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六十一話 アイシャもやばかった

 



「…本題に入るぞ」


「「「…はい」」」


「おまえらにはモデルになってもらう」


「「…はい」」


「え?」


 2人は理解してるのか軽く了承してるけど…。



「モデルってなんのですか?」


「探索者が使う武器や防具の宣伝をするためのモデルだ。うちで制作したものを着て写真を撮ってもらう。売り上げによって報酬も支払うから安心しろ」


 なんだ。そんなことか。


「わかりました。それっていつからですか?」


「なるべく早く出したくてな。2人には昨日から女性向けの装備でモデルをしてもらってる。なぎには明日からしてもらいたい」


「わかりました」


「以上だ。今日のうちに2人に教えてもらうといい」


「わかりました」



 社長室を出る。



「よしっ…アイシャ、何するのか、必要なものとか詳しく教えてくれ」


 こういう時にこそ仲を深めるべきだと俺は思う。

 同じハンスト契約者として当たり前だしな。


「……」


 無言で千尋が睨んでくるが…睨めるぐらい俺たちの間に壁は存在しないということだ。


「千尋ちゃんも一緒にいきましょう!」


 …アイシャならそういうと思ってた。


「どこで話す?俺の家かロビーのどっちかしかないけど」


「…アイシャは襲わせない」


「そういうことはしねぇよ。女子は部屋見られるのとか嫌な人もいるだろ。気を遣って俺の家かロビーって言ったんだよロリ」


「…2人とも…っ!!喧嘩しないで!」


「「…はい」」


「なぎ君の部屋でもいい…?」


「ああ、構わないぞ」


 よっしゃ!!アイシャにはベッドに座ってもらって…匂いを…グフフフフ。


「めっちゃいい匂いだからな!」


「え?」


 あ。やべ。声に出てた。


「なんでもないなんでもない!こっちの事情よ」


「…二回言う人はごまかしてる人」


「うるさいぞそこのちび」



 部屋に入ってもらい、アイシャをベッドの方にさりげなく誘導するが…千尋に阻まれた。

 2人にはソファに座ってもらい俺は対面の椅子に座る。


「それで、明日のことを聞きたいんだけど」


「明日は10時に10階に行けばいいみたいです。持ち物の指定はないですけど、なぎ君の使っている刀は持っていった方がいいです」


「…ポーズとかってやるのか?」


 一番気になってたのはそれだ。恥ずかしくないか?年老いてからそれを見たら黒歴史になりそう。


「…恥ずかしいのは皆一緒。数いれば怖くない」


「3人じゃねぇか。羞恥心抱えるやつ増えてんじゃねぇか」


「しょしょうがないです!!これも仕事です!」


 思い出したのか2人とも俯いている。アイシャが可愛い。


「きゅい!」


 2人を見ているとエマがないた。

 励ましてくれているのだろうか。


「おーおー…エマは優しいなぁ」


 頭を撫でると甘噛みを始めた。

 ……ご飯欲しかっただけみたい。


 げぷぅ…


 食べ終えると毎回げっぷをして眠る。子どものうちはしょうがないけど、この子大丈夫かな?将来大きくなっても人前でげっぷしちゃうの?あらやだ。


「可愛いです…」


 エマ…これからもアイシャには可愛がられるようにな。接点はなるべく増やしたほうがいいだろう。


「…その子。人化しないの?」


「よくぞ聞いてくれた。ラノベなんかだと竜は人化できるからな。俺も楽しみなんだ」


「…エッチなことする?」


「何言ってんだ。エマは俺の子どもだぞ。そんな気毛頭ない」


「…ナイスバディのお姉さんに進化したら?」


「食べさせていただきます…じゅるっ」


「…アイシャ。これがこの男の本性」


「はっ…!?誘導尋問とはやるな。だがアイシャ勘違いしないで。本当にそう思ってるわけではないし2人のことは超大切に思ってる。手は出さない。…男は少しえっちな生き物なんだ。これぐらいが普通なんだ。わかってくれ」


