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南北朝時代の林田隠岐守に転生して南朝で戦います  作者: 林田力
南北朝時代の林田隠岐守に転生して南朝で戦います
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林田力泰は躍り出たい

激戦に次ぐ激戦が繰り返された。今川了俊も並みの武将ではない。幕府軍に慎重さを徹底するようになった。そこで林田隠岐守は一計を案じた。嫡男の林田力泰の部隊を突出させた。その突出は幕府軍からも確認できた。過去の経験から罠と見るべきだが、その部隊の動きは明らかに味方との連携を欠いた行動であるように見えた。


今川了俊が尋ねる。

「林田力泰隊をどう見るか」

仲秋が答えた。

「いつまでも消耗戦をしていると向こうの攻撃に対応できなくなります。下手に近づくのは危険ですが、威嚇も兼ねて一度接近して攻撃を加えます」


了俊の許しを得た仲秋は、林田力泰隊に向けて部隊を進撃した。この進撃は信じられない速さであったにも関わらず完璧に統制がとれていたため、林田力泰は敵将を称賛しつつ、「これも隠岐守の作戦のうちだ」と言って左後方に後退した。幕府軍は、それを撃つために右に向かう。


そこに林田隠岐守の号令で一門衆の林田力則率いる別働隊が幕府軍の左側面に躍り出た。その速さも称賛されるべきものである。気が付けば、幕府軍は完全に前と左からの半包囲にあっていた。了俊は舌打ちして退却の指令を出した。


「流石は林田隠岐守よのう」

了俊の言葉には感嘆の色があった。

「見事な采配です」

了俊の言葉を肯定するように仲秋が言った。

「だが、まだ勝負が決まったわけではないぞ」

了俊はそう言って気を引き締めるように促した。仲秋はその言葉を聞いて、確かにそうだと思った。

「あれだけの軍を動かすのだ。それなりの危険があるはずだ。それをどうやって克服しているのか?」

仲秋も同意見であった。

「おそらくは、あの一心寺でしょうね。あそこで兵馬を休ませているはずです」

秀貞はそう推測を述べた。

「なるほど。だからといって、それだけのために兵を割くだろうか? いや、違うな。何か他に狙いがありそうな気がする」

了俊の勘は鋭い。


林田隠岐守は的確に指示を出していく。常に先手を取って読み勝つ。合理的で決して無理がない。ことさら勇猛さを見せることはない。旧日本軍のような精神論からは無縁である。従う兵は自然に信頼を深めた。林田力則が率いる部隊は幕府軍の本陣に突入した。幕府軍は慌てて応戦した。


幕府軍が簡単に負けることはない。兵力は圧倒的に上である。了俊は兵力のアドバンテージを上手に活かして戦列を立て直し、局地的に不利になっても綺麗に対処する。それでも、全面攻勢に出ようとしてもうまく抑えられてしまう。逆に先に綻びを見せ始めてしまう。


林田隠岐守の戦略は見事に嵌った。

「この勝利を糧として、さらに精進いたします。今後ともよろしくお願い申し上げます」

林田力則は林田隠岐守に深々と頭を下げた。

「こちらこそ、よろしく頼むぞ。これからも頼りにしている」

林田隠岐守は力強く答えた。

「林田隠岐守は恐ろしい男だ」

南朝方の武将は口々に林田隠岐守を称賛した。

「林田隠岐守には勝てんか」

了俊は悔しげに言う。

「飯岳城を落とせなくても征西府を落とすことはできましょう」

仲秋は励ますように言った。


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