46。律儀に回収しなくて結構です!
「ところで、シアンはまだ寝ているの? 私、二人にちょっと言いたい事があるのだけど……」
内容はもちろん昨日の謝罪だ。
今となっては盛大にブーメランとなってしまったので、一刻も早くゴメンなさいしないと私の良心がザックザク刻まれてしまう。
「あー、アイツ、今家に居ないんだ。ちょっと呼び出し喰らってさー」
ーー? 呼び出しって、こんな朝っぱらに誰からの呼び出しだろう。
ひょっとして仕事? 朝のうちに移動したいお客の転移とかかしら。
「んー、そうじゃないんだけど……ちょっとヤボ用ってやつ?」
「野望用ってなんなのよ。ハッキリしないわね」
それにしても、別行動なんて珍しい。
常に二匹セットで行動しているところしか見ていなかったから、どことなく違和感がある。
昨日までの二日間がたまたま一緒だったってだけなのかしら。それとも、シアンだけに関わる用事ってこと?
そう例えば。
「……シアンは本命の彼女さんのとこにお出掛け中、とか?」
「へっ……はあぁぁあーーーーー?! 何でそうなんのッ!」
何処をどうしたらそんな話が沸いて出てくるんだよ!? とマゼンタがなんだか驚愕しているけど、あれ? まさかの当たりなの?
「ああ良いのよ、別に言わなくても。咎める気なんてないし、ぶっちゃけ興味も無いというか」
ただ、ふーんそうかそうなんだ? ってだけで。
彼女いる割に昨日一昨日のアレコレは結構酷いんじゃない? とは思うけどーークスリを盛ったのは私みたいだし。
まあ良い感じに酔っ払っているところに、脱・ノラ猫が嬉しすぎてハッチャケちゃったって事にしてあげよう。
はっ、まさか今頃修羅場真っ最中とかないわよね?
私はあくまで飼い主なのでそういう対象じゃ無いんですって、弁解の一つでもしたほうがいいのかしら。
そんなことを悩みだした私の肩をガシッと掴んで、マゼンタが真っ正面から目線を合わせてきた。
「大・ハ・ズ・レだよっ! ーーなんでそんな斜め上な妄想してんだよ……てか今の聞いたらアイツ泣くぞ」
はああーー……と、今度は脱力しきったため息を吐き出された。
うーん。妄想、とまで言われてしまったわ。
まあ、面白くてつい悪ノリで話を作ってしまった感は否めないけど。
「ああぁ、ったく。口止めされてたけどやーめた。そもそもメインで呼び出しくらってんのは、オマエなの!」
ーーはい?
呼び出しも何も、私ここに来たの二日前で顔見知りだってほとんどいないんだけど?
警察に呼び出されるようなマズい事をした覚えだってないわよ?
意味分かんない、って顔をしていると、マゼンタが自分の頭をガシガシかき回しながら言葉を続けた。
「呼び出し掛けたのは、城の女王様。迷い子連れて顔見せに来いってさ。さすがに無視するワケにもいかねえから、シアンが調整かけに行ったの!」
ーーあ。
フラグ立てたの忘れてた‼︎




