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管理者の同族作成記 まとめ版  作者: Lis
間章 決戦の裏で
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第4話

「ははははは!ディルよ!そろそろ聞こえる頃だろう?」


「なんだと・・・?本当に聞こえるではないか。ふん!ちょうどいい。遺言を聞いてやろう」


そうディルは勝利を確信したかのように学長に言う。


「遺言?馬鹿を言うな。それは貴様の方ではないか?」


「何を・・・」


体の自由が利かず、明らかに不利な状況のはずなのに強気の学長に対してディルが怪訝な表情をするが、不意に重圧がこの空間を支配する。


「!?なんだ、これは!貴様、何をした!」


「あぁ、呼んだのさ。私が、私の命の危機に陥った場合1度だけ助けるという契約を結んだ存在をな。」


「っち!呪術師を甘く見たか・・・だが、どのような相手であろうと」


滅ぼしてくれる、そう言おうとしたディルに雷が落ちる。


「がはっ!?な、なんだこれは!ただの自然現象で我が傷つく!?」


はずがない、そう言おうとしたディルに再び雷が落ちる。


「がぁぁ!?」


「はは、教えてやろう。私が呼んだのは、雷神だ。」


それと同時に今までで一番大きな雷が落ち、ディルの顔が真っ青に染まる。


「神だと!?この国における神は、強大な力を持つ存在であろう!?なぜそのような存在を貴様が!そして、どのようにして!」


「あぁ・・・?ま、教えてやるよ。冥土の土産ってやつだ。複数の大妖怪と雷神が戦闘し、敗北寸前の雷神を助け、命の恩は命を助けることで返す、そういわれただけの話。わかったか?()()


その言葉を聞き、ディル、いや、ディルの体を操っていたロキが驚愕の表情を浮かべる。


「!?・・・気付いていたのか。」


「当然だろう?1年近く一緒にいた阿呆の魔力を見て気付かない方がおかしい。どうせそいつも傀儡の一人だろう?1人を維持するだけでも苦労するというのに、複数人を傀儡にするとは、ご苦労なことだ。」


学長の余裕のある態度に、ロキは腹を立て、煽る。


「はん!そうか!では、絶望するがいい!貴様の頼りの綱は、1度この体を殺したことで去ってしまったぞ!」


それを聞いて尚、学長の表情は変わらない。


「あぁ?知っているが、それが絶望する理由にはならんな。」


「なんだと・・・?私がこの体を操れば貴様を殺すことなど容易いのだぞ!」


「はっ。それは無理だな」


「・・・なめるな!」


ロキが怒るが、学長はそれでも表情を変えない。


「おいおい、舐めてないぜ?」


「では、どういうつもりだ!この状況から私に勝つというのか!」


「あ?んなん出来るわけないだろう?」


「では!みじめに命乞いでもしたらどうだ!そうすれば、過去一時的とはいえ私を従えていた頃のよしみで見逃さなくも」


「結構だ。」


学長がロキの発言に被せるように拒絶すると、ロキは一瞬落胆の表情をし、すぐに殺意に満ちた笑みを浮かべる。


「では、死ぬがいい。あの当時の生に執着していた貴様からは考えられぬ最後であったな!」


そう言うとロキは右手を真横に伸ばし、手を開く。


「出でよ、全てを焼く炎の剣(レーバテイン)


「おぉ、魔法疑神器か。」


「これを見ても余裕があるというのか!なめるのもいい加減にしろ!」


そう言い、ロキは学長に剣を振るい、学長が燃え尽きる






その寸前、雷により建物はすでに消し飛び見えるようになった空から、黒い何かが降ってきて、その剣をかき消す。


「最速、その名を冠する偉大なる大空(そら)の覇者、粕窪参上!こーあん、生きてるか~?」


「粕窪さん、最速の割には遅くないです?全く、私、死にかけですよ。まぁ、最速よりもよく冠してる多忙があるから仕方ないんでしょうが、来る気配を察知して切り札を切ってそれでも着かないから頑張って白兎で引き延ばしてたんですから。」


「すまんて。途中大陸から流れて来る竜種が見えたからちょちょっと仕留めてきたんだ。こーあんなら大丈夫かと思ってな?」


「まぁ、生きてるからいいですがね。」


そんな会話を、粕窪は手に持つ黒い剣でロキの攻撃を防ぎながら行っているのである。ロキが怒るのもある意味当然と言っていいのかもしれない。


「ふざけるな!貴様は何者でどこから現れた!」


「だーかーら、粕窪だって。あ、所属かな?ダンジョン関連特務警官、3大執行官が一人、『最速』の粕窪だ。どこから、と聞かれたら北海道から、かな?」


「貴様!私を馬鹿にしているのか!北海道からここまでどれだけの距離があると思っている!」


「こーあんが危ないからって飛んできたのさ。文字通りね。」


「あぁ・・・あぁ!貴方はいつもそうだ!周りに赦され、馴染む!貴方の将来に災い有れ!」


そういうとロキは本来の物言わぬディルの死体へと戻った。


あっけなく決着がつき拍子抜けしたのか粕窪は思ったことが口から零れる。


「およ?終わり?」


「あぁ、本体は黄泉さんと戦っているからな。少しでも力を回収しようと必死になっているのだろうよ。幹部の始末をつけた四変王も合流するし、新たな力を得た神名さんもいるからな」


