122。検証作業だと思えませんが?
唇に指を当てて斜め下に目線を落としながら考え込むシアンはそれはもう絵になっていた。
顔に添えられた手と伏せた目が絶妙に色っぽくて、勝手にドキリと心臓が跳ねてしまう。
うん。コレ普通の人がやったら気障ったらしくて逆にカッコ悪くなるやつですね。イケメンズルイ。
まあ普通にキレイなものを見るのは好きなので愛でさせてもらうけど、同じフレームには収まりたくないわ。距離感大事!
というわけであくまでも鑑賞用としてじっくり眺めていると、シアンがスッと顔を上げた。
「心当たりはあります……ですが確証はないので検証してみましょう。今その魔道具を起動してもらってもいいですか?」
「え? あ、分かったわ。じゃあーー」
私はペンダントを握り込んで自身に認識阻害を掛けてみた。
声を出すと解けてしまうので、黙ったままシアンの反応を待つ。
「ーーちゃんと効果があるみたいですね。目の前にいるはずなのに、見えないし気配も感じません」
良かった。ちゃんとシアン相手でも効いてるらしい。
昨日は状況が状況だから、焦ってうまく掛け続けられなかっただけなのかも。
「じゃあ検証を続けますので、そのまま効果を解かないでくださいね」
あ、まだ途中だったのか。普通に話しかけるとこだった。
見えていないだろうけどなんとなく頷いて、そのまま認識阻害を掛けているとーー
ぎゅううううぅぅぅーー
?!?!
……いきなり抱きつかれたんですが?! え、何これ。これが検証?!
「ーー見えなくてもちゃんと存在はしてますね。うっかり服の裾などが接触してしまったらその場合もバレそうですがーー」
背中、肩、首筋、髪。
抱きしめたまま輪郭を辿るように、シアンの手のひらが色んな場所を撫でていく。
耳の淵をすりっと指で擦られた時には、以前そこを舐められたことを思い出して無意識に身を引いてしまった。
私が嫌がったことには気づいているだろうに、シアンは笑いながら別の場所に指を這わせる。
腰から身体の横のラインをなぞって太腿へ。
そこから膝を通ってふくらはぎへ。
普段人に触られない敏感な部分な上に、寝起きなせいで下はショートパンツしか履いていないから、途中からは直接素肌を触られている。
くすぐったいようなぞわぞわする感覚を耐えているのと、それとは別に感じる羞恥のせいで顔が熱を帯びていくのを感じた。
シアンの手つきが変にソフトタッチなせいで、なんて言うか、とてもイケナイことをされている気分になるのだ。
お、落ち着け私。
これは検証作業の一環であって決してそれ以外の何かヤラシイことではーーって本当にコレ検証なんでしょうね?!
からかって遊んでるだけとかだったら、後で怪我してない方の耳を引っ張ってやるんだから!
そんな事を考えながら必死で声を殺していたが、シアンが足の指の間まで触りだしたところで結局我慢できずに悲鳴をあげ、認識阻害の魔法が溶けてしまった。
「あ……魔法、解けちゃった……」
「大丈夫ですよ、充分検証できましたから」
「え、本当に!?」
すっかり茹だった顔でシアンを見上げれば「涙目可愛い」とか不穏なことを言い出したので、慌ててシーツに隠れる。
クスクスととても愉しそうな笑い声が落ちてきて、今度は腹立たしさで全身赤くなりそうだった。
久々にシアンのセクハラが書けて満足です! (ぇ




