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七十二話 クソざる

 



 今日はここまでだな。80階の奥にあるオーブ部屋に入る。

 砂漠と違ってここはひんやりしてて気持ちがいい。


「エマ、出てきて」


「きゅい?」


 ポーチから少しだけ顔を出して辺りを見る。砂漠じゃないことを確認してるみたいだ。


 水と簡易食を取り出して食べる。


「ふぅ…」


 状態異常耐性があっても暑いものは暑い。汗びっしょりなので湿った水水で湿らせたタオルで体を拭く。そのあと着替えて冷たい地面に寝そべる。


「きゅい!!」


 服を引っ張り何かアピールしてくる。


「きゅぅぅぅ…きゅぅぅぅ…!」


 息を吐いている。なんだ?


 眉を顰めていると、今度は翼をバタバタし始めた。


「あー。竜になってほしいのか?」


「きゅい!」


 ようやく伝わって安堵している。


 その表情も可愛い。


 竜装を発動し竜になる。


『パパ!』


『エマは可愛いなぁ』


『エマかわいい…?』


『ああ。世界一可愛いぞ』


『えへへへ…』


 めっちゃはにかんだ笑顔もグッジョブです。

 どうしてか竜になるとエマの表情とかもわかるようになった。


 尚更人型になった時が楽しみだ。


『パパも…かっこいいよ…?』


 ぐはぁっ!!!エマの上目遣い。

 超可愛いんだが。なにこれ。


『…おう』


 照れ臭くてそれしか言えなかった。


『そういえばパパ?ダンジョンに連れてこなくてよかったの?』


 誰を?と言おうとしたが気づいた。

 アイシャと千尋連れてくるの忘れてた。


『…ここを出たら連れてくる』


 エマの頭を撫でる。


『えへへ…。エマえらい?』


『ああ。最高にえらいぞ』



 オーブ部屋は二体の竜の幸せ空間で満たされた。


 翌日、81階に降りる。


「「……」」


 2人して沈黙したのには訳がある。

 今度は雪のバイオームが広がっていた。

 一面真っ白だ。失明しそう。


 まぁ、こんな時のためにサングラスも入れてあるからよかった。

 進んでいくと現れたのは真っ白なサルだ。


「「「「「「「「キィィ」」」」」」」」


 そう鳴くとサルどもは奇怪なダンスを始めた。

 ダンスを最後まで見届ける。


 ダンスが終わるとサルどもは一斉に襲いかかってきた。

 黒鬼で全てを迎え撃ちトドメをエマが刺す。


 10匹以上いたサルは全ていなくなった。


「…なんだったんだこいつら」


「きゅいぃ…」


 魔石をエマが食べて先に進む。

 その後出てくる魔物は10匹以上のサルどもだけ。宝を探そうと思ったが…一面雪でどこにあるかわからず、先を急ぐことにした。


 俺からすれば80階層以降の雪原地帯ははずれ階層だ。エマをもふもふしながら進む。


 気持ちよさそうにしているエマだが、こう見えてかなり強くなった。

 ここまでの階層の魔物の魔石は全てエマにあげている。使えるスキルも増えてきている。さらにはレベルが上がったおかげか威力もどんどん上がってきている。


(このまま強くなって…人化覚えるんだぞー)


 願いながら襲ってくるサルは瞬殺。


「邪魔すんなクソザルども」


「きぃぃ…」



 82階層でもサルが出てくるだけ。

 わかっていたが…拍子抜けだ。


 どんどん奥へ進んでいくと開けた場所に出た。


 木が生えておらずそこは異質な場所だった。


(なんだ?)


