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2話 アーチファクトが息づく世界


古いモノには意志が宿ることがある。

それはお伽話ではなく、本当にそうなのだ。

意志を持っているモノ、それがアーチファクトなのである。これはジークお祖父様が古文書から引っ張ってきた言葉。



お祖父様や私の経験によると、アーチファクトになるには3つの条件をクリアする必要がある。

それは

①300年以上前に、人間の手によって作られたものであること

②大きく破損していないこと

③創造者もしくは使用者が強い思い入れを持っていたこと。


300年というのには意味がある。それは、この世界から魔素が消え始めた頃なのだ。それよりも前の世界には空気中に魔素と呼ばれる物質が混じっており、それを取り込むことで魔法を使える人種がいた。それが魔族と呼ばれる者たちである。

彼らは魔素がなくなり魔法が使えなくなったことで普通の人間になったとされている。


そして、魔素は色々な物質に溶け込んでいた。石や粘土、金属類に溶け込んだ魔素はそこに留まったようで、それらの魔素が創造者・使用者の"感情"に反応して人格のようなものを形成したのではないか、と私達は推測している。


ちなみに、シルビアは珍しい木製のアーチファクトである。通常、木に含まれている魔素は年月が経つと抜けてしまうようで、アーチファクトになることはあまりない。彼女は特殊な加工をされているようで、魔素が減らないらしい。現在も調査中である。



アーチファクトの中でも、魔石が埋め込まれているモノは強い意志や人格を持っており、私達は魔法遺物(マギファクト)と呼んでいる。マギファクトの中には自身を動かしたり、周りに影響を及ぼすモノもある。


そして、マギファクトの中で、周りに悪い影響を与えてしまうものを呪詛遺物(フルーファクト)と私達は呼んでいる。




新しいモノでも、意志が宿ることがある。

それは、アーチファクトの核(魔石など)が他のモノに移った時である。

例えば、ドーちゃんはそのタイプで、彼は若き日のお祖父様が手帳の表紙に"2つに砕いた魔石"を埋め込んだことで誕生したマギファクトなのだ。

ちなみにもう一つの魔石は別の手帳に埋め込まれ、ナーちゃんと名付けられた彼女はお祖父様の相棒となっている。



まだまだ研究途中。アーチファクトがどういうものなのかはまだわからないことだらけである。

そして、なぜ私達が彼らの聲を聞けるのかということも謎のままである。



私は、お祖父様のこの研究を引き継ぎ、謎を解決していきたい。



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