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第3話

7月16日、日曜日。快晴。ダンジョン日和である

ダンジョンは異空間である以上、どのような天気であっても戦闘に影響はないのだが、

ダンジョンに行くまでの気分が変わり、より戦闘がうまくいくといわれているのである。


早速昨日買った飛行用のショートパンツをはき、集合時間の5分前である8時55分に

鮮色駅近くの小鬼ダンジョン(H級)までやってきた静葉は、驚きの光景を目にすることとなった。



いつも必ず遅れてくるアゲハが、先についているのである。5分も前なのに、である。



静葉はまず、飛行中に目にゴミが入ったわけではないかぬぐい、

次に駅の時計と腕時計を見比べ自らの時計がずれているわけではないことを確かめ、

最後に自らの頬をつねり、幻覚を食らったわけではないことを実証し、

ようやく目の前の信じがたい光景を現実であると認識できた。


幼稚園時代から集合時刻から5分10分遅れてくるのが当然で、

小学生になれば約束をしたこと自体を忘れて翌日謝罪されることがままあり、

中学に至っては始業式にすら遅刻してきたアゲハが、である。


静葉はアゲハに「おはよう」と言った後、自らの装備を再確認し、

緊急時用の赤いポーションと青いマジックポーション、黄色いスキルポーション

がすぐ取り出せる場所にあるかを確認し、靴紐が切れる兆候はないか、

緊急時用の発煙筒、最低限の水分、糖分、塩分補給用アイテムがあるかを確認し、

バッグにほつれや弱い部分がないかを確認し、

ダンジョン犯罪者集団の象徴的なマスクをかぶった集団がいないかを確認した上で、

「ごめんね、ちょっと不安になっちゃって。もう大丈夫。さぁ行きましょう。」

と声をかけた。


戸惑ったアゲハが、

「う、うん。いきなりどうしたの?」

と静葉に問いかけたが、静葉はアゲハの両頬をつかみ、伸ばし、

「うん、この触り心地は本人ね。特に何でもないわよ」

と言い、ダンジョンに歩を進めた。

アゲハは何があったのかと考えたものの、まぁいいかと思い直し、

「まってよ!先に一人で行かないでよね!」

と言いながら駆け出した。


結論から言えば、この日は無事スライムを魔法をもちいて120匹ほど狩り、

小鬼ダンジョンと呼ばれる所以となったBOSSであるインプに対して脇差の試し切りも果たし、

3400円ほどの収入を得て幸せなランチを取り、

補給のためダンジョン街を訪れていた、有名なSランクパーティYggdrasillに去年4月に参入した

黄泉にサインを書いてもらい、幸せな気分でその日のダンジョンチャレンジを終え、

翌日はG級の小鬼ダンジョンに挑むため9時に集合することをアゲハと約束し、各々帰宅した。

そして夕食を食べながら母親に黄泉のサインをもらったことを自慢し、入浴などを済ませ、

部屋の一番目立つところに額縁に入れて飾り、明日のために早く眠ることにした。


7月17日月曜日、祝日。快晴。ダンジョン日和である。

静葉は7時に目を覚まし、歯を磨き、朝食をとり、装備を整え、8時には家を出て、駅に8時30分についた。



鮮色駅近くの小鬼ダンジョン(G級)までやってきた静葉は、驚きの光景を目にすることとなった。


いつも必ず遅れてくるアゲハが、先についているのである。30分も前なのに、である。



静葉はまず、飛行中に目にゴミが入ったわけではないかぬぐい、

次に駅の時計と腕時計を見比べ自らの時計がずれているわけではないことを確かめ、

最後に自らの頬をつねり、幻覚を食らったわけではないことを実証し、

ようやく目の前の信じがたい光景を現実であると認識できた。


幼稚園時代から集合時刻から遅れてでもくればいいほうで、

