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六十九話 鬼退治Part2

 



 とてつもなく大きな音が響く。人が殴られてでちゃいけない音だ。

 大地も地震のように揺れ波をうつ。

 空気も振動し風が吹き荒れる。


「はぁ〜、一回ダンジョン戻って休むかぁ」


 鬼は凶悪な笑みを浮かべている。鬼からしたら満面の笑顔なわけだが、その理由はさっき相対した人間にあった。


「むかつくやろうだったが楽しかったなぁ…!!もっと強い奴とも殺りてぇなぁ…っ! ぐ…っ!」


 鬼は膝をつく。


 強すぎるスキルを使ったため体への負担が大きかったのだ。一度休むためダンジョンに…


『おい』


 頭の中に直接響いたような声が聞こえた。


「あぁ?なん……ぶへ……ぇ…っ…!!」


 鬼はその場で超高速で回る。

 ワンハンドレッドアクセルとでも呼ぼう。


 鬼は足に地面を埋めることで摩擦を利用し回転を止めた。


 そこで目に入ったのは…


 圧倒的な存在感の竜だった。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 まじあっぶね……。あと少し遅れてたら首飛んでたかも。


 今鬼は目の前で回っている。

 地面に足を食い込ませて回転を止めた。


「……なんだてめぇ…」


 かなり疲れているようだ。おそらくさっきのスキルだろう。


『…さっきは散々殴って楽しかったか?…今度は俺のラウンドだ』


 威圧をマックスで発動し拳を握る。

 鬼は動けないはずだ。


 軽ーく溜めを入れ…


 殴る。


 殴った腹はボヨボヨ振動し…吹っ飛んでいった。


「がぁぁぁぁぁぁ……っ…!」


 相当痛かったのだろう。

 わかる。こんな見た目のやつに殴られたらさぞ痛いだろう。


 すぐさま回り込んで殴る……蹴る……殴る…蹴るを繰り返す。


(これやってると魔王思い出すなぁ)


 同じことやられたし…。

 魔物は人でお手玉するのが好きなのだろうか。



「……調子…のんなぁ……っ…!!!『鬼神憑依ィ』」


 バァァァァァン!!


 俺の拳が受け止められた。



「……はぁ…はぁ…はぁ………」


『かなり疲れてるみたいだな。そろそろ終わらせるか』


「…!?どういう意味だ……そりゃ……っ…!」


『今からちょっとだけ本気を出してやる、死なないようにがんばれ』


 拳に炎を集める。その炎は密度を増していき……やがて太陽のような存在感となる。



「…ははっ……こりゃ無理だ…」


 こんな魔物でも俺の力に恐怖し怯えている。

 最後は一息に殺してやろう。

 こういう時必殺名を言ったほうがいいんだろうが…


『名前はまだない』


 鬼の腹にアッパーを喰らわす。

 被害が少ないよう上向きだ。



 どがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっっ!!!!!!!!



 ………立っている場所もその周辺も全て陥没した。

 瓦礫の山も全て消しとんだ。


 …煙が晴れ…残ったのは40センチほどの鬼の魔石だけだ。


 陥没した大地に俺と魔石だけが残る。竜装を解除し魔石を拾って……とんずらする。



 さすがにやばい。気配探知で周辺の生存者がいないのは確認してたけどまさかここまで被害が出るとは思わなかった。


 俺、器物破損とかの罪に問われない?これ大丈夫?


 赤黒い鬼、のちにわかることになる『鬼王』を倒した男はそんなことを考えるのだった。




 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 それは壮絶な戦いだった。みているものはいない。だが…音でわかる。

 奧崎なぎが戦闘を開始してから聞いたこともないような音が辺りには響いていた。


 ドォォォン!バゴォォォン!


 数秒のうちに何度も何度も聞こえてくる。

 避難者は皆、この世の終わりを想起していた。

 戦闘が始まって5分ほどでとてつもなく大きな地震があった。それを機に音は鳴り止んだという。





「んー、来るの遅かったかな?」


 そう言うのは真琴だ。


 なぎからの連絡を見て来たはいいけど…



「…全部終わってる」


 目の前には巨大なクレーターがある。この規模はなぎが作り出したものだろう。


「相変わらずだね」


 なぎの強さに身震いが止まらない。早く追いつきたくて仕方がない。来る途中にもなぎの話で避難所は活気だっていた。



「おいあんちゃん!」


 声をかけられたので振り向くと救助隊がいた。


「すまないが…生存者の救出に力を貸してくれないか?」


 まだ救助は終わってなかったみたいだ。


「わかりました」


 優しく一言そう答えその集団に真琴は消えていった。




 ◇◇◇◇◇◇◇◇




 さーて…エマを探したいところだが……このまま行ったら大ごとになる気がする。


 なので近くにあった布を顔に巻いて魔石を瓦礫の下に隠し避難所へ向かった。



 エマは………………どこだ?


 人がいすぎてわからん。

 顔を出すべきか……。



 そう考えた時


「…きゅい!…」


 微かにだがエマの声が聞こえた。

 ただ場所が分からないのでその場で待つ。

 するとどうだろう。エマを預けた男と一緒にこっちに来た。


「エマ……っ…!」


「…きゅい……っ…!」


 感動の再会に俺たちはハグをする。


「えらいな…っ…!俺の匂い辿って来たのか?」


「きゅいっ!」


「か……か……かわたん……っ……!」


 エマに頬ずりをする。

 しばらく堪能してから


「エマを預かっていただきありがとうございました」


「きゅい!」



 男の人に礼を言う。


「…気にしないでください。命の対価には程遠いことです」


 それでも俺はエマが大切だからな。


「対価なんてないですよ。あなたが素晴らしい人だと思ったから勝手に動いたんです。……大ごとになるわけにはいかないので、これで失礼します。ありがとうございました」


「きゅい!」


「あ……っ……」


 何か言いたそうだったが早く家に帰りたい。

 魔石を回収して………あれ。帰りってどうすんの?


 途方に暮れるなぎとエマだった。





読んでいただきありがとうございます。

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