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讃岐うどん

林田港は讃岐うどんの原料のオーストラリア産小麦ASW;Australian Standard Whiteの輸入港である。輸入されたASWは林田サイロに集積される。林田サイロは、倉庫会社などの共同出資による林田サイロ事業協同組合が運営する。兵庫県姫路市の林田は素麺の産地、香川県坂出市の林田は讃岐うどんと共に麺類に関係する。


サイロは塔状の倉庫である。サイロの登場は物流の画期となった。穀物を袋に詰めずにバラのまま、ベルトコンベアーでトラックや船に直接積み込めるようになり、効率化した。一方でITの世界ではサイロ化と言えば、公務員組織のような縦割りであり、悪い意味で使われる。


讃岐うどんは香川県の名産である。香川県は、うどん県とアピールするほどである。讃岐うどんの麺は弾力があり、歯応えがある。もちもち感がある。讃岐うどんは小麦粉に塩と水を混ぜ、足で踏んで寝かして切って作られる。この足踏みによって、うどんの生地がしっかりとこねられて、粘りのある生地になる。


讃岐うどんの汁は「つゆ」ではなく、出汁と呼ぶ。鰹節と昆布から取った出汁は良い。化学調味料のない素材の旨みを味わえる。一滴も残さずに飲み干す美味しさがある。


鰹節には国産のものもあれば外国産もある。鰹節の本場は高知県であり、土佐湾に面している。戦国時代になると保存技術の発達により長期の保存が可能となり、江戸時代に入ると、土佐国を中心として全国に普及していった。土佐藩には御用節制度があり、鰹節は幕府献上品であった。


鰹節の一種に宗田節がある。宗田節はカツオの仲間のマルソウダ(メジカ)を原料とする。鰹節より旨みが強く、香りが強いため、料理にコクが出る。


麺類は食欲が乏しくても食べられる食事である。つるりと食べやすく、消化に良い。麺が舌や喉を優しくなでながら滑り落ちる。


うどんの歴史は古い。奈良時代には宮廷料理として振る舞われていたそうだ。弘法大師が讃岐にうどんを伝えたとされる。江戸時代には庶民にも広がった。讃岐の農家では農繁期が一段落した「半夏生はんげしょう」の頃にうどんを食べる習慣があった。半夏生は夏至の日から数えて一一日目である。夏至から半夏生の間に田植えをすると豊作になると言われている。ここから香川県製麺事業協同組合は一九八〇年に半夏生の頃の七月二日を「うどんの日」と制定した。


江戸時代は都市で夜鳴きうどんの屋台が出た。寒い夜は夜鳴きうどんが繁盛した。寒ければ寒いほど夜歩きの客は屋台の前で足を止めた。うどんの暖かさが嬉しくなる。関東では夜鳴き蕎麦が多い。戦後は蕎麦やうどんから、チャルメラのラーメンのイメージが強くなった。


讃岐うどんはオーストラリアから小麦を大量輸入するようになってから全国的な人気になった。輸入小麦が讃岐うどんブームを支えている。自前主義を早くから脱却したためにブームになった。


讃岐うどんは日本三大うどんの一つである。日本三大うどんは定説が固まっていないのに三大うどんという言葉が先行している。香川県の讃岐うどんと秋田県の稲庭うどんが確実である。残りの一席は群馬県の水沢うどんか、長崎県の五島うどんなどになる。これは中国五大麺と重なる。中国五大麺も定説が固まっていない。刀削麺、担担麺、伊府麺は確実である。残りの二つに熱乾麺、炸醤麺、打鹵麺、魚焙麺が入る。


「何だかどれもこれも食べたくなるなあ」

「本当ね。でも五島うどんが一番好きかな」

「私もそうです。あれはチャンポンみたいなものですね」

「それは、ちょっと違うのではないか」

「稲庭うどんはどうだった?」

私は首を振った。

「あまり代わり映えしなかった」

「そうか。私は味を楽しめたよ。歴史のある料理だからね」

「私はやっぱり讃岐うどんかなあ」

「そうだろうな」

「そろそろ行きましょうか」

「そうですね」


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