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三十二話 この水は

 



 くわぁ…。


 よく寝たな。



 5時間ぐらい寝たかな。


(元気盛り盛り下も盛り盛り)



「…現実を受け止めるか」


 最後の希望!?ステータスよ今まで通りであれ!!



 奥崎 なぎ

 職業 魔…



「はいアウトー!」


 寝ても変わらなかった。



 現状やることは一つ。

 ここからの脱出だ。

 そうなると今のスキルじゃ無理だが。


(なんかねぇ。自分で勝ち取った勝利じゃないからスキルとかとりたくないんだよなぁ)


 いずれは取ることになってたのかもしれないが。

 でも脱出したいし…。

 早く発散もしたいし…。


「現状のステータスで脱出できるか試すか」



 ジャンプしてみよう。

 全力でジャンプするが、


(…!?なんだこの高さ! 落ちる落ちる落ちる!)


 どおおおぉんっ!!!


「いててて…? 痛くない」



 暗くて見えないが浮遊時間がかなり長かった。


(俺が2時間のところを魔王1分できてたもんな。こうもなるか)


 まずは力加減を覚えた方が良さそうだ。


 ジャンプを何度も繰り返し


 俺は普通のジャンプを手に入れた!!


 他の力加減も学び、脱出方法を探す。


「………ない。スキル覚えよ」



 しょうがない。いずれこのスキル達が出ることを考えたら今とっても後にとっても変わんないだろう。バトルのスリルも深い階層に行けばいいだけだしな。一方的なのは本当無理。




 全てのスキルを取りステータスはこうなった。



 奥崎 なぎ 

 職業 魔人

 Lv1430


 HP. 143000/143000

 MP. 142700/143000


 筋力 28600

 耐久 28600

 敏捷 28600

 器用 28600

 知力 28600


 ユニークスキル

『炎竜王』

 派生スキル

 炎矢Lv1

 炎弾Lv3

 炎爆Lv1

 炎獄Lv1

 炎纒Lv1

 竜装Lv1


『雷帝』

 派生スキル

 雷矢Lv1

 雷弾Lv3

 雷放Lv1

 雷獄Lv1

 雷纒Lv1


 スキル

 刀剣術Lv3

 派生スキル

 飛斬Lv3

 斬鉄Lv2

 居合Lv1

 無詠唱Lv1

 天歩Lv1

 縮地Lv1

 全属性耐性Lv1

 全状態異常耐性Lv1

 鑑定妨害Lv5

 身体強化Lv2

 気配探知Lv3

 魔力探知Lv3

 HP自動回復Lv2

 MP自動回復Lv3


 称号

 魔を討つ者 覚醒者 人外 英雄

 殲滅者

 川越ダンジョン5階

 川越ダンジョン22階


 スキルポイント13865



「新しいスキルは文字でだいたいわかるな」


 無詠唱はその名の通り詠唱なしで全てのスキルが使えるがレベル1だと10秒に一回しか使えない。

 天歩は空中に足場を作れる。1秒間。

 縮地は一定の距離瞬間的に移動可能。1レベだから1mだけ。


(多重分身できそう)


「どうしようか。天歩使いまくるか。MP無限ってぐらいあるし」



 ◇◇◇◇


 使いまくりレベル3になったが。


(喉が渇いた)


 ひたすら天歩を連呼し続ける。たまに無詠唱で。

 喉が渇いてしまったので今は炎弾で辺りを照らしながらリュックを探している。


 探すこと数十分。


(ない…)


 たぶんあの闘いの余波で全部消しとんだ。

 リュックはなかったが超でかい魔石を発見した。

 魔王のだろう。1センチ、ボスで2センチぐらいだがこの魔石は1mはある。

 だけどこんなものが身体に入っているとは思えない。体にあるのは心臓部として機能し倒すとドロップとして魔石が落ちるのだろう。ドロップの時は大きさが変わると言うことだ。


(魔石があってもな…。喉渇いた)