小学生になれば約束をしたこと自体を忘れて翌日も忘れていることがままあり、

中学に至っては入学式や終業式にすら遅刻してきたアゲハが、である。


静葉はアゲハに「おはよう」と言った後、自らの装備を再確認し、

緊急時用の赤いポーションと青いマジックポーション、黄色いスキルポーション

がすぐ取り出せる場所にあるかを確認し、靴紐が切れる兆候はないか、

緊急時用の発煙筒、最低限の水分、糖分、塩分補給用アイテムがあるかを確認し、

バッグにほつれや弱い部分がないかを確認し、

ダンジョン解放連盟の象徴的なマスクをかぶった集団が()()ことを確認した上で、

「ごめんね、ちょっと違和感を感じて。でももう大丈夫。さぁ行きましょう。」

と声をかけた。


戸惑ったアゲハが、

「う、うん。いきなりどうしたの?」

と静葉に問いかけたが、静葉はアゲハの両頬をつかみ、伸ばし、

「うん、この触り心地は本人ね。特に何でもないわよ」

と言い、ダンジョンに歩を進めた。

アゲハは何があったのかと考えたものの、まぁいいかと思い直し、

「まってよ!先に一人で行かないでよね!」

と言いながら駆け出した。




Side ダンジョン解放連盟?


顔を隠した者たちが5人ほどいる。


その中で最も背の低い男が、

「この場所に我らが捜しているモノの一端があるというのは本当か?この大幹部である我を呼んだのだ、

確実な根拠を持ってのことだろうな?」

とほかの4人に問いかける


最も背の高い男が、

「はい、確かにございます。かの翠翼がこのダンジョンに入るのを確認しましたので。

かの者がこのような低級ダンジョンに入る理由など、あのモノの一端が保管されているに違いありません」


最も背の低い男が語気を強めながら、

「よもや、それのみで判断したわけではあるまいな!

それ以外の根拠なく我を呼び、あのモノの一端がなかったらどう責任を取る!?」

という。


最も太っている男が、

「大丈夫でふ。ここ数日、かの者がこの辺りを飛び、見回っているのを確認したでふ。

あのような行動をするなど、付近にあると言っているも同然でふ。愚かでふ」

という。


最も背の低い男が、肩を怒らせながら、

「かの者がこの付近にいるというのか!?我とかの者が戦えば、あのモノの一端が無事かはわからんぞ!?」

という。


最も痩せている男が、

「かの者はつい先日飛び去ったであります。

我らに気付かれていないと確信し、この地を去ったと推測するであります。

実に愚かとしか言いようがないであります」

という。


最も背の低い男が、半ば呆れ、頭を抱えながら、

「それは、ここにはないから飛び去ったのではないか?あのお方に、なんと報告すれば・・・」

という。


それをすべて明らかに違う仮面で顔を隠している少女がすべて聞いており、

「あなたたちって、馬鹿だったのね。この付近で残党がこそこそしていると聞いたから来てみたものの、

これなら何もできそうにないわね。」

という。


それを聞き最も背の低い男が

「貴様!幹部たる我になんという口をきくのだ!不敬ぞ!」

といった後、まったく異なる仮面をつけていることに怪訝な表情を浮かべ、2人に

「こいつは何者だ?」

と問う。


最も背の高い男は

「あなた様の後ろを歩いて来たのでてっきりあなた様の護衛かと思っておりました」

という。


そして


最も背の低い男は


「残り二人はどこに行った?」


と尋ねたが


返事をするものはいなかった。


それを()()()()少女に

「まぁいい。あのモノの一端がどこにあるか知っているか?」

と問う。


少女は

「えぇ、もちろん知っているわ。でも、あなたが気にすべきは本当にそのことかしら?」

と問う。


最も背の低い男は

「そういえば、貴様は何者だ?いや、その前に、あいつらはどこだ?

