二十一話 意外と高かった
戦いが始まり、すぐに3人は魔法無効個体の方へ行き足止めをしてくれている。
少々危なっかしいがこっちを先に終わらせればなんてことはないだろう。
二体ともに人型のスライムだが2mほどで18階の化け物に比べたら可愛いぐらいだ。
僕は物理無効個体に走り寄りバッドを振りおそす。
ぼよぉん
手応えがない。本当に効かないみたいだ。
もう一度距離を詰め振り下ろ…
さないで雷弾を発動!!
雷弾が当たった。
まさかフェイントを入れてくるとは思わなかったのだろう。
僕の勝ちだ!
「炎弾」
動けない物理無効個体を炎弾で焼却。
一発で消えた。
すぐさま残りの一体の方に移動し加勢する。
溶解液の発射モーションに入ったら距離を取り、また近づくの繰り返しでタコ殴りにした。
最後、翼さんの攻撃で魔法無効個体も消滅。
残ったのは大きめの魔石2個と短剣だった。
終わってから思うのはやっぱり楽だったこと。
このぐらいじゃ僕の相手にはならない。
だがそれを口にすることはない。
「……みんな。仇は打ったぞ…」
「…」
「…」
黙祷している。
僕も少しばかりだが成仏することを祈って黙祷した。
「なぎ。本当に助かった。ありがとう」
「奥崎さん、ありがとうございます」
「……(コクリ)」
「いえいえ、大したことじゃないですよ。皆さんは転移で先に戻ってください、僕はまだやることがあるので」
「本当にありがとう。必ずこの借りは返す。その一つといってはなんだがドロップアイテムはなぎが持って帰ってくれ」
「いいんですか?」
「ああ。 先にダンジョンから出ることを許してくれ。俺たちは18階層のことや諸々を上に報告しなければならない。また後日お礼をさせてくれ」
「わかりました」
そういい3人はオーブに触れて消えた。
僕がここに残りやりたいこと。
それはぺちゃ◯いダンジョンチューバーのみかんちゃんがやっていたスキルを使いまくるというものだ。
この転移部屋は魔物は湧かないし入っても来れないしちょうどいいのだ。
「ステータスオープン」
奥崎 なぎ
職業???
Lv27
HP. 2700/2700
MP. 2020/2700
筋力 540
耐久 540
敏捷 540
器用 540
知力 540
ユニークスキル
『炎竜王』
派生スキル
炎弾Lv2
『雷帝』
派生スキル
雷弾Lv1
スキル
刀剣術Lv3
派生スキル
飛斬Lv2
斬鉄Lv2
居合Lv1
鑑定妨害Lv5
身体強化Lv2
気配探知Lv2
魔力探知Lv2
HP自動回復Lv1
MP自動回復Lv2
称号
殲滅者
スキルポイント130
ステータスを確認すると2レベル上がっていた。
さらに炎弾もレベル2になり撃てる数が2つになった。
そうだな。今日は炎弾のレベル上げをしよう。
今のMP量なら200回は撃てるな。
ダンジョンの壁に向かい
「炎弾」
を2発撃つ。
どうやら僕の意識しだいで出せる数も変わるみたいだ。
どんどん撃っていこう。
全てのMPを使い撃ったがレベルは上がらなかった。
「まぁ初日だし。これからも続けていこう」
僕はオーブに触れ転移を選択する。
身体が光に包まれダンジョンの前広場に帰還した。
すっかり日も暮れており急いで支部に向かった。
「こんばんは。査定お願いします。あとこの巻物と短剣を鑑定してもらいたいです」
リュックごと渡す。
「少々お待ち下さい」
この間にSNSを確認すると由衣から
『明日予定空けたからダンジョンへ行きましょ』
ときていた。
(僕に拒否権はなしか)
『わかった。朝9時に迎え行く』
と連絡を送った。
するとすぐに、
『いいのよ、私がそっちへ行くわ。やりたいこともあるしね』
不穏な気配しかしない。
秘蔵コレクションは絶対に見つからない場所に隠しておこう。
『わかった』
連絡を終えてすぐに
「お待たせしました。スライムの魔石が367個で3670円。ボスの双子スライムの魔石が二つで8000円。計11670円になります。また、こちらの巻物は火魔法のスキルスクロールでした。こちらの短剣は用途はなく飾り物みたいです」
火魔法か。たぶん炎竜王の劣化版だよな…。
「この火魔法なんですが売る場合いくらになりますか?」
「超貴重なのでオークションでしかスキルスクロールは扱ってないみたいです。だいたい500万から800万になりますね」
めちゃくちゃ高いじゃん!
「そのオークションってどうやるんですか?」
「ダンジョン探索者協会のホームページで行われていますよ。詳しくはサイトを御確認ください」
「わかりました」
支部を出て電車に乗る。
んー。明日由衣にほしいか聞いてみるか。
オークションに出すのはそれからでもいいだろう。
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