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44。起きたら違うベッドでした

あくる朝。


夜寝たはずのベッドと、全く違うベッドで目を覚ましました。





……何かこのパターン慣れてきた気がするわ。

多分アレだ、寝ている間に勝手に転移されて連れてこられた系。



もぞもぞと起き上がって周りを見渡すと、一応見覚えのある部屋……というか見覚えのあるベッドだった。


無駄に立派でだだっ広いキングサイズベッドーーつまり、借りたお家の主寝室らしい。


大きな窓の外には、これまた広大な見渡す限りの緑ーーおそらくあれが私が一昨日迷っていた森ね。

あんなに広い森だったなんて。


あんな場所のどこかに居たなら、リアルで遭難の危機だったと思う。


見つけてもらえたのって相当に運が良かったのね。ノラ猫に拾われるとは思ってなかったけど。




昨日はあの後、マヤさん達となんとか無事にピザパーティーを開くことができた。


生地ができたからとおじ様に全員キッチンに呼ばれると、各自で好きな具材を載せてピザを作るなんていう素敵企画で。

参加型のホームパーティーに招かれたみたいでとても楽しかった。


作るピザに個性が出るというかーー例えばシアンとマゼンタの作るピザはイメージ通り魚に偏っていた。

スモークサーモンにツナにアンチョビ、カルパッチョ用に用意していたらしいお刺身や、果てはシラスにサンマなんてものまで面白そうだからと次々と載せていて、しかも意外と全部美味しかった。


一方でおじ様はやたらと肉肉しいピザを仕上げ。

マヤさんに至ってはチーズの量が通常の5倍くらいはありそうな、そもそも何の具材が載っていたかも判別つかないほどチーズまみれのピザになっていた。

マヤさんが好きなのはピザというよりチーズだったようだ。


ちなみに私はというと、ごくごく普通のマルゲリータを作って焼いていた。

マヤさんにも猫二匹にも、揃って『面白味が足りない』とダメ出しされたのが納得いかなかったけれど。


ピザといえばマルゲリータじゃないの。

モッツァレアチーズとバジルとトマトの組合せは、原点にして頂点なのよ……!


そう力説したのに全員に却下された。なんでだ。


まあ多少の意見の対立はあったものの、大勢でワイワイ騒ぎながらの食卓は思った以上に楽しく。


誘ってくれたマヤさん達に感謝しながら、しばし夢だ異世界だという話は忘れて過ごしたのだったーー




ーーだったのだが。


起きたこの状況を見るにおそらく泊めてもらった部屋に忍び込まれ(もちろん鍵は掛けていた)、ぐっすり寝ているのを良い事にその場から強制転移で連れ去られ。

それからご丁寧に主寝室に運び込んでベッドに寝かせてシーツをかけた、と。


うん、下手すれば誘拐で刑事事件よね、これ。

この世界の警察制度も法律も知らないけど、普通に誘拐は犯罪じゃないかしら。


……問題は、私が二匹の飼い主ってことだ。


ペットが自分たちの飼い主を拉致って、飼い主側から訴えられるのだろうかーー難しい気もするわね。



これまたご丁寧にベッド脇に置かれたスリッパに足を突っ込み、そっと立ってみる。


ーー良かった、あまりフラフラしていない。ちゃんと歩けそうだわ。吐き気もないし。


寝ている間に転移すると、そんなに負荷が掛からないとかあるのかしらね。まあその点だけなら感謝しなくもないけど。



……寝ている女性の部屋に鍵開けて侵入してんじゃないわよ全く。


一度(しつけ)という名の常識のすり合わせをしておいた方が良さそうだわと思うものの、こちらの言い分を聞いてもらえる未来がまるで想像できずに、朝から途方に暮れたのだった。


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