いないな・・・どこにも・・・ここにいるはずなのに」

と言う。


そして少女は

「私は黄泉。あなたたちを狩る者よ。来なさい(ニーズヘッグの牙)

と言い、どこからともなく現れた大鎌を振るい、最も背の低い男、いや、最後まで生き残っていた男を切り捨てた。



その後、

「周りの人が彼らの存在に恐怖しないよう付近の全員にスキルを使って思考誘導するのは思いのほか疲れたわ。」

と溜息を吐きながら呟き、その場を去った。



Side 赤羽


結論から言えば無事スキルの差もあり、ゴブリンを80匹ほど狩り、

BOSSであるゴブリンパーティのゴブリンアーチャーからは視力強化のスキルオーブが落ち、

レベルアップも果たし、4800円ほどの収入を得、幸せなランチを取り、

幸運にもまた会うことができた黄泉に握手をしてもらい、幸せな一日を終えた。

ダンジョンに入る前の違和感のことなど忘れて。


7月18日から21日の平日、静葉はダンジョンチャレンジも慣れてきたため、アゲハと別れ、放課後にダンジョン街のG級小鬼ダンジョンに挑み、レベルを30まで上げ、5000円ほどの収益を得ることができた。

自信のついてきた静葉は7月22日土曜日、鳥野山にあるF級鳥野ダンジョンに挑むことを決めた。


鳥野ダンジョンは、鳥野山にあるという理由で名づけられたダンジョン群であるため、今までのように名前から内容を類推して準備をするわけにはいかない。

そのため、静葉は冒険者ギルドの資料をもちいて内容を調べることにした。


「えーっと、『鳥野ダンジョン群について』これかな?なになに・・・」


今回調べて、

・鳥野ダンジョン(F級)は標準的なF級ダンジョン同様5階層であり、1~3層はホーンラビット(F級下位)がいる草原となっており、4層にはF級中位相当のゴブリンの集落ができており、5層にはF級上位相当である職業持ちのゴブリンを中心としたゴブリンの集落とホーンラビットが生息しているということ

・今まで行っていた小鬼ダンジョンは洞穴型であったが、鳥野ダンジョン(F級)はフィールド型であり、草原の中にあるくだり階段を探さなくてはならないこと

・その月の最後の日の日付が変わる時間にダンジョン内にいるとダンジョン内の構造変更に巻き込まれ居場所が分からなくなる変遷という現象が起こりうるということ

の3点が分かった。


F級以上はしばらくすると地図があてにならなくなるという話は聞いたことがあったが、この変遷が原因だったらしい。

幸い、初挑戦する22日は月末に近いため、最寄りの鳥野冒険者ギルドにて1層当たり1000円で内部地図が買うことが可能なようなので、平日のダンジョン攻略で得た収益を使いすべての層の地図を買うことにした。




7月22日土曜日

静葉は7時に起床し、朝食をとり、母親が出勤する8時に家を出て、8時30分に鳥野ダンジョン(F級)に到着した。


「F級初チャレンジ、頑張るぞ!」

と気合を入れた静葉は、1層で思わぬ苦戦を強いられることとなった。


ホーンラビットがかわいいのである。

ただの植物にしか見えないウィードや不定形のスライム、汚くよだれを垂らしながら迫ってくるゴブリンを躊躇なく切り捨てたり焼き払ってきた静葉は、角がついただけの茶色のふわふわした兎に攻撃することに抵抗を覚えた。


これの現象は、静葉だけに起こったことではない。過去、ダンジョンが出現したばかりの時期、意気揚々とF級ダンジョンに入った、ゴブリンを狩る、他の存在を傷つけるという第1の壁を突破した挑戦者たちが躓いた第2の壁である。


そして、静葉は思い出した。前日の夜、母親が、

「F級に挑むって言っていたし、明日の夜ご飯は兎ステーキかしら♪」

と言っていたことを。


兎ステーキ。ステーキである。ダンジョンに挑むようになり、運動量が増えてきた静葉にとって、おいしいタンパク質は何よりも大切である。母親がああいっていたということは、ホーンラビットが兎肉をドロップするということだろうか。


