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10。無断で飼い主にされました

切られた指先と、滴り落ちた血。それに血判入りの申請書が二枚。


サイドテーブルの上は、どことなくシュールでコメントしづらい絵面になっていた。



本当、なんなのこの状況?


ズキンズキンと痛む指を取り戻して、逆の手で抑えながら睨みつける。



「……めっちゃ痛いんですけど」

「必要だったもので」

「あっはは、ごめんなー?」


二人とも、全然申し訳なさそうじゃないっ!

シアンに至っては謝罪の言葉すら入ってないし!

指先の傷って痛いんだよ! せめてちゃんと謝ってよ!


しかも利き手側とか、何の嫌がらせだ。



「私の分も必要なら、先に一言言ってほしかったです……」

「先に言ったら、素直に指、切らせてくれたわけ?」


……先に聞かれていたら、断っていたとは思うけど。


やっぱ聞かずにやって正解じゃんねー、とニヤニヤされるのがまたムカつく。



「はぁ……もういいです。とにかく、これで終わりですよね」


そろそろと手を開いて傷の状態を確認する。

うん、とりあえず血は止まった。そんなに深くもなさそう。

絆創膏とかあれば欲しいところだけど、その前にまず消毒したい。


「あ、実はまだです」



ーーなんですと?


ジト目で睨む。これ以上何させる気だ。



「……まだ何か?」

「ええ、もう少しだけ」

「次、ほんと最後だから!」


「はあ……あとは何すればいいんですか」


さっさと片付けて、掌と指にベッタリついた血を落としたい。


「アンタは何もしなくて大丈夫ですよ」

「そうそう、そのまま抵抗しないでくれよ?」



へ? 抵抗しないで……ってどういう事?


今度は一体何する気なのコイツら!?



イヤな予感しかしなくて必死に逃げようとするところを、両側から手を掴まれる。


「痛っーーって血! 血が付いちゃうから!」

「うん、おいしそ」



ーーは?



ぢゅうぅーーーー




ーーはいぃっ?!?!



ゆ、ゆびっ、指吸われてる!?!


さっきナイフで切られた指が、シアンの口の中で吸われていた。



べろり。


反対の手のひらは、マゼンタに舐められている。



!?!?!?!

えええええええぇぇ?!


なっ、ななな、なんっ、なんでっ?! なんでなんでなんでっ!?



じゅるじゅる

ぺろぺろ


湿った音と、生暖かい感覚。



ひいいいいぃぃぃーーーー!!



「やっ、や、やめて、やめてっ! 何してんのよーーーー!!」


力任せに体を捩ると意外とパッと離され、ベッドにボスっと倒れこむ。


取り返した両手をチラリと見ると、血は綺麗に舐め取られて無くなっていた。


ーーいや、血は綺麗になったとしても。別のものでベタベタになってるよねこれ?!


咄嗟に水差しに手を突っ込む。

どれだけ行儀が悪かろうが、今は非常事態!


バシャバシャとしぶきを上げながら、乱暴に手を洗う。

閉じかけていた傷口が開いてもの凄く痛い。



うぅっ、普通のキスだってしたことないのに。

もうヤダ。なんで夢の中とはいえ、こんなディープな経験しなきゃならないの……最悪過ぎるでしょこんなの。



コイツらイケメンだったら何してもいいと思ってんじゃないだろうか。

警察があったら強制猥褻罪で突き出してやるんだから!


泣きそうになりながらひたすら手を洗っていると、風の当たる感覚がしてテーブルの上の申請書がガサリと動いた。


あれ、窓は開いてないのにどこからーー



「お、始まったな」


急に風が強くなる。


部屋の中央に向かって、ヒラヒラと先程の申請書が飛んでいったかと思うと、段々紙自体も発光し始めーー



ーー最後に一際明るく輝いたかと思うと、フッと紙ごと消えてしまった。



口をあんぐり開けたまま、申請書が消えた空間を凝視する。


……何、コレ。この夢ファンタジー仕立てなの?

魔法とかある世界なの?


転移とか言ってたし、もしかしたらとは思ってたけど。目の前で起こると衝撃具合が違う。



「うん、定着したみたいですね」

「よっし! これで契約成立っ!」



ーーはい?


今なんて言いました?



視線をギギギギっと猫耳二人に戻すと。

とってもとってもいい笑顔で、小首を傾げてのたまってきた。


「「これからよろしく、飼い主さん?」」




ーーーーーーーーはあぁっ?!


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