「新たな力?たらし能力じゃなくって?」


「ふむ・・・巫女姫様の占いがあっているなら新たな力ではなく元から持っている力かもしれないな。」


「まーたたらしこんだのかい?」


「ついこの間復活したアレの核を詰めた札を渡したからな。力は私が分割して封印しているが。」


「それ解除すれば勝てたんじゃね?」


「私が死にかけるのと日本中の妖怪が活性化し地獄絵図になるのとを天秤にかけた結果、私が地獄を見ることを選んだだけだ。気にするな。」


「そうかい?ところで、起き上がらないのかい?」


「呪いは解けてないからな。ロキが死ぬまで解けないさ。運んでおくれ?」


「しゃーないなぁ・・・どこまでだい?」


「元黒君があいつに狙われてた少女達を連れて避難しているからそこまでかな?」


「あぁ、しんさんの恋人ちゃんとそのお友達ね?元黒君も大変だねぇ。四変王には絡まれるわこーあんに目を付けられるわ」


「正確にはしんさんの恋人候補ちゃん、だな。しんさんが逃げるから確定じゃない。そして絡んでいたのは粕窪さんもだろう。」


「ま、そうともいうな」


そう言い、粕窪は学長を背負い、元黒の魔力をたどる。





「や、元黒君。お届け物だよ?」


「!粕窪さん!今回はあの時みたいな変装はしていないのですね?」


「ん?あぁ、あの時か。あの時は名前言った後驚いて言葉でなくなってたよな、元黒君。」


「そりゃ、貴方みたいな大物があんなダンジョンにいたら驚きですよ」


「それもそうか」


「ところで、学長は大丈夫ですか?」


「んー、まぁ、大丈夫っちゃ大丈夫だよ元黒君」


「こいつ、元黒君のお嬢様と同じことになってやがるんだぜ。」


それを聞き、元黒は想定していなかった情報に驚く。


「なっ!?戦闘後呪いがそのままということは、ディルはどうなったのです!?まだ生きているのですか!?」


「安心しろ、俺が付いた時には死んでロキが操ってたが跡形もなく燃やしといた。」


「・・・それでも解除されないのですね・・・」


「あ、これロキの呪いだからロキが死んだら解けるよ。だから今日中には解けるんじゃないかな?黄泉さんがしっかり仕留めれば。」


「そう、でしたか。であれば、解けるまで言わないようにしておきます。」


「ん。それがいい。ところで、藍田君を呼んでくれるかい?」


「はぁ。かしこまりました。」


そういうと元黒は少し離れたところにいる藍田を呼びに行く。


「なんだ、こーあん。ついに春が・・・?」


「そんなわけないだろう。弟子候補だ。」


「へぇ!あのこーあんがねぇ・・・」


「あのってなんだあのって・・・」


元黒に呼ばれた藍田が粕窪に背負われた学長の下に来る。


「学長、大丈夫ですか?呼んでると聞きましたが・・・」


「あぁ、大丈夫さ。それと、呼んだのは、君だけ魔術に関連する方法がないし、弟子入りしない?って話だよ。」


「私だけ・・・そういえば、そうですね。森羅ちゃんは基礎はもう習得しているそうですし、美咲ちゃんには元黒さんがいますし・・・では、お願いします。」


「んじゃ、ちょうどゴールデンウィークだし、5月3日から始めようか」


「はい!」


「こーあん、話終わった?」


「ん?終わったよ。」


「んじゃさ、これから戦場に行こうと思うんだけど。」


「え、なんで?」


「俺が行けば巫女姫の術でうちのパーティが参戦できるからね。もう決着ついてるかもだけど、行く価値あるんじゃね?って」


「それもそうだね。私自力移動無理だし連れてってくれると助かる」


「よっし!んじゃ、いくぞ!」


その速度に学長が目を回している間に戦場に着いたが、ロキが飛び去るのが見えた。


「こーあん!ロキが飛んでく!」


「しゃーない!ここで私を落として行って!粕窪さんのパーティで戦えば勝てる!」


「おう!任せとけ!んじゃ、幸運を祈るぜ!」


「誰か一人くらいは受け止めてくれるだろうさ!」

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