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七十六話 仕返し

 



 あれから6日ほど経った。

 アイシャのバック作りも終わり今日は二人を連れて30階層の突破だ。パーティ登録をしてあるので突っ切る最中にいる芋虫は倒していこうと思う。

 少しでもアイシャのレベルを上げておきたい。アーティファクト作成は便利すぎる。



 今は俺の部屋で作戦会議中だ。


「…私たちがポーチの中に入ってなぎが40階まで持っていく。いい?」


「…思ったんだが、千尋はともかくアイシャはポーチの中入れるのか?」


 その二つの立派なものが邪魔しないだろうか。


「…大丈夫だよ…っ!ポーチのチャックの部分も拡張できるように付与してあるから…!」



「それなら安心だな。どうする?もう入っとくか?」


「…歩くのめんどいからそうする」


 千尋の意見でそういうことになった。

 アイシャと千尋が入りエマを頭に乗せて出発だ。



 外に出ると奧崎なぎと呼ばれるがたまにアインとも呼ばれる。ちょっとはずい。


 早歩きで進みダンジョンに入る。

 入る前に二人には出てもらい探索者カードを門番に預けた。



「さーて、どこいこうかな」


「きゅい?」


 こう言ったのにも理由がある。

 この前の蹴りのお礼を千尋にするためだ。


 名付けて


『千尋を芋虫の前で召喚しよう大作戦』だ。


 ねちっこいだのみみっちいだの男のすることじゃないだの……なんとでも言え!

 俺は超しょうもないんだ!あの痛みは人生で一番だった。ここらでお灸を据えなければ俺の股間に人権はない。


 ただし俺もそこまで悪ではない。

 そうだな…。

 39階のボス部屋前でやるか。

 まぁボスも芋虫と蝶なわけだが。

 危なくなったら助けに入ろう。


「へっへっへっ…千尋の絶望が楽しみだなぁ」


 たぶん俺は盗賊みたいなゲスい顔をしていると思う。


 すぐに着いてやってしまうのは不自然だしもったいないので芋虫を狩りまくる。生憎と31階層から人がいるのでどんだけ狩っても殲滅にはならない。


 2時間ほどで35階層にきた。

 ここは殲滅エリアなので芋虫がいない。

 現状報告をポーチの中にして先に進む。


(やべぇ!超心臓ドキドキする!)


 ドッキリって仕掛ける側楽しいなぁ!


 また2時間ほど狩りをしてやっと40階のボス部屋前に着いた。ここから獲物へのプレゼントを探す。


「うーん…かなり人が多いなぁ」


 想像してたより多い。これだとすぐに助けが入ってしまう可能性がある。

 それじゃつまらん。

 俺のあの金◯潰れたかもしれないという絶望と同じぐらい…それ以上に恐怖してもらわねば困る。


 ボス部屋から離れて端っこの方に行くと…目の前に虹色芋虫がいた。


(…まじラッキー)


 ここなら人もあまり見かけないしコンディション抜群だ。軽い雷纒で麻痺させておく。10分ぐらいだろうか。


(よーっし)


 俺はポーチの中に40階着いたぞと伝える。


(やばいっ!緊張で声が震える…っ…!)


