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五十一話 狙われる

 



「イエス」


『すまんな。こういうことはしたくないが…死んでくれ』


 そう言うと懐から銃を取り出し撃とうとしたが


『なんだと!?』


 撃つよりも先にその銃は回収させてもらった。


「危ないですよ、街中なんですから。何のようですか?」


『…すごいな。どんなスキルか知らないが脅威と判断する』


(なんか言ってるが…英語はチンプンカンプンなんだ)


 どうしたものかと思っていると急におっさんが消えた。見えなくなったと言えばいいか。


 俗に言う隠蔽か?それとも透明化か?


(俺もそのスキル欲しいんだよな…)


 やましいことに使うつもりはないんだ。ただ女子トイレとか女風呂とかの平和を守りたい。誰が覗いているかわからないからね。


 気配探知には引っかかっているので後ろにいることはわかる。


(この人何がしたいんだ?俺のファンか?)


 歩いて近づいてくるのでただ待つ。


 バキッ!


 体に何かがあたり折れた音がした。

 見てみると刃物だった。


「あ。すみません、折ってしまって」


 拾い相手に渡す。


『!?刃物がなぜ折れる!第一見えているのか!?』



 外国人の言葉はわからないのでスルーしよう。

 付き合ってられない。


「シーユー」


 それだけ言って家に帰る。

 ついては来なかったのでほっといた。


 買ったものを一度ばらして再度組み立てる。

 組み立て終わったショーケースにルビーを飾り終了だ。12時までまだあるので寝ようと思う。




 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 一方、ある組織では…


『こちらエー、任務失敗だ』


『はぁ?何やってるのよ。ガキ1人殺すだけでしょ』


『そうだぜエー。任務失敗だと金もはいんねぇし来た損じゃねえか』


『……銃を撃とうとしたら相手の手にあった。隠蔽を使って背後から刃物で刺したが刃物が折れた。…たぶん見えているようでもあった』


『何わけわかんねぇこと言ってんだ。次は俺が行く』


『あんたへますんじゃないわよ?しっかり殺してきなさい』


『わぁってるよ、任せとけ』




 こうして、なぎの知らないところで動きだすものたちがいた。




 ◇◇◇◇◇◇◇



 起きたらシャワーを浴びて黒鬼、リュックを持って出る。

 集合時間ちょうどにダンジョンに着く。


「おーい」


 そう呼ぶのは真琴だ。


(今日はちゃんとした服だな…)


「待たせたな」


「うん。楽しみで30分前から来てた」


 そこは今きたところと言うのではないだろうか。

 それだけ本音を言える仲ということでもあるが…。


「行く前に確認だ。どこまで降りた?」


「30階だよ」


 …は?この短期間でそこまで降りたのか?

 だが28階のワニとかどうしたんだ?


「28階のワニには会わなかったのか?」


「いた。びっくりだよ。めっちゃ素早いんだもん」


「…ならどうして…」


 そう言ったところで真琴が動いた。

 敵意は感じなかったので少し気が抜けていた。

 真琴は俺の背後に迫った武器をいつのまにか握っていた剣で弾く。


『…!?』


「なぎに何しようとしたんだい?」


 見ると外人がいた。


(朝も今も…いったいなんだ?)


