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47。それはきっと気の迷い

「夜中コッチ来たらさ、『迷い子とその飼い猫は早々に登城し、女王陛下にご挨拶を申し上げるように』ーーって感じのメモが置いてあったんだよ」


しっかも、わざわざソコのベッドの上にだぜ?! とマゼンタが指差すのは、さっきまで寝ていたキングサイズのベッド。


もちろん昨日見学した時にはそんなメモはベッドに置いてなかった。


家の契約が正式に成立したのは昨日のピザパーティーの後だ。それから転移でここに来るまでは僅か数時間だったらしい。



え、何それどういうこと?

つまりほんの数時間でそんだけ把握されてメモとか仕込まれたの?

この国の情報網怖すぎでしょっ?!


というかこの国も怖いけど、いきなり強権発動してくる女王様はもっと怖い!

え、謁見とかマジなの? 拒否権ないの? ーーない、ですよね。うん知ってた。


どうしよう逃げたい超逃げたい。

今こそ夢から覚めるタイミングだよ、早く起きて現実の私!

そう思ってギュウギュウ目をつぶるのだが、全くもって目が覚める気配はなかった。



「ーーまあ嫌がるだろうとは思ったよ。んで、シアンが先に城行って色々交渉してる」

「……交渉って?」

「一番いいのは登城自体がなくなることだけど、まあムリだろーし? 色々ゴネて引き延ばせないかって感じで」


そうすりゃその間に元の世界に帰れてるかもだろ? とマゼンタは続けた。




ーーあ、れ?

あ、なんだ……普通に帰そうと、してくれているんだ。


……確かに、帰るための手伝いはする、って感じのことは言ってくれてたけど。



なんか、なんとなく、だけど。

これまでの感じで、実は私のこと帰したがってないんじゃないかってーー


ーー帰って欲しくないんじゃないかって、勝手にちょっと思ってた、の? 私……



……まさか、ね。そんなハズないわ。

私は、ちゃんと帰りたいのよ。元々そういう契約だもの。


今のこの気持ちは、思いがけず歓迎されて懐かれて……ほんの少し愛着が湧いているだけだ。


そもそもここが単なる夢って線だって捨ててない。

早く目を覚まして、早く皆の……お姉ちゃんのところに帰らないと。

きっと、すごく心配されてる。



またギュッと目をつぶる。今度は長めに。


ーー早く、早く帰りたい。

早く帰らないとーー



きっともうちょっとだけ、帰りたくないと思ってしまうから。

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