 尿は飲めると聞くが自分のは飲みたくない。

 美少女のなら大歓迎なんだが生憎と1人。



 こうなったら上まで行くか…。

 そう思った矢先、ヘリの音が聞こえた。


 上を見るとまだ遠いがヘリがいた。


(おぉ。救助してもらおう)


 ヘリがちゃんと降りるまで壁際で待つ。

 中心部に着陸したみたいだ。


 歩きながら向かう。





 ◇◇◇◇◇◇



「かなり深いな…。下が見えない」


 見えないものには人は恐怖を感じる。

 暗さも相まって余計にだ。



「地面が見えました!照らします」


 ここまで2キロほど。

 こんな不自然なものは見たことがない。


「警戒を怠るな。なにがいるかわからん」


「…」


「…」


「安全を確認。着陸します」


「…捜索を開始する。各々俺から離れるな」


 ここで命がなくなるかもしれない。そう思うと萎縮してしまうが、なぎはもっと怖い思いをしていることだろう。そう思い気合を入れる。



 ヘリから降りると周りを警戒しながら進む。

 懐中電灯だけでは少ししか照らせず2人の息遣いは荒くなっていく。

 恐慌状態になってしまっている。


「しっかりしろ!!」


 声を小さめに出し喝を入れるが限界のようだ。


「…お前らはヘリに戻れ」


 そう言い残し捜索を開始した。




 ◇◇◇◇◇◇



 だいぶ歩いた気がするなぁ。


 そう思うと前から足音が聞こえた。


(救助だ!!)


 そう思いちょっと小走りをする。


 ダンッ!!


(やべっ!加減間違えた)


 足音の人物の目の前で止まる。

 天歩の応用だ。壁を作っただけだけど。


「!?」


 銃を向けられた。


 咄嗟に手をあげて何もしませんよアピールする。



「なぎ…。なのか?」


「(こくり)」


 いたのは村中さんだった。

 信じられないみたいな顔してるけど。


「喉が渇いてて…。飲み物ありませんか…?」


「……ああ。ヘリにある。そこまでいこう。生きててよかった。じんさんが心配してたぞ」


「はははは…」


 なんとも言えない。この原因は僕が引き起こしたから。


 その後歩きながら外がどうなってるのかを聞いた。


 世界中が川越ダンジョン消失に興味や関心があるようだ。

 また俺がやったことだとはこれっぽっちも思われてない。巻き込まれた探索者が1人いるということらしい。こんだけの天変地異だ。人間ができるなんて思わないだろう。


 だが原因は教えなければならない。

 少し脚色を加えるが。



 ヘリにつきもう2人の顔を見るとこちらもギョッとしたような目で見られた。


 500mlの水をもらい飲み干す。



「うぅぅぅぅ…めぇぇぇぇ!!なにこれ!富士の山の水ですか!? それとも湧き水的な何か!?それとも濾過した女の子のあれてきな何か!?」


「…水道水だ」



(うん。知ってた。でもうまい!ゴコゴク飲める!)


「救助といい水といい本当にありがとうございます!助かりました!」



「おう。地上に戻るか」


「はい。お願いしま…ちょっと待ってください。忘れ物しました」


 そう言ってヘリを降り魔石を回収。


「すみません。もう大丈夫です」


 僕が持ってきたものを見てみんな固まった。

 まぁ確かに高純度の魔力?のようなオーラを纏っている魔石だけど。



「……それは魔石なのか?」


「はい。この原因の元です」


 そう。これを引き起こしたのは僕だけどその原因は魔王だ。全てあいつになすりつけよう。一度殺された恨みだ。



「そうか…。地上へ行くぞ」



 こうして僕の川越ダンジョン探索は幕を下ろした。




読んでいただきありがとうございます。


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[一言] 今まで良かったのにこの展開はないわー オレツエーはもういいよ
[一言] 天歩  てんぽ。。。? てぃんぽ。。。。。? ち「おっとだれかきたようだ」
[一言] 主人公がスキルポイント使い切らなかった理由は伏線なのか、それともただ単に現実逃避なのか...
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