 待っているとポーチが開き…出てきたのはアイシャだ。


 …あのおちび。友達を売ったな。


 アイシャが大絶叫しそうになったので口を塞ぐ。


「んー!んーー!!」


「ごめん。もうちょっと待って」


 アイシャをポーチから出して千尋を待つ。

 数分待つと頭から目までを出して周りを確認しようとする千尋が。

 周りの景色が森であることに気づいた千尋はすぐに戻ろうとしたが…


「はい、つーかまーえた」


 にっこりと微笑みながら千尋の首を持って外に引き摺り出す。そしてアイシャはポーチの中へリリース。


 かなり警戒心が強くて焦った。このまま出てこないことも考えられたが…先にアイシャが出てきてくれたのは良かったかもしれない。


 意地汚い笑みを浮かべていると


「…ここはどこですか」


 なんとこのちびは敬語で俺に話しかけてきた。それほどまでにこの状況を理解しているのだろう。

 虹いもは俺の後ろにいるためロリの千尋からは見えない。


「んーなんていえば正解かな?……君にとっての天国かな?」


 俺は笑みを絶やさない。


「……この前謝りました」


 この状況でも冷静に分析したようだ。だが…全身が震えている。立っているのも辛そうだ。


 俺は立てないぐらい辛かったのでまだだな。


「うん?これは君へのプレゼントだ。気にしないで受け取って」


 そう言ったところで俺は横にずれる。

 千尋の視界も捉えたようだ。ピクピクする虹色の芋虫を。


「…ひっ……!!?」



 今にも泣きそうだし膝が内側に入ってしまっている。


「まだこれは前座だよ?」


「…え?」


 俺は千尋をお姫様だっこして虹いもに向かって歩く。



「…ひっ……!!!?ごめん…っ…!ごめん…なさい……っ…!許して……っ!」



「うん。これでチャラね」


 慈悲のかけらもない。


 千尋を虹いもの5m手前で下ろす。


 もう立てないようだ。

 女の子座りして震えている。


「さーて。ちょっとトイレでもしてくるかぁ」


「…!!?…だめ……っ…!置いて……っ……ないで……っ…!」


 めっちゃ泣いてる。もう号泣レベル。


 …なんか見た目幼女だから子どもいじめてるみたいで罪悪感が…。


 少し罪悪感が芽生えたところで虹いもの拘束がなくなった。



「ピギュゥゥゥ」


 鳴き声きっしょ!


「ひぃっ……!!?」


 逃げようとするが体に力が入らないようだ。


 もうここらへんでいいか。


 そう思い千尋をお姫様抱っこして…芋虫に投げる。この時の千尋の絶望した顔が見れただけで今日の努力と俺の股間は報われた。最後に……


「これが俺の股間の恨みじゃぁぁぁぁぁ!!!」


 そう叫び、縮地で移動し虹いもを蹴り飛ばす。


 バンッ!!


 千尋をキャッチして今回の作戦『千尋を芋虫の前で召喚しよう大作戦』は終わりだ。


 ん?

 なんか濡れてるんだが……。


 千尋を見るとなんかよくわからない表情をしていた。羞恥心なのか。絶望なのか恐怖なのか怒りなのか。全部混ざってそうな顔をしていた。



 …どうやら恐怖で緩んでしまったらしい。

 俺の服がびちょびちょだ。股間にもかかっている。あれ…なんか興奮してきた。

 俺はそういう性癖なのだろうか。


 あれ特有のアンモニア臭もする。


(女の子も臭いは一緒なんだな)



「まぁ…まだおまえは中学生だ。よかったな今お漏らしして」


 これが高校生だったなら恥ずかしすぎて自殺モンだ。


「……ん……っ…て…」


「ん?なんだって?」


「…責任……とって…っ…!」


「えーっと…拭けばいいですか?それとも舐められる方がお好きですか?」


「……!!?」


 顔が超真っ赤だ。あまりこういうのは好みじゃないらしい。


「おまえ魔導王だよな?水魔法で服びちょびちょにできるか?」


 そういうとすぐに水魔法をぶっかけてきた。


 クンクンッ


「よし、臭いは大丈夫そうだな。このまま今度こそ攻略するが…おまえはどうする?」


「…中で待ってる」


「そうか……またなんかあったら拉致してでも連れてくるからな?」


「…!!?もう…やだ……」


 そう言い残してポーチの中に入った。



「…さすがに…もうやらんわ」


 俺もそれだけを言い残してボス部屋に向かった。





読んでいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 我々の業界ではご褒美です
[一言] 実に人間らしくて良い、人を超越した力があっても 好き放題に振るう訳でもなく、暗躍もしない。 普通に生きられるのが最高ですよね。
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