静葉は、かわいいものを傷つけるということと食欲を天秤に乗せ、悩み、1度ダンジョンを出ることにした。


ダンジョンから出た静葉は、火を使わずにホーンラビットを狩ると低確率で美味な兎肉をドロップするということを知り、嫌な予感がしつつ薬草を一切落とさなかったウィードのことを調べると、こちらも火を使ってはいけないことがわかり、少々うなだれながらも、肉に目がくらみ・・・いや、レベルアップとダンジョン経験のため、涎・・・ではなく血涙を堪えながらホーンラビットを狩り始めた。


結局その日、18時過ぎまでかけホーンラビットを200ほど狩り、兎肉を5つと兎の尻尾を3つ獲得した。


兎肉のドロップ率が悪く、珍しいはずの兎の尻尾が3つも手に入ったのは、物欲センサーの影響なのかもしれない。


同じ装飾品は1つまでしか装備できないため、2つ兎の尻尾を売ろうとしたが、何か考え直し、1つだけ売ることにした。


その日の夜、少々帰宅が遅くなったことを母親に叱られたが、兎肉を入手してきたことを告げると途端に上機嫌になり、

「今日は兎ステーキね♪明日はシチューを作ってあげるわ」

と言っていた。


静葉は兎ステーキに舌鼓を打ったが、中学生にとっては大金を払って地図を入手したことを思い出し、明日こそは鳥野ダンジョン(F級)を踏破することを決意した。


翌日、静葉は7時に目を覚まし、7時半に家を出、ダンジョンには8時に着き、断腸の思いで4層まで駆け抜ける。

途中で出会ったホーンラビットは狩ったが、兎肉をドロップせず、静葉は少しテンションを下げながら4階層に降り立った。


4層からは森であり、ところどころにゴブリンの集落が存在する。

油断をすると袋叩きにあってしまうため、気を引き締めなければならない。


MP・SPには限りがあるため、基本脇差で切り捨てている静葉にとって、多対一は避けるべきことである。知っての通り、日本刀は多くを切ると切れ味が落ちる。抜刀術スキルの影響で通常の10倍ほどまでは問題ないが、広い1階層にいるモンスターをすべて相手にするとなると軽く1000を超えてしまうため、1度の戦闘でそのすべてを切り伏せるということは不可能であるし、仮にできたとして次の層に挑むことはできなくなってしまう。その為静葉は最短距離ではなく、なるべく木の陰になり見つかりにくい道を通ることにした。



静かに息をひそめつつも、次の階層での予行練習として30匹ほどの集団と戦闘を挟み、次の階層までの道のりの半分ほどを過ぎたころ、遠くから人が叫ぶ声が聞こえてきた。

救援を求めているのであれば助けるのもやぶさかではないと思った静葉は、その声の方向に、ゴブリンに気付かれないよう飛んで上から行ってみることにした。


「おいおいこれやべぇよな!緑川さん!」


「あぁ、さすがに低級とはいえ、この数は厳しいぞ!なんてことをしてくれたんだ黄原!」


「すみません!でも、スキル使ってみたくなったんっす!」


「だからと言って、あのような大きな音が鳴るスキルを使う馬鹿がどこにいる!それに、MPを使い果たして倒れるなど・・・青山!どうにかできるか!?」


「さすがの我にも不可能だ!50匹くらいまでならどうにかならなくもないが、軽く10倍はいるではないか!」


「え?一人150匹くらい狩ればいいんじゃないっすか?いけますよ!」


「あほか!1対1を100回繰り返すのと、この数と1度に戦うのでは難易度が違う!俺も青山も広範囲スキルは持っていないんだ!」


「う・・・じゃぁ、逃げるか誰かに助けてもらうしかないんじゃないっすか!?」


「っち、そうだ、他の人もいるんだ、この数をトレインしたのでは、この級を狩場にしている人に迷惑が掛かってしまうな。やるしかないか。青山!二人で黄原がマジックポーションを飲む時間を稼ぐぞ!」


