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六十八話 鬼退治

 



 これは全国での生放送だ。

 見ていた者のほとんどは魔物に対する認識を改め、恐怖する。

 ある者は恐怖より好奇心が勝る。

 ある者はこんな世の中になったことを喜ぶ。


 だが……。


 世界には…


 日本には…



 絶対的な『強者』がいる。


 それを世界は今日、目の当たりにすることになる。




 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 ゾワッ


「……いるな」


 この背筋に悪寒が走る感じ…召喚魔物で間違い無いだろう。


「目を覚ましましたか。もうすぐ着きます」


「わかりました。少しだけ高度を下げたらドアを開けてください」


「わかりました」


「エマ、バッグの中に入って」


「きゅい!」


 さて……どう登場しようか。やっぱりここはかっこよくヒーローみたいに魔物の前に降りるか?でもエマを安全な場所もしくは人に預けなきゃだし…天歩でホバリング的な登場でもありだな。


「きゃー!かっこいいっ!」


 なんて言われたい。

 まぁ…下の現状次第だな。


「高度を下げました。どうされますか?」


「ありがとうございます。それでは」


 開いたドアから飛び降りる。


「えぇ!?」


 その声は遠ざかっていく。俺が落下しているからだ。


 さて…魔物はっと…。


 下を見ると人が大勢いた。まだ避難してないのか?そう思うがどうやら違うようだ。


 肌がピリピリする。その発生源の方を見るとそれはいた。赤黒く大きい魔物だ。その少し前にうずくまる男がいた。

 その人は子どもを抱き、笑顔だった。決して恐怖で錯乱しているわけでは無い。子どもに笑顔を向けていたのだ。今から殺されると分かっていても子どもに安心させるように笑顔を浮かべているのだ。


 周りの人間は我先にと逃げ惑う。それもそうだ。人間は自分の命が大事だ。だけど…



「親ってすげぇな」


 このまま落下していては間に合わない。

 天歩を生成しそれを全力で蹴る。


 バンッ!!



「あぁ?」


 一瞬で魔物の上に移動し頭を蹴る。


 バチィィィン!!!


 魔物はその巨体を浮かせながら吹っ飛んでいく。


 ドォォォン!ドォォォン!ドォォォン!


 いくつもの瓦礫を貫いてどっかいった。


「ふぅ…大丈夫ですか?」


「……!?………ありがとう…っ!……本当に……ありがとう……っ!」


 綺麗なお姉さんにお礼は言われたいけど…こういうすごい男に言われるのも悪くないな。


「「「「「うぉぉぉぉぉ!!!!!」」」」」

「奧崎なぎだ!」「私たち助かったの!?」「すげぇぇぇぇぇ!!!!」


 俺はなんの感情も動かない。

 声を張って


「まだ終わっていません!今すぐ逃げてください!!」


 そう言うが……


「あんな蹴りくらったら生きてねぇだろ」「蹴りの音じゃなかったね!」「もう安全っしょ」「奧崎君つよーい!」



 などなど…。もっと様々な声が聞こえてくる。


 こいつら馬鹿なのか?蹴った俺自身がまだだって言ってるのにアホなのか?

 …もういい。めんどくせぇ。


 目だけに竜装を発動しあたり一帯に威圧をする。


「「「「「……ひっ……!!!」」」」」


 場が静まり返った。


「逃げろって言ってるんだ。死にたい奴はさっさと死ね」


 シーーーーーーーン



 これぐらい脅せば直に逃げるだろう。


「すみません。あなたにお願いがあります」


「は…はいっ!」


 俺はバッグを下ろし子どもを守っていた男に渡す。エマが顔を覗かせる。


「俺があの魔物を倒す間この子を守って欲しいんです。どうか…お願いします」


「……わかった!…命の恩人の頼みだ。エマちゃんは必ず守るよ」


「ありがとうございます……エマ、駄々をこねちゃダメだよ。この人から離れちゃダメだ。いいね?」


「…きゅい!」


 エマの入ったバッグを背負い男は消えていく。



「そろそろか…」


 魔物が吹っ飛んだ方を見る。


 ドスン…ドスン…ドスン


「いてぇなぁ?なんだおまえ。人間かぁ?」


「人間だぞ…なんだ?弱いと思ってた人間に吹っ飛ばされてビビってんのか?こいよでかぶつ」


「…調子のってんじゃねぇぞ…っ!」


 一瞬で目の前に姿を現し拳を打ち付けてくる。


 ドゴォォン!


 後ろに跳んで避けたら地面が陥没した。

 まぁまぁの威力だな。


「はっ!何避けてんだよ。怖くておしっこちびったかぁ?」


 なんだこいつ。めっちゃ煽ってくるじゃん。

 ちょっとむかついたので同じことをする。

 縮地で目の前に移動。そして5割ほどで殴る。


 ドゴォォォォォォン!!!


 さっきよりも規模がでかい。


「あれ?何避けてんの?……もしかして恐怖でうんち漏れちゃった?」


「……ぶちころす。『鬼棒』」


 そういった途端そいつの手には禍々しい太い棒…棍棒が握られていた。


 ちょっときもい。


 棍棒をめちゃくちゃ振り回してくる。当たったらまずそうなので全部避けていく。ただ…どんどんスピードが上がってきている。このままだとやばそうなので雷纒を発動し雷を纏う。


「なんだぁそりゃぁ!手品かぁ!?」


「うるせーな。黙って撃たれろ」


「あぁ?」


 俺はその場を一度退避する。

 退避した瞬間


 ドゴォォォォォォン!!!!!


 雷が鬼に落ちた。


 雷纒は雷を纏い自由自在に操れる能力だ。結構お気に入りだったりする。


 煙が晴れると…


 赤黒さが…ちょっと黒よりになった鬼が立っていた。たぶん焦げちゃったんだろう。


「…おいおい。俺の体黒くなってんじゃねぇか…ははっ!楽しいなぁ!!」


 こいつ戦闘狂だろうか。

 落雷も耐えるとはな。正直驚いている。


「…俺は全然楽しくないな」


「…そうかよ、なら楽しませてやるよ。『鬼神憑依』」


 辺りが急に暗くなり始めた。


 鬼はどす黒い赤黒色になっていた。体から紫のオーラが出てる。


「いくぜぇ…!」


「…ぶふぁ…っ…!?」


 いつの間にか棍棒で殴られていた。


「まだまだぁ……っ……!!!」


 ドォォン!ドォォン!ドォォン!ドォォン!……


 何度も何度も殴られる。

 吹き飛ばされた先で殴られまた回り込まれて殴られる。


(…やばいっ!)


 どういうわけか、スキルが使えない。

 退避しようにも天歩も縮地も雷纒も使えず…生身の状態でその猛攻を受け続ける。

 ステータスを全て解放しているため今のところレベル差で大したダメージはくらってないが…徐々にではあるが傷が増えていく。


「…気づいたかぁ!?この棍棒は魔力の流れを阻害できるんだよなぁ…!お前はもう終わりなんだよ雑魚!!」


 カッチーン


 雑魚って言ったか今?


 誰に向けて?


 ……許さん。



 一か八か、殴られながらも精神を集中させる。


「はっは…!!諦めたかぁ?雑魚ォ!」


 目を閉じて内にある炎に意識を向ける。


「楽しかったぜぇ!!終わりだぁ…!『鬼神剛打ァ!』」


 内にある炎を…


 手を伸ばし…掴んだ。



「『竜装』」



 バッチィィィィィィィィィン!!!!!





読んでいただきありがとうございます。

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