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林田力平は精神論根性論を否定したい

林田力平達の活動は徐々に注目を集め、社会的な議論を呼び起こした。力平達の努力は多くの人々に響き渡り、大きな影響を与えた。力平達の行動は、切支丹に限らず、あらゆる宗教や少数派の権利を守るための大きな契機となった。その闘いは、個人の尊厳と自由の名の下に繰り広げられた、新たなる時代の物語となった。


明治時代は生き辛かった。日本国民は生きること自体が困難な状況に直面していた。社会の中で生計を立て、家族を養うために必死に働く人々の中には、信教の自由という抽象的な概念を追求する余裕が乏しかった。


明治時代は決して楽な時代ではなく、国家が強調され、個人の立身出世が競われる社会であった。個人の自由や尊厳が犠牲にされることも多かった。日々の生活に追われ、頑張り続けることが唯一の価値観とされ、通俗道徳の罠に多くの人々が陥っていた。それは昭和の精神論根性論やガンバリズムにつながっていく。


日本人は制度作りの経験が乏しいため、社会保障制度のような制度で救う仕組みを作るよりも個人に頑張らせる方向に働く。自由な競争が個人の自由や創意をもたらすのではなく、家父長制的な「家」同士での激しい競争を促し、女性の搾取にもなった。明治時代は江戸時代よりも女性の権利は後退した。この流れの延長線上に軍部の暴走、十五年戦争への突入がある。軍部の暴走は社会に深刻な影響を及ぼした。


戦後は民主主義的な考え方が主流となった。平和で豊かな生活を求めるようになった。人々の心の中には反戦思想が芽生えた。しかし、官僚制は残存し、昭和の精神論根性論やガンバリズムも日本型組織に染みついている。パワハラや出社ハラスメント、対面コミュニケーション至上主義にも見られる。


昭和の精神論根性論が問題である。これは、逆境に立ち向かい、困難を乗り越える力強い精神を称揚するものであり、時折、開き直りとして現れることあるから始末に負えない。「それで我々は成功してきたんだ、何が悪い」と開き直る。高度経済成長期やバブル期の「成功」は精神論根性論が上手くいったのではなく、何をやっても売れた時代だから上手くいっただけである。それに気づくことなく、過去の栄光にすがりつくことで、新しい道を見つけることができなくなる。


「今さらそんなこと言っても仕方がないよなあ……」という思い込みに支配されている。「あの時代は良かった」「今はダメだけど昔はよかった」と思うことは楽なのだ。そして、そういう考えが蔓延すると、いつの間にか思考停止状態に陥る。そうなると何も変わらない。何も変わらないまま、過去の栄光にしがみついたままでいることになる。


林田力平達の活動は、この固定観念に立ち向かうものであり、社会の多様性と個人の権利を尊重する新たな価値観を提唱した。彼らの闘いは、時代の変革を告げる鐘のように、日本社会に新しい風を吹き込んだ。そして、その風は、個人の尊厳と自由を讃える新たな時代の幕開けを予感させたのである。未来を切り拓くために、私達は昭和の精神論根性論を否定する精神を求めて歩むべきだろう。



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