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五十四話 査定額すごい

 



 39階層に出てくるのは蝶と芋虫だ。コンビで出てくる。いわゆるハッピーセットというやつなのかもしれない。

 真琴は芋虫を見つけた瞬間走り出した。


「今日は生きてきた中で一番走ってるよ…」


「こんなの全然だ。圧倒的強者に追われてみろ。メンタルがカンストするぞ」


「…そんな経験は避けたいよ」


「ない方がいいが…お前には教えよう。ダンジョンはな…攻略されそうになると一定以上の強さの魔物を召喚するんだ。一番弱いやつでも100レベルはあると思う。お前はどんどん攻略しそうだからな。気を付けろよ」


「…なぎの実体験みたいに聞こえるね」


「ああ。川越ダンジョン…って言えばわかるか?」


「…!?消滅したダンジョン。そっか。それが理由なんだね」


「ああ。あそこまでの化け物も生まれるんだ。気を付けろ」


「わかった」


 話をしていると大きな扉が見えてきた。

 ボス部屋だ。


「真琴一人で楽勝だろ。後ろから応援する」


「頑張るよ」


 扉を開けて入ると2m超えの蝶が1匹。その周りにとりまき芋虫が何体もいた。


 真琴の目は輝きを失いひたすらに闇炎を飛ばして近づかずに勝利した。

 ドロップは魔石のみだった。


「これで40階クリアだな」


 40階の先にあるオーブ部屋で話す。


「…考えたんだけど新宿で活動したいんだ。だめかな?」


「唐突だな。新宿も大きいダンジョンって言われてるしな。どっちが深く潜れるか勝負するか?」


「いいねそれ」


「ああ。強くならなかったらDVD返さないからな?」


「…それはちゃんと返して。1ヶ月契約にしよう」


「じゃあ今月はこのままな。あと今日の戦利品で貸した金返せ」


「オーケー。戻ろっか」


「ああ」


 光に包まれ外に出る。




『帰還してすぐで悪いけど死んでくれない?』


 目の前には手榴弾のようなものを投げた女性の外人と昼間会った二人がいた。まだ人通りも多い。

 どうやら周りの命も散らすつもりらしい。



 手榴弾を掴み全力で上空に投げる。



 バァァァァァンッ!!!!


『は?』



 どうやら掴んだのも見えなかったようだ。


 手榴弾の音で周りにいた人たちも異変に気づき逃げていく。ダンジョン前には俺と真琴、外人の3人だけとなった。


「…やっぱりこいつらなぎを殺そうとしてる」


「そうみたいだな。どっかの諜報員か?」


「…君は異常だからね。日本に力を持たれるのはまずいってかんじじゃないかな?」


「なんにせよ捕まえる。殺すなよ」


「わかった」


『正面からやるよ!』


『うぃ〜』


『ああ』


 昼間の二人が向かってくる。女性は真琴のほうに向かった。


 黒鬼を鞘ごと構え、縮地で二人の後ろへ移動。鍔で首トンをして気絶させる。


(気絶する加減わからないけど一割でできた)


 一度やってみたかった首トンができて満足だ。

 真琴も加速を使って首トンしたようだ。


 周囲の人が通報したのかでっかい盾を持った爆弾処理班みたいな警察に取り囲まれる。


「爆発があったのはここですか?」


「はい。こいつらに朝から命を狙われていました。さっきダンジョンから出たらすぐに手榴弾を投げられまして。一応上空に弾いたので怪我人はいません」


「……事情聴取があるので二人とも署までついてきてもらえないだろうか」


「わかりました。そいつら気絶させましたけどスキル持ちなので気をつけてください」


「僕も大丈夫です。査定は終わってから行こう」


「ああ」




 簡単な事情聴取がされた。

 いつから襲われているのか。心当たりはあるか。

 それに応えただけで解放された。あとはあの3人に聞くのだろう。こんな簡単に済んだのは情報を引き出せるスキル持ちが警察内にいるんだと思う。


「本部行ったら家に帰るから今日は泊まって。電車も朝まで動かないしな」


「そうさせてもらうよ」


 本部に行くと夜中1時30分だがやっていた。

 夜中だが真琴のお気に入りの子がいたのでそこに行く。


「あっ!真琴さん、こんばんは」


「こんばんは、凛さん」


(あれ…俺もいるんだけどな)


「おい、いちゃこらするな」


「…いちゃこらだなんて…っ……えへへ」


 注意したつもりなんだが…どうやら嬉しかったようだ。


(脈ありどころかベタ惚れじゃねぇか)


「…ははは。ごめん、査定お願いしてもいい?」


「はいっ!」


 バッグに魔石だけを入れて提出する。


「少々お待ちください」


 そう言い引きずりながら持っていった。



「他のは戻ってきてからだ。ついでにその魔剣もいくらするか確認しようぜ」


「それは僕も興味あったよ。高くても売らないけどね」


「…それはそうとお前…付き合ってるのか?」


「まだだよ。でも今度デートする約束はしたんだ」


「…ふーん」


 別に羨ましいなんて思ってない。俺だって彼女作るし。いい人がいれば。


「…こっちでは僕の方がちょっと上手かな?」


「…ああ、そうかもな。ちょっと今度手合わせしよう。なんでもありで。拒否は許さない」


「…お…お手柔らかに…」


(ぶちのめしてやるっっっ!!!)



