表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/82

一話 ダンジョンが出現したんだが

 僕は奥崎 なぎ。

 高校二年生だがストーカーやいじめ、誘拐などにあい、現在は自宅警備員だ。


 これらは僕の家柄と容姿が関係している。



 僕の家、『奥崎家』は江戸時代から続く由緒正しい家だ。


 両親は様々な産業に手を出しており、世間からは大富豪なんて呼ばれ憧れの目を向けられている。


 僕はなんの取り柄もないけどね。

 強いて言うなら剣術ぐらいかな?



 名家だけあり親戚にもすごい人ばかりだ。

 顔は合わせるけど話したことがない人の方が多い。


 こういったことから僕は身代金目当で誘拐されたことが何度かある。

 ストーカーやいじめは僕の容姿が整っているから嫉妬や妬み、好意で起きた。


 外を歩くときはマスクに帽子は必需品だ。


 危うく僕の初めてが無理やりに奪われそうになったことも幾度となくある。

 そのため僕は軽度の女性恐怖症だ。

 1メートル以内には入れないし触れない。



 こんな僕は今自宅の庭で日課の素振りをしている。


 木刀を振っている時間は嫌なことを忘れられる。



(至福だぁ)



 と思っていると、突然



 ピコーン



 《地球にダンジョンが出現しました。これによりステータスが解放されました。繰り返します……》




「え?」




 ダンジョン?

 魔物が出てくる洞窟のこと?



 僕は無知ではない。自宅警備員になってから時間が有り余っているため異世界ものの小説なんかも時折読んでいる。




 情報がなさすぎるため一度リビングに戻りテレビをつけてみる。



「あ、ついた」



 テンプレでは科学技術が衰退の一途を辿ったりするけどそうではないみたいだ。



 電気もつくし水道も大丈夫。



 テレビが平気ならスマホも…


「うん、いつも通り」




 僕はツブヤイターを開いてトレンドを見てみる。



「うわぁ、ほとんどがダンジョンとステータスについて呟かれてる。たぶん人全員に声は届いてるみたいだね」


 いいね数の高いツイートをみてみると


『俺様の時代きたー!』  『どこだダンジョンっ!』


『モンスター娘ハーレム作るぞぉ!』


 などなど、様々なことが呟かれていた。


 僕も便乗して


『えっちなお姉さん魔物はおらんかー!』



 よし。



 スワイプしながら他のツイートもみてみると、


「ダンジョンってこれじゃね?」


 というツイートに写真が貼られていた。



 写真の場所はどうやら渋谷のスクランブル交差点のようだ。周りの人たちもスマホを洞窟らしきものに向けている。



 突然、音もなく現れたようだ。


 他のツイートにも「ダンジョン発見」という文字とともに写真が貼ってある。


「ダンジョンっていっぱいあるんだね」


 僕が確認しただけでも50以上はあった。



 ん?なんだこれ。



 僕は最新のツイートを更新しながら見ていると、


「ステータスオープンって唱えると色々見れるぜ!」


 というものがでてきた。




「…なんか厨二病くさいな…」



 家には誰もいないから見られる心配はないが恥ずかしい。


 少し声を落とし、



「ステータスオープン」



 すると目の前に半透明の板のようなものがでてきた。



 そこには



 奥崎 なぎ 

 職業???

 Lv 1


 HP. 100/100

 MP. 100/100


 筋力 20

 耐久 20

 敏捷 20

 器用 20

 知力 20



 ユニークスキル

『炎竜王』

『雷帝』



 スキル

 刀剣術Lv3


 スキルポイント0



 とあった。



 本当に出てきたよ…。




 このステータスが高いのか低いのかわからない。


 比べれる人がいればいいんだけど…




 生憎と同年代の親戚三人と家族しか連絡先を知らない。



 だれかツイートしてないかな。

 そんなバカいないか。



 そこでステータスのトレンドをいくらかみてみると、



「いた…。このおバカに祈りを」



 自分の名前こそだしてないものの




 職業 見習い剣士

 Lv 1


 HP. 40/40

 MP. 40/40


 筋力 10

 耐久 10

 敏捷 10

 器用 10

 知力 10




 スキル

 剣術Lv 1


 スキルポイント0



 この人だけをみると僕のステータスは倍近く高いけど、いまいち判断ができない。



 コメント欄をみてみると、職業とスキル以外はみんな同じステータスだと言ってる。



 となると比較的僕のステータスは高い感じかな。



 でもあきらかにおかしいよね。

 職業は???でわからないしユニークスキルっていうのも2つ持ってるし…。

 名前的にやばそうなスキルだし。



 どうにかして詳細見れないかな。



 詳細と念じてみる。


 何も起きