十四話 忘れることもある
その頃ネットの掲示板では。
1名前:名無しの学生
やばい動画見つけたんだがw
《動画》
2名前:名無しのフリーター
ぶふぅほっっw
3名前:名無しの剣士
これはバズるw
4名前:名無しの大剣士
は?どんな状況だよ。てかどんだけゴブリンいんだよ。
5名前:名無しの槍士
は?あり得なくね
普通死ぬだろw
6名前:名無しの弓士
>1
てかこの追われてるの『勇者』じゃね?
珍インタビューの。
7名前:名無しのフリーター
ほんとだww
また変なあだ名つきそw
8名前:名無しの魔法士
その状況で死なないとかおかしくね?俺だったら一瞬で餌になる自信しかない。
9名前:名無しの槍士
こんなことできるのか?
10名前:名無しの弓士
ゴブリンとのレベル差があればできんじゃね?
11名前:名無しの槍士
まず動画撮ってる時点でおかしいw
12名前:名無しの盾士
それな。
ばかなのか無謀なのか命知らずなのか。
13名前:名無しの大剣士
この動画がバズることだけは確かだな。
14名前:名無しのフリーター
講習会の日に◯◯モールでこいつ見たわw
もう一人似たようなのがいたw
15名前:名無しの学生
こいつ二人いんの?w
やべーw
16名前:名無しの日本人
また追々情報集めるか。
こいつはまだ何かすると俺の勘が告げている。
17名前:名無しの鷹
同意。
18名前:名無しのごぶ
有名になればでてくるだろ
19名前:名無しのゲーマー
また何か見かけたら書き込むわ
20名前:名無しの男優
情報提供感謝します!
こうして、なぎの知らないところで話題が沸騰していた。
川越についたが今日は休日ということもあり人通りが多い。
寄り道することもなくダンジョンに直行する。
「結構いるなぁ」
ダンジョン前には多くの人だかりができており通るのでも一苦労だ。
「すみませーん、通してくださーい!」
人の間を縫うように移動しダンジョン前でカードを提出し中に入る。
前回の5階層までは回避できない魔物だけを狩ることにして走る。
「気配探知」
次の角を曲がったところにゴブリンがいる。
走る勢いを少し落とし角を曲がり標的にバットをスイング……!?
曲がったところにいたのは人間だった。
スイングの方向を無理やり変えて壁を殴る。
ボコッ!
(いってぇぇ!痺れるぅぅぅ)
危なかった。あと少しで脳みそかち割るとこだった。
気配探知のこと忘れてた。生き物が引っかかるんだった。気をつけながら進もう。
その後そういったハプニングはなく、無事に5階層についた。
しかし休日だからだろうか。ダンジョン内で6人の男女と会った。前回までは誰とも会わなかったためすっかり気配探知のことを忘れていた。
…そういうこともある。
休憩を終え、未踏の地6階層へ挑む。
6階層は1〜4階と同じ洞窟に戻るみたいだ。
「よかった…。またドーム型かと思った…」
気配探知を使い警戒しながら進む。
ん?反応はあったが弱くないか?
上層のゴブリンたちより薄い気配が探知に引っ掛かった。
どういうことだと思い角から先を覗くとボロボロのローブを身につけたゴブリンがいた。
少し引っかかりを感じ、魔力探知を発動してみる。
!!!
ビンゴッ!!
魔力探知では上層のやつらは低い反応だったがこいつの反応は高い。
つまり魔力が高いってわけだ。
魔法を使ってくるのだろう。
「遠距離か…。僕は飛斬しか使えないし…他にスキルも……。ん??」
そういえばスキルポイント振ってない気がする。
そうだ。振ってない。ゴタゴタしてて忘れてた。
「1度5階層に戻ろう」
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