「お待たせしました!キングキャタピラーの魔石1205個で36150円、バタフライの魔石400個で12000円、キングバタフライの魔石1個で4000円、劣化フェアリーの魔石1個で10万円、計15万2150円になります」


「ありがとう」


「立派になったな。ウルフ狩ってたのにな」


 それ倒したの8割以上俺だからなという意思を込めて言う。


「…ははは。ありがたくもらうよ」


 伝わったようだ。


「すみません、まだあるのでお願いします」


「この水魔法と土魔法のスクロールをオークションに出したいんだ。鑑定で本物か確かめてくれる?」


「わかりました。……はい。どちらも間違いないです」


「ならオークションに出すから本部に預けるね」


「はい。少々お待ち下さい。契約書を持ってきます」


 すぐに持ってきて真琴がサインして終わりだ。

 どうやら今オークションサイトで出しているようなので…


「すみません、この糸はいくらになりますか?」


 繭の中に入っていたものだ。


「少々お待ち下さい」


 奥に引っ込んでいきすぐに戻ってくる。


「この糸はとても頑丈なようです。組み込むと耐久力が上がるもので値段は2万円になります」


「わかりました。それは売っちゃいますね」


「わかりました。こちら2万円になります」


 受け取り真琴のリュックから財布を取り出して入れる。


「次で最後なんですけどこの召喚カードの詳細と値段をお願いします」


「わかりました。少々お待ち下さい」


 鑑定のレベルが低いと相場や詳細はわからない。あの凛って子は鑑定を持っているからあげれば見れるようになるだろう。


「すすすすすみませんっ!!」


 ダッシュで慌てて戻ってきた。


「どうしたんですか?」


「このカード!相場が2億です…っ!!」


 おぉう…。すんげーな。ガチャ万歳。


「詳細を教えてもらってもいいですか?」


「はい!このカードはどうやら絶対服従の魔物を召喚できるみたいです。召喚で出る魔物は込められるMPによって変わるようです!」


「ははっ!聞いたか真琴!」


「うん。値段もそうだけど込められるMPってところがね…」


 そう。俺のMPは14万超えだ。全て注ぎ込もう。

 万が一があると怖いからどこか開けた場所でやろうと思う。


「僕も詳細鑑定と相場いいかい?この剣なんだけど」


「わかりました!少々お待ち下さい」


 そう言い奥に引っ込んだ。


「何が出るんだろうな」


「教えてね」


「ああ…きたぞ」


「真琴さぁぁぁんっ!!すごいです!この剣!」


「…どうすごいんだい?」


「まず相場が3億です!!詳細鑑定の結果魔剣アルカザードという名前で属性付与された斬撃を飛ばせます!また、攻撃力2000の超すごい剣ですよ!しかも魔剣が発見されたのは世界初です!」


 めっちゃ目を輝かせてらっしゃる。剣オタなのか、金にがめついのか。


「ありがとう。これは大事なものなんだ。これからも愛用するよ」


 真琴がそう言うと


「…かっこいい……っ!」


 消え入りそうな声でそういったのを聞き取りました。真琴オタクでした。


「お互い私財がすごいことになったな」


「そうだね。これからもっと増えるけどね」


「そうだな。…帰るか」


「うん。またね、凛さん」


「はい!おやすみなさい」


 家に向かう。



「いいね。これだけ近いと」


「めっちゃ楽だぞ。真琴は今どこに住んでるんだ?」


「トンネル」


 おおぉぅ……。なんて返せばいい…?


「…家はいつ借りるんだ?」


「新宿のダンジョンで40階超えたら借りようと思ってる。明日から潜るから…そう遠くないかな?」


 ならちょうどいいな。


「俺は明日から実家に帰らなきゃいけないから年明けになっても潜れないと思う。その間に真琴が進めれば競争できるな」


「頑張って60階ぐらいまで行くよ」


 そう微笑みながら言われた。


「…それぐらいのハンデはあげるよ」


 俺のステータスなら本気で進めば1ヶ月かからずに100層はいけると思う。スキルポイントもいざって時のために取ってあるしな。



 エントランスにつき真琴の手続きをして24階に行く。終始びっくりしていたが…家に着くと



「……この白い家いいね。僕もこういう家に住みたい」


 気に入ったようだ。

 アメジストとアマゾナイトをショーケースの中に入れる。


「宝石集めてるの?」


「まぁな。金持ちになった気分になれるしダンジョン産のものを飾っておきたいんだ。ぶっちゃけると女性受けを狙ってる」


「…ぶっちゃけたね…」


 そうこう話しているうちに風呂が沸き先に入る。


(男の後には入りたくない)



 30分ほどで出て真琴も入る。着替えがないから服をあげることにした。


 ツブヤイターで30階から芋虫が出ること、繭の中には宝が入ってるという情報と芋虫の写真を添付してツイートする。

 前回のワニの注意喚起だがとても役に立ったそう。


「この情報知らなかったら死んでた」


 というコメントが数多くきていた。

 探索者らしいツイートができて何よりだ。


 さて、ここからが今日のメインイベントだ。

 由衣には変なのあげるなと言われているが…大丈夫。これは変なのじゃない。


『世の男達よ。楽園は存在した。 無断転載ウェルカム』


 添付ファイルに撮りまくった乳…もといフェアリーを4枚添付する。


「ツイートぉぉぉ!!!」


 ボタンを押して任務完了だ。

 動画もたくさん撮ったが…あれは真琴と二人で共有することに決めた。


 真琴が風呂から上がったので簡単な料理を作りそれを食べる。

 時刻は朝方の4時。真琴にはソファーを使ってもらい、タイマーを10時にセットして寝た。





読んでいただきありがとうございます。


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