5。迷い子と呼ばれました
「え、ウッソ?! こいつ『迷い子』なの?!」
今度は赤猫お兄さんが、距離を詰めて顔を覗き込んできた。
ちっ、近い。距離感おかしい。
おでこくっつきそう。
「マジで? オレ初めて見たよ!」
「本当にいたんですね。こんなとこで拾うなんて……」
と猫耳二人はびっくりしたまん丸おめめで大興奮。
嬉しそうに目をキラキラ、ギラギラさせている。
ーー本当にいたって、人を天然記念物か何かのように言わなくても。
そりゃこんな大きな迷子は珍しいかもしれないけど。
とりあえず今すぐ移動って雰囲気じゃなくなったので、一旦地面に下ろしてもらえた。
慌てて距離を取って深呼吸をする。
すってー、はいてー。すってー、はいてー。
よし、落ち着いた。平常心、平常心。
もう一回二人と話をしてみよう。
きっと何か勘違いをしているんだろう。
「あの……迷子になったって、先にもう言いましたよね」
少なくとも、内容として同じ事はすでに伝えたはず。
「迷子じゃなくて、『迷い子』な」
「『惑い子』とも言いますね」
それぞれ訂正してくる二人。
「だから、迷子のことでしょ」
ちゃんと自覚しているから、何度も言わないでほしい。
恥ずかしいとは思っているんだから。
「迷子と『迷い子』は別モノです。迷子は普通に道が分からなくなったり、親からはぐれたりしている子供のことでしょう」
「『迷い子』ってのは、別の世界から迷い込んでくる子供のこと。オマエは『迷い子』の方だろ」
ーーはい?
別の世界、ですと?
…………
……えー。さすがにそれは設定盛りすぎじゃない?
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