『ひゅぅ〜、ボディーガードかぁ?強いなぁ!』


 相変わらず言っていることはわからない。

 真琴も何言ってるかわかんないって顔してる。


『二対一はちょっとなぁ。またくるぜぇ!』


 何か言うと人混みの中に姿を消した。


「誰だい?あれは」


「知らん。朝から外人に銃向けられたり刃物で刺されたりな。今日は不運な日みたいだ」


「…不運で片付けられないでしょ…。命狙われてるんじゃ…?」


「この命に価値なんて…少なくとも変態にしか需要ないだろ」


「一応気をつけたほうがいいね」


「ああ。それより真琴の動き速かったな。どうしたんだ?」


「お金がたんまり入ったから敏捷が上がる靴をいっぱい買って武装庫に入れてるんだ。あとは加速っていうスキルも覚えた」


「なるほど。あのワニからもそれで逃げれたわけか」


「そういうこと。なぎは30階に行ってる?」


「ああ。転移で行くか」


 パーティ登録をして2人並んで歩き出す。

 終始人目を集めていたが…仕方ないことだ。


 ダンジョンカードを渡し30階に転移する。


 31階に降りると森だった。


「すごいな…」


「うん。絶景スポットとかありそう」


 人の手が入っていない森だ。自然豊かで気持ちいい気分になれる。


「どうする?下を目指すか宝を探すかどっちがいい?」


「…もう少し貯めれればアパート借りれるんだ。宝探しながら進みたい」


「了解」



 気配探知を使いながら進む。


 すると森の中にかなり気配を感じた。

 前方350mまでに50は反応がある。


「真琴…この階魔物多いぞ。気を付けろよ」


「わかった」


 一番近くの反応に向かうと…いたのは1mほどの芋虫だった。


「…真琴さんや、虫は平気かね?」


「…ははは。無理」


 どうやら俺たちはバッドエンドなようだ。真琴の青ざめた顔を見る限り近寄るのも無理だろう。

 俺なんて小さい芋虫で発狂レベルなんだ。こんな1m越えのでかいのがウニョウニョ動くのなんて見ただけで鳥肌もの。蕁麻疹すら出るかもしれない。



「…真琴。40階までダッシュで行くぞ。宝は無理だ」


「…同意だよ。僕もう吐きそう」


 オロロロロロロッ!!



(もう吐いてんじゃねぇか)


 気配探知にも超反応がある。これが全部芋虫だと思うと…


 オロロロロロロッ!


 2人してゲロった。


 天歩を使って行こうとも思ったが木が天井付近まである。不可能だった。


 ゲロってるうちに芋虫が変な糸出して近づいてくる。芋虫の写真を撮り



「炎弾炎弾炎弾炎弾炎弾炎弾炎弾炎弾炎弾」


 とにかく最高火力で炎弾をぶちかました。

 一回で絶命するだろうが関係ない。これぐらいやらないと怖い。どうしてか森に炎がつくことはなかった。これで全て燃やし尽くすことも不可能になった。


「…気配探知で見つけ次第炎弾で殺す。魔石は拾ってる余裕ないかも。近い魔石だけ回収してくれ」


「わかった」


「いくぞっ!」


 覚悟を決めて走ることになった。


 気配探知には大量の芋虫。

 ほぼノーストップで芋虫が出てくる。

 本当なら全力で抜け出したいが真琴もいるため一割ほどだ。



 真っ直ぐ進んでいると前方に虹色の芋虫がいた。おそらく経験値かアイテムを落とす魔物だ。


「真琴…あれお前が仕留めろ」


「きっしょっ!まじで無理!!」


 そういい二の腕をさすっている。


「あれは特殊なやつだ。剣投げるなりして倒せ。じゃないと…置いてくぞ?」


 優しめに。それはもう優しく言った。

 真琴からしたら置いていくはパワーワードすぎたようだ。涙を浮かべながら剣を振り下ろしている。


「ちくしょー!!2度と出てくんな虹色ぉぉぉ!」


 …おいしい魔物なんだが。


 虹色は光になって消えたが何も落とさなかった。

 どうやら経験値魔物だったようだ。


「…いくぞ。芋虫が大量にくるぞ」


「っ!!!無理ぃぃ!」


 そう言って走り出してしまった。

 芋虫大量もパワーワードだったようだ。

 すぐに追いつき炎弾で進路を確保しながら走る。


 走ること30分。32階層への階段を見つけた。

 途中、木に繭のようなものがぶらさがっていた。

 中身が光っていたからお宝だとは思うが…触りたくなさすぎてスルーした。


 階段で休憩をとる。

 水分補給をしてから32階層に降りる。


「…ですよねー」


 どうやら少しだけ森じゃないことを願っていたようだ。ピクピク震え、死んだ魚のような目をしている。


 気配探知を発動すると上に比べて反応は少なかった。どうやら上は大規模な芋虫バーゲンだったようだ。


「朗報だ。芋虫の数が少ない」


「っ!本当かい?」


「ああ」


(30ぐらい)


 声に出していうと絶望しそうなので言わない。

 走っていると第一芋虫を発見。

 変わりないようなので炎弾で殺す。


 真琴は「加速!加速!加速!………」とずっと言っている。それだけ嫌いなんだろう。


(こいつみてるとちょっと余裕があるな…少しいたずらするか)


 正面の木の上に芋虫がいるが、倒さずにほっとく。そこを過ぎたぐらいでそいつは落下し……真琴の鼻スレスレを通り落ちた。


「grbrっbっrんtんvdべ!?!?!?」


(うん。何言ってるかわかんない)


 こっちを向き


「fbrbrnyんてっ!!?ゔぇオロロロロロロ!」


(うぉぉぉぉっ!!!)


 ゲロがかかりそうになり全力で回避。

 回避したと同時に芋虫に炎弾を放ち殺す。



「ごめん、そいつ隠蔽持ちだったみたい」


 笑顔でそういうと


「…今日の取り分全部僕の。見つけた繭も全部あけて」


 そう言われた。

 宝石だけは欲しいので


「宝石以外あげる」


 それで手をうった。




読んでいただきありがとうございます。


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