六話 魔物との遭遇
ついにきた!
ここがダンジョンかぁ。
暗いけれど所々に光る苔みたいなのがあり視界は悪くない。
地面はデコボコしておらず整地されたかのようだ。
金属バットを手にし歩いていく。
曲がり角になり、魔物がいないかを確認しまた歩き出す。魔物はリポップするみたいなので後ろへの注意も忘れない。
また少し歩くと足音が聞こえた。
靴の足音じゃない。素足だ。
「ギギャイイイ」
と声が聞こえる。
こっちに向かってくる。
ふぅふぅふぅ…。
落ち着け心臓!
もう少し近づいてきたら振り下ろすぞ!
……きた!
バットを上段からゴブリンの頭目掛けて振り下ろす。
「ギギィ!?」
今更僕の存在に気付いたようだがもう遅い。
頭に当たると
グシャッ
ゴブリンの頭が潰れ光になって消えた。
残ったのは1センチほどの魔石だ。
「か、勝った…」
手の震えがすごい。 初めて生き物を殺した。
命のやりとりをしたからか感覚的にゴブリンは脅威ではないと思った。
次は正面から戦ってみよう。
震えはまだ治らないが魔石を回収し移動を始める。
何度か角を曲がると
「グギャギャギャ」
と声がした。
僕は声主に姿を見せる。
「よう、小人さん。僕と野球しないかい?」
するとどうだろう。
走って向かってきた。
あまり速くはないが顔が超怖い。目なんて血走ってるし。僕を殺すために向かってくる。
バットの打撃位置にきた!
「カッキーン!」
と叫ぶがホームランなどにはならない。
グシャッ!
とバットにぶつかってさらに壁にもぶつかり光となって消えた。
全然問題ない! さっきより鼓動も安定してるし、何よりゴブリンがバカすぎる。真っ直ぐにしか来ないし避けようともしない。
魔石を回収しまた移動する。
どうやら1階層は迷路みたいになっているようだ。途中下へ行く階段を見つけて2階層におりた。 ここでもゴブリンが相手だ。1階層と違うのは2体でいる時もあるということ。
それからゴブリンとの戦闘を幾度となくやり魔石を50個集めた時、僕は思った。
レベル上がってんじゃね? と。
ゴブリンがいつきてもいいように耳をすませながら「ステータスオープン」と唱える。
奥崎 なぎ
職業???
Lv 5
HP. 500/500
MP. 500/500
筋力 100
耐久 100
敏捷 100
器用 100
知力 100
ユニークスキル
『炎竜王』
『雷帝』
スキル
刀剣術Lv3
スキルポイント50
Lv5だ!!
スキルポイントも入ってるし、めちゃくちゃ嬉しい。
身体もダンジョンに入る前より軽いし動くし、五感も鋭くなってる気がする。
「自分の成長がステータスで見れるっていいなっ」
もっと頑張ろうって思える。
スキルの振り分けは家に帰ってからだ。
帰るまでがダンジョン攻略っていうしね。
「2体相手にできるようになったし3階行くか」
3階の階段を降りて少し進むと
「グギャギャギャ」
と聞こえる。
ここもゴブリンか。と思い一応覗くと、あいつ武器を持ってる。
きた!武器持ち!
狩らない以外に選択肢はない!
走って近づく。
僕の体感だとこれ100m11秒ぐらいで走れる気がする。
相手も気づき走ってくるがバットで刺突を放ち顔面を陥没させる。 転がったゴブリンの顔をバットで潰して討伐完了。
魔石とギザギザのナイフをゲット。
このナイフどこで使うのって感じだけど。
50円ぐらいで売れるかなと思い一応リュックに入れる。
その後も何度か武器持ちゴブリンと戦い魔石20個ギザギザシリーズ10個(容量食うので他は捨てた)
を得て地上に帰還した。
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