空壕侵入計画について話し合います。


 あなた:「セキュリティは新校舎の周辺に集中しているから、防空壕のある場所は比較的安全に侵入できるはずだ。」


 こころ:「でも、やっぱりリスクはあるよね。私たちが見つかったら大変だから、誰も気づかれないようにしないと。」


 ルナ:「私が進路を確認して、安全を確保するわ。誰かが近くにいるかもしれないから、連絡手段も必要ね。」


 あなた:「懐中電灯や筆記用具、カメラも必要だろう。何か重要な発見があった時のためにね。」


 こころ:「食料や水も持っていこう。何かあった時のために、応急処置セットもあるといいかも。」


 ルナ:「そして、一人は外で待機して、何かあったらすぐに知らせられるようにするべきね。」


 深夜1時、夏の夜風が心地よく吹き抜ける中、あなた、五百雀こころ、そして銀城ルナは、校舎近くの集合場所に静かに集まりました。学校はほとんど静まり返っており、ただ見回りの人用の部屋の明かりだけが遠くに見えます。新校舎の方には注意が集中しているため、旧施設の付近には人の気配はありません。


 ルナ:「見回りの人は新校舎の方にいるみたい。ここはセキュリティが手薄だから、入るチャンスね。」


 こころ:「じゃあ、慎重に進もう。音を立てないように。」


 あなたたちは、暗闇の中を慎重に進み、旧施設の付近に向かいます。夜の静けさの中で、あなたたちの足音だけがかすかに聞こえるだけです。緊張感が高まりますが、同時に期待感も増していきます。


 防空壕の入口を探しながら、三人は互いにサインを交わし、周囲に気を配ります。この冒険が、黄昏の花の謎を解明するための重要な一歩となることを知りながら、あなたたちは静かに前進していきます。


 あなたたちはボロボロの立ち入り禁止のフェンスを乗り越え、トンネルのような場所にたどり着きます。想像していた防空壕とは異なり、その入口は狭い排水溝のようなもので、2人がやっと倒れるほどの狭さです。


 ルナ:「これが本当に防空壕の入り口なのかしら?思ったよりずっと狭いわね。」


 こころ:「でも、これしかないみたい…。中に何かあるかもしれないし、探検してみる価値はあるよ。」


 あなた:「うん、気をつけて進もう。もし何かあったらすぐに戻ろう。」


 三人は懐中電灯を手に、一列になって狭い入口から中へと進みます。中は想像以上に狭く、曲がりくねった通路が続いています。不安と好奇心が入り混じりながらも、あなたたちは慎重に前進していきます。


 怖くない?


あなたの問いかけに、五百雀こころと銀城ルナは一瞬顔を見合わせます。


 こころ:「うん、ちょっと怖いかな。でも、一緒にいるから大丈夫。何か見つかるかもしれないし、探検するのはわくわくするよ。」


 ルナ:「少しはね。でも、この謎を解明するためなら、少しの恐怖は乗り越えられるわ。それに、太郎くんとこころがいるから、心強いわ。」


あ!


 懐中電灯を落としてしまった瞬間、通路は完全な暗闇に包まれます。あなたたちの周囲は真っ暗で、目を凝らしても何も見えない状態です。


 こころ:「大丈夫? 懐中電灯以外に光源はある?」


 ルナ:「私のカバンに小さなフラッシュライトがあるはずよ。ちょっと待って…」


 あなたたちは静かに待ち、ルナがカバンからフラッシュライトを取り出す音を耳にします。数秒後、小さな光が通路を照らし出します。フラッシュライトの光は弱いものの、少なくとも完全な暗闇からは脱出できました。


 あなた:「よかった、少しは見える。でも、ここからはさらに慎重に進もう。」


 ルナ:「そうね。これからは一歩一歩確認しながら進まないと。」


 こころ:「私たち、手をつないで進む? そうした方が安全かもしれないよ。」


 暗闇の中、あなたたちは手をつなぎ、ルナが持つフラッシュライトに導かれながら、慎重に通路を進みます。


 段差に気づいたあなたたちは一瞬立ち止まります。目の前には、下へと続く階段が現れました。これが噂の地下室への入り口かもしれません。不思議な雰囲気に包まれた階段は、まるで秘密基地に続くかのようです。


 こころ:「わあ、本当に階段がある…。これが地下室への入り口なのかな?」


 ルナ:「うん、そうみたいね。でも、ここに何があるのかしら。こんな秘密の階段を作る理由が気になるわ。」


 あなた:「そうだね。でも、ここまで来たら、降りてみるしかないよ。ただし、本当に気をつけて。」


 三人は慎重に階段を降り始めます。フラッシュライトの光が階段を照らし出し、一歩一歩確認しながら進みます。階段は螺旋状になっており、どこに続いているのか見当もつきません。


 狭い通路を通り、三人は密着した状態で慎重に階段を下りていきます。フラッシュライトの灯りが唯一の光源で、周囲は静かで暗い。階段は予想以上に長く、下へ下へと続いています。


 こころ:「この階段、ずっと下ってるけど、いったいどこに繋がっているのかな?」


 ルナ:「分からないわ。でも、こんなに長いということは、かなり深い場所に何かあるのかもしれない。」


 階段を下り切ると、そこには鍵のかかった大きな扉があります。扉には8桁のアルファベットを入力する回転式の大きな鍵がついています。


 あなた:「これが扉の鍵か。でも、このコードをどうやって解くんだろう?」


 ルナ:「ここまで来たのに、この扉が開かないのは困るわね。何かヒントはないのかしら?」


 あなたたちは鍵に注目し、その詳細をよく観察します。すると、鍵には繊細に彫られた花の彫刻があることに気づきます。この彫刻は何かのヒントかもしれません。


 ルナ:「これは…黄昏の花の彫刻ね。もしかして、この扉の鍵は黄昏の花に関係しているのかもしれないわ。」


 こころ:「それって、私の小説に出てくる花に似てる…。もしかしたら、私の小説にヒントがあるのかもしれないよ。」


 あなた:「そうだね、こころの小説に何かヒントが隠されているかもしれない。黄昏の花に関連する何か…アルファベット8文字のキーワードが必要だ。」


 あなたの頭の中に、ふと閃きが訪れます。


 あなた:「待って、もしかして『Tasogare』…これが鍵かもしれない。『黄昏』を英語で表すと"Tasogare"だ。これが8文字だ!」


 こころ:「それだ!私たちが探していたのは、まさにこれよ!」


 ルナ:「早速、試してみましょう。」


 あなたは回転式の鍵に"Tasogare"と入力します。心を込めて最後の文字を合わせると、重たい扉の錠前がゆっくりと解けていく音が聞こえます。扉が開き、新たな空間への道が開かれます。


 三人は期待と緊張の入り混じった表情で、扉の向こうにある未知の空間へと足を踏み入れます。この発見が、黄昏の花の謎について新たな光を投げかけるかもしれません。扉の向こうには一体何が待っているのでしょうか。


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