 少し警戒しながら中央まで行くが…何もない。

 ただそういう地形だったのだろうか。


 通り過ぎて下層を目指す。



 なぎは雪の下が凍った湖になっていること、そこに封印されている一体の魔物がいることにこの時はまだ気づかなかった。


 ダンジョンは未知で溢れている。


 何が起きても不思議ではない。



 85階層まで降りた。

 ここに来るまでにスキルスクロールを二つ。サファイアを一つ見つけた。宝石を見つけたことで気分は上々。今ならアイシャのカップ数を聞くぐらいならできるかもしれない。


(まだ中3であれだもんな。今後もっと成長したら……毎日朝は挨拶に行こうと思う)


 というかあいつら今年から高校生だよな。同じ学校の奴らクッソ羨ましいな。


 別に学校に行きたい訳じゃないが…体育の時とか?水泳の授業とか?のぞ……見学したいじゃん。高校途中で辞めちゃったしね。そういう理由なんです。

 双眼鏡なら学校外からでも見えるかな?望遠鏡買ってみるか?天歩で空からなら…見えるかもしれない。


 お金の間違った使い方を決めたなぎだった。


 85階にくるまで5時間以上かかった。

 サングラスをかけていても一面同じ色なので階段が見つけにくいのだ。何階層か目の前をスルーしたほどだ。


「疲れたなぁ」


「きゅい?」


「休むほどの疲れじゃないけど…今日中に90階行きたいかな」


「きゅい!」


 水分補給をして進む。

 85階は何が出るのやら…。


 85階も雪原地帯だったが……特に魔物が変わったりはなかった。できればサルは変えて欲しかった。


 数が多い上に


「「「「「キィキィキィ」」」」」


「くっそうるさいわ!!!!」


 飛斬を飛ばして斬る。


 耳が痛い。どんだけいるんだ。

 相手を精神的に不快にさせる魔物か?こいつらは。


「はぁ…」



 この先宝石でなかったらまじでこいつら殲滅しよう。


 そう決めて進む。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 俺は今、怒りのままに動いている。


「おらおらおらおらァ!!」


 気配探知にかかるもの全てをぶん殴っていく。


 向かってくるサルも、ダンスしているサルも、逃げるサルも、その全てを蹂躙していく。怒りの赴くままに。


 なぜこんなことをしているかというと……89階まで一つもなかったのだ。まるでフラグが立ったかのように。それならまだいい。極めつけはサルのお面が宝箱から出てきたことだ。この時サルどもは腹を抱える仕草をしてダンスを始めた。

 これにはもう耐えられず89階のサルどもに八つ当たりすることにした。


 ストレス発散のため素手だ。

 こいつらには容赦せん。


 どぉぉぉぉんっ!!!!


 どがぁぁぁぁぁんっ!!!!


 ばぁぁぁぁぁんっ!!!!



 サルを殴ればその周りのサルも地面も巻き添えにして大地が陥没する。

 サルを蹴ればその衝撃で周りのサル、木々、雪は宙を舞う。


 それを初めて30分。


「はぁ…はぁ…はぁ………やったぞ俺は……」


「きゅいぃ…」


 エマがポーチの中から出てくる。


「まじこの娘癒し」


 疲れなんて吹き飛ぶ。

 がしっと抱っこして90階への扉に向かう。


 どうせここもサルだからな。腕と足斬り飛ばしてエマにトドメを刺してもらおう。


 扉を開けて中に入る。

 いたのは手足の長いサルとその取り巻き、うざサルどもだ。


 エマももううんざりなのか感情のない目で見ていた。縮地でサルどもの前に移動し手足を全てぶった斬る。


「「「「「きぃぃぃぃぃぃ!?」」」」」


「エマ…炎纒で燃やしてくれ」


「きゅい…!」


 エマも怒っているのか大きめの炎を纏ってサルに触れた。

 討伐完了だ。


 魔石と宝箱を残して消えた。


「ふぅ……。さて中身はなんだろなぁ………」


 ばきぃ!!



「よし。エマ、オーブ室行くか」


「きゅ…きゅい…」


 宝箱の中には原型を留めていないお面があった。





読んでいただきありがとうございます。

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