七十四話 努力
魚エリアに来てから10日ほどたった。俺は未だにダンジョンは出ないで魚やら牡蠣やらハマグリを食べて満喫している。
当初は海水ではないため牡蠣とか海のものはないと思っていたが…メガロドンがいるぐらいだから探してみたらあった。
この10日はずっと全裸だ。
どういうわけか気持ちがいいのだ。なんというか背徳感に溢れてるような…。
街中で全裸になってバレるかバレないかをしているような感覚だ。自由になったようで気持ちがいい。誰かが追いついてきたら俺の人生終了なわけだが…ここは99階だ。
来れるのは真琴ぐらいだろう。
99階でのんびりしているが当初は違った。
下へ続く階段が水中にあったからだ。
メガロドンがいる水中には絶対に潜りたくなかったため全力の飛斬と居合の応用で水中を斬って水が別れてる数秒のうちに下の階層に降りるを繰り返した。
階段を見つけるのもそれは大変だった。どこを探しても深いし広くて飛斬を何回飛ばしたかわからない。こんな努力したのも久しぶりかもしれない。人生の中で二番目に入るだろう。
俺は一番努力した時のことを振り返る。
そう。
あれはまだ小学2年生の……8歳の時だ。
この日、俺は家族で旅行に出かけていた。
その最後の日
「なぎ…絶対に目を逸らすなよ。俺はそっちにはいけねぇ…。しっかり目に焼き付けてこい」
「うん!わかった!」
「こらー、2人で何話してるの」
「「なんでもありません」」
「はぁ…行くわよ」
「うん!」
俺は母さんと手を繋ぎ一緒に女湯の方に入っていった。
この時の悔しそうな父の顔は一生忘れないだろう。
今でも鮮明に覚えている。
脱衣所に入った瞬間にふわぁっと女性特有のいい匂いと汗臭い匂いがしたことを。
若い女性から年老いた女性までみんなスッポンポンだったことを。
大きい人から小さい人までいたことを。
生えている人がほとんどだったということを。
俺は8歳にして若い女性の裸体をガン見した。
それはもう3時間ほどずっとガン見した。
その間俺のあれはずっとそりたっていた。
この時が俺の生涯で一番努力して『見た』時だ。
今思えばあの時の俺はゾーンに入っており女性を追うエイムが神ってた。
褒めて遣わす。8歳の俺。
思えばその時に隣に座ったお姉さんのおっぱ◯が湯に浮いていたのを見て巨乳が好きになったんだよな。一つ後悔があるとすれば、あの時無邪気な子どもの演技をしてお触りしとけばよかった。
「くそー!8歳の俺は何をやってたんだばかやろー!」
なぎは今日一日その時の後悔で打ち拉がれた。
翌日、気持ちを入れ替え100層のボスに挑む。
だいたいラノベなんかだと100層で終わるけど…召喚魔物が出てきてないことからもっと深いのだと推測する。つまりこの100層は通過点だ。
そう考えた時……
《新宿ダンジョンが如月真琴によって100層まで攻略されました。条件が達成されたことによりランキングシステムが導入されます。繰り返します……………》
ダンジョンが出現した時と同じように頭に直接声が響いた。
そして目の前にステータス画面が表示されランキングという文字があった。そこをタップすると
「……そこは俺の場所だ」
このランキングは許さん。
俺は100層の扉を開けて中に入った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ははは…っ…!なぎは何してるかな?」
僕が100層攻略は一番乗りだったみたいだ。
ランキングタグには
1位 如月真琴
とある。
それ以外の名前が誰一人としてないことからたぶんこのランキングは100層にきたものにしか与えられないみたいだ。
ここまで僕はそれなりに必死だった。
70階を超えると環境が変わったからだ。
僕のスキルの中に状態異常耐性とかそういうのはない。環境の辛さに何度も挫けそうになった。
でも…その度になぎとの約束を思い出して頑張ってこれた。今では100層を攻略したことで新しいスキルもゲットできたしさらに強くなった。
「なぎは攻略進んでるのかな?」
なぎなら環境の変化なんて苦もないだろう。それでも僕が一番のりはやっぱり嬉しい。
帰ろうと思いオーブに触れようとすると
《渋谷ダンジョンが奧崎なぎによって100層まで攻略されました。繰り返します…………》
「…!?……追いつくの早いなぁ」
口ではそう言っておきながら真琴は笑顔だ。
ランキングを見ると2位になっていた。
「…もっとがんばろ」
真琴はオーブに触れてその場を離れた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
100層のボスはメガロドン5匹みたいだ。
足場を作る場所がないので潜って戦わないといけない。
俺は飛び込みすぐさま火力マックスで雷纒を発動。
ビリビリビリビリッ
5匹とも上に上がってきた。
あとはこいつらを黒鬼で殺した。
すると
《渋谷ダンジョンが奧崎なぎによって100層まで攻略されました。繰り返します…………》
そうアナウンスが流れランキングを見ると俺が1位で真琴が2位になっていた。
「よっし!!!」
先を越されたのは……俺のミスだ。俺が魚食いまくってたから…。仕方ないことだと思う。
200階まであるかわからないが今度は俺が先に到達してやる。
そう意気込むがさすがに疲れたためここまでで家に帰ろうと思う。
今回の探索はめっちゃ収穫があった。色々なアイテムや宝石をゲットできたし、換金が楽しみだ。
エマのレベルもかなり上がった。
いい成果ではないだろうか。
オーブに触れ………ようとするとエマがポーチから服を取り出した。
「…そういえば俺全裸だったわ」
「きゅいっ!」
エマが照れ臭そうにないた。
「助かった。ありがと」
危うく渋谷に全裸で出現するところだった。
小さくはないと思うが…ネットに書き込まれたくない。
服を着て今度こそオーブに触れる。
視界が真っ白になり転移した。
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