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八十話 愛にも段階があります

 



 110階層の扉を開くと…何もいなかった。


「あれ…?」


 不思議に思い気配探知を使おうとすると…壁に激突した。


「いてて……なんだ?」


 何かに腹を押されたような感覚だった。

 ここまでカエルだったのでこの階層のボスもカエルのはずだが…見当たらない。


「…ヒュッ!」


 空気を切る音が聞こえたので腕をクロスしてガードの態勢を取る。腕に何かが当たりはじき飛ばされた。


「…どこだ?」


「きゅい!きゅい!」


 エマがそう言って向ける先は…天井だ。

 目をよくこらしても何も見えない。気配探知を発動すると反応が天井からあった。


「くっそ卑怯なやつだな…姿が見えないのはあれか?透明化か?……そんな羨ましいもん使ってんじゃねぇよ!」


 俺は雷弾を天井にありったけぶつけまくる。


 バチバチバチッ!………ドォォォン!


 何かが落ちてきた。煙がはれてそこにいたのは…



「デカガエル?」


 やっぱりカエルだった。


「さて…まずはやることやるか」


 痺れて動けないデカガエルに近づき…………祈りを捧げる。


(神様、仏様。デカガエル様。この魔物を倒した暁には透明化のアイテムもしくはスキルのドロップをお願いします。別にやましいことに使おうなんてこれっぽっちしか思ってないんです。女子トイレだとか、女子更衣室とか、女風呂とか…覗くようなゲスな真似はしません。僕は堂々とガン見し女性全てを愛することを誓います。本当にお願いします)


 一分ほど目を瞑り欲ぼ…じゃなかった。祈りを捧げた。


「よしっ!エマ、倒していいよ」


「きゅい!」


 炎がカエルを包み、しばらくすると消えた。

 カエルがいたところには宝箱があった。


「いよっしゃっぁぁぁぁあ!!!おったか〜らおったか〜ら♪」


 スキップをしながら宝箱の前に行き…開ける。

 中に入っていたのは…大量のカエルの肉だった。

 鑑定メガネでは高級食材とでているので回収するが…落胆の気持ちが強かった。


「…使えない神様だな」


 俺はやっぱりエマ教でエマを神様として崇めよう。


「エマは今日も可愛いなぁ…きゅんでーす!」


 攻略する気が削がれたので今日はもう出ようと思う。




 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



『明日10時に社長室に来い』


「10時は早いなぁ…起きれるかな…」


 明日は社長が大大大好きなアイドルとの対面だ。

 護衛って言われても今考えると何をしたらいいのかわからない。

 魔物を倒すのは得意だけど人相手はなぁ…。

 まぁでも悪ふざけの殺害予告って場合もあるし本物でも一度見つけれさえすれば俺のステータスならゴリ押しできそうだからいいけど。


 明日に備えて早めに寝ることにした。






 ピンポーン…ピンポーン…ピンポピンポーン!


 インターホンの鳴る音で目が覚めた。


「んあ…?」


 時間を確認すると10時過ぎだった。どうも俺は朝にめっぽう弱いらしい。


「はいー」


「…おい」


 ドアを開けるとそこには鬼の形相のハゲ…ではなくズラを被った社長がいた。その声にはドスが効いており今にも爆発しそうだ。


「10時に来いって連絡したよな?」


「…はい」


 今回は俺に非がある。ちゃんと反省しよう。


「…すみませんでした。すぐに準備します」


「わかったならいい……。ったく…彼女は12時に来るんだぞ。出迎える準備しないと失礼だろ。部屋を掃除したり彼女好みの装飾にしたり…一流の料理を出したり…あとは俺と…その…長く話してもらうための対策をだな…「ガチャンッ!」…あ…おいこらぁ!?」


「…謝った俺がバカだった」


「おい!開けろ!」


「俺は12時前に行くのでそれまで準備しててくださーい」


 俺はそれだけ伝えて玄関を離れる。


「…はぁ」


 朝から最悪な気分だ。

 こういう時はエマの寝顔を見て…頭を撫で撫でして…お腹も撫で撫でして…ちゅっちゅうふふして癒されよう。




 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 12時前になったので身支度をして社長室に向かう。


(社長はボンキュぼんって言ってたし…あの写真を見るに結構可愛いのかなー)


 歩きながらそんなことを考えていると…


 ドンッ


 角を曲がったところで誰かにぶつかってしまった。すぐさま謝ろうと思い目線を下げると……いたのは千尋だった。


「…きゃー。骨が…痛いよー。これ完全に折れたよー……ってことで慰謝料1億ちょうだい」


 全て棒読みで感情がこもっていない。嘘なのは明らかだった。


「アホか」


 俺は構わず横を通り過ぎようとすると


「…この前の…誰にも言わないで」


 そう言われた。この前というのは…ダンジョン内でのことだろう。


「…当たり前だ。誰が幼女のあれやこれやで自慢すんだよ。俺はもっとナイスバディなお姉さんが好みなの」


 面と向かってそう伝えるが…千尋は少し困った表情をした。


「…なんで自慢?…は…恥ずかしいことだから…言いふらさないでってことだよ…」


「あー。それならなおのこと気にするな。そんなくそったれじゃないからな」


「…ならいい。ばいばい」


「おう」





 社長室のある階に着きエレベーターのドアが開くと…ズラ社長がいた。

 待ってたみたいだ。


「ようやくきたか!…俺、変じゃないか!?大丈夫か!?」


 どんだけ心配してんだよこの人…。


「んー、そうですね。まずズラが似合ってないですよ。前のスキンヘッドの方がいいです。あと…その服はなんですか?」


 社長が着ているのはスーツではなく…猫が描かれたTシャツだった。


「これはな!今から来る子のグループTシャツだ!お前も着るか?いや…着ろ」


「結構です」


 押し問答しているうちに社長室に着いた。

 中に入るとそこは……


「え?どこだここ」


 俺は一度外に出てプレートを確認する。ここは社長室で間違いないようだ。


「社長…」


「なんだ?素晴らしすぎて言葉も出ないか?」


「帰ってもいいですか?」


「はっはっは……ダメに決まってんだろ」


 笑うのか鬼になるのかどっちかにして。


 この前来た時は書類整理をするデスクやパソコンがあったり、筋トレ道具が散乱していたのに…今ではそれらのあった場所は熊やライオン、ワニとか…動物のぬいぐるみになっていた。床には白い絨毯がひかれている。


 社長がどれだけその子を好きなのか、推しているのかはわかった。だけど…


「限度ってものがあるだろ…」
























読んでいただきありがとうございます!!


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