 アイシャは俯いていて顔が見えない。


 やばい。やらかしたか?アイシャのことは恋愛的な意味で好きって感じじゃないけど嫌われたくない。むしろ好かれたい。超いい子なんだもん。なんでもあげちゃう。


「大丈夫ですよ…。なぎ君の性癖はこの前のツブヤイターである程度理解しましたし…」



 Oh……そういえばフォローしてたわ。


 ちょっと気まずいので話を変えさせていただきます。


「…そういえば、30階以降は行ったのか?」


「…その話したかった。42レベまで上げたら連れていくって約束した。アイシャも条件は満たしてる」


「はい!頑張りましたっ!」


「千尋はともかくアイシャ、戦闘職じゃないのにすごいな…」


「…スキルのおかげです。アーティファクト作ったり服に付与して戦うことができました」


「今は何作れるんだ?」


「現代にあるものならほとんど作れます。手榴弾とかミサイルとかも…」


「…ミサイルすごかった」


 え?ダンジョン内で試したの?この子たちやばくね?


「…空間魔法の付与はできるようになったか?」


「…はいっ!少しだけなんですけど拡張は成功しました!」


 ……なんて有望な子なんだ…。



「一億で拡張バッグ作ってもらえないだろうか。ダメなら二億までなら出せるが…」


「……っ!」


 少し驚いている。まぁそれもそうだろう。

 一度オークションで扱われてるのを見たことあるが何十倍という値段がつけられていた。一億、二億で買えないのは当たり前だ。このぐらいの額を提示されて心優しいアイシャはさぞ今困っているのだろう。悪いことをした。


「ごめんな。安すぎるよな。もっと金貯めたら、その時は作ってほしい」


 誠心誠意頭を下げる。


「…!?ちち違います!億なんて…っ!私にはもったいないです!友達なんですからタダでいいですっ!」


 ……これが俗に言う女神ってやつか?俺、一生アイシャを主として崇めるわ。アイシャ教の1人目になる。だが…


「だめだ。1億は絶対に払う。友達の間でも礼儀はなきゃだめだ。それに…そんな良いものタダなんて背中が痒くなる」


「…本当にもらっても良いんですか?」


「当たり前だ。それだけアイシャはすごいことしてるんだ。見返りはあって当然」


「…ん。100億取れ」


「なんてこと言うんだちびくそ」


「…みてこれ」


 そう言って出してきたのはポーチだ。なんの変哲もない腰につけるやつ。チャックを開けると中は……


「は?」


「…100億どころじゃない」


 ポーチの中は白い空間だった。


「…これ……部屋じゃね?」


「…ん。縦10、横10」


 やべぇ……。こんなんいくら払えば良いんだ。1億払ったところでだな。持ち歩くのなんて痒くなりすぎる。仏壇のように崇めるぐらいしかできないかもしれない。


「その…まだ空間付与のレベルが低くてこの程度なんです…。ラノベみたいな時間停止付与もないですし…」


「そんなことはありません。アイシャ様。とても素晴らしいものです。仏壇にして毎日崇めたく存じます……。千尋。俺、アイシャ教の1人目になるわ」


「…無理。もう私が1人目」


「なんだと…っ!……2人目になろう」


「…ん」


 俺たちは握手を交わしアイシャ教の設立をした。これから布教していこうと思う。


「2人とも…!!やめてください!」


「「…無理」」


「な…っ!!……作らなくても良いんですか?」


 はじめてアイシャにマウント取られた。


 …これはこれでいいかもしれない。アイシャの尻に敷かれるのも………悪くない。


「冗談だ。俺もポーチがいいんだけど頼める?期限は特にないしお金は明日先に渡しとく」


 千尋とアイコンタクトを取り布教の継続はすることを決める。


「わかりました…。なるべく早く作りますね」


「頼んだ」


 その後、各々部屋に帰った。





読んでいただきありがとうございます。


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