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プロローグ
時は流れ___再生紀1026年。
Foeghtを創設した元年より千年以上の時を経て、人類の文明は更なる進化を遂げていた。
今までの日光に変わる擬似太陽の生成をはじめ、人工栄養剤糧の培養技術開発による食糧問題の解決、医療目的としての生活補助向上の為に、任意での部分サイボーグ化など、人類は地表にいた時代よりも遥かに上回る生活水準を手に入れた。
また、一部の学者達は人類が新亜に移り住んでからシェルターの外…地表のオゾン層は回復しており、太陽フレアや紫外線などの有害な光は遮蔽され、外に出る事は可能であると唱え始めた。
しかし新亜の政府はこれを許さず、地表へ出る事を全面禁止、及びそれらに関わった者を処刑する法律を制定した。当然糾弾した学者達もいたが、政府によって"粛正"され、地表への脱出に関わる事柄は禁忌となってしまった。
民は"粛正"を恐れ、地表への憧れを捨てる事は暗黙の了解としていたが……
その"憧れ"を捨てない人間が、歴史を変えることになるのは…まだ先の話である。