「っふ、仕方ない、この我が切り伏せてくれよう!」


「大変そうですね。手伝いましょうか?広範囲魔法、持っていますし。」


「!?だれだ!どこから声をかけている!」


「あ、上です上。赤羽と申します。で、お手伝い、いります?」


「同年代の少女に頼るというのは情けないが、それしかあるまい。頼む!」


「わかりました。では、行きますよ。魔力操作:風魔法Lv8ウィンドストーム+火魔法Lv3ファイアアロー 範囲増大!=フレイム・アロー・ストーム! 」


魔力操作の効果により2つの魔法が合成され、魔力を多く使ったことにより通常より範囲が大きくなった魔法が発動される。


ゴブリンたちの中心に炎の竜巻ができ、そこからファイアアローが飛び出す。

静葉の魔力は残り10ほどになり、呼吸が荒くなるが、ゴブリンは残り50ほどまで数を減らした。


「この数なら余裕だ!助かった!青山、やるぞ!」


「おう!」


青山と緑川と呼ばれていた少年らがゴブリンに切りかかり、無事殲滅に成功した。


「助かった。ありがとう、赤羽さん。」


「いえ、ダンジョン内では助け合いですので。」


「赤羽ちゃんっていうんすか?よろしくっす!僕の名前は黄原 涼っす!よろしくっす!」


「馬鹿野郎、お礼が先だろうが。誰のせいでこうなったと思ってやがる!あ、ありがとうございました。わ、俺の名前は、青山 厳動です。」


「あー・・・名乗るのを忘れていた。俺の名は緑川 森羅。本当に助かった。黄原と青山の引率に来たのだが、判断が甘かったようだ」


「流れ的に私も自己紹介をしたほうがいい感じかしら。私の名は赤羽 静葉です。ご無事で何より。」


「静葉ちゃんはひとりっすか?パーティー組んでないなら、僕らと組まないっすか?」


「い、いえ。私は、スキルの都合上、一人のほうが万が一の時逃げやすいので。」


「そうっすか・・・残念っす。じゃ、じゃ、メアド交換しません?」


「黄原!赤羽さんに迷惑がかかるだろう!」


「え~?でもそんなこと言ってる青山君も、メアドほしいんじゃないっすかぁ?気になってるんでしょう?」


「な、なにを言っているんだ!」


「え~?だって、いつもとしゃべり方違いますし~『我は!』とか言ってたのにぃ」


「そ、そんなことはない!」


「二人ともうるさいぞ。すみません、赤羽さん。」


「いえ、仲がいいんですね。」


「そういってもらえて何よりだ。黄原のような不純な動機ではないが、メアド交換してもらえないか?ダンジョン外で今回の礼がしたい。」


「んー、では、緑川さんだけであれば」


「助かる。」


「え~ずるいっすよ!」


「うるせぇ黄原!お前は反省しやがれ!」


「ぶーぶー青山だって悔しがってたくせにぃー」


「そ、そんなわけないだろう!」


「そうですよ黄原さん。私なんかのメアドに価値なんかあるわけないじゃないですか。青山さんが迷惑してますよ?」


「あ、いや、そういうことではなく・・・」


「え~?赤羽ちゃん、マジでそう言ってますぅ?かわいーのにぃ。」


「か、かわいい!?そんなわけないじゃないですか。私みたいな地味子が・・・」


「え?地味?そんな真っ赤な髪と瞳してて地味はないっすよ」


「え?赤?えぇ!?ほんとだ!赤くなってる!なんで!?」


「あぁ、地毛ではないのなら、魔法獲得の影響ではないか?獲得直後と、魔法を使った後しばらくは色が変わると聞いたぞ。」


「あ、そうなんですね。ありがとうございます。」


「調べればわかる程度の知識だからな。」


「そ、そろそろ行きましょう緑川さん?俺ら、ボロボロですし。」


「む、それもそうだな。帰るか。行くぞ黄原」


「赤羽ちゃーん!またねぇ!」


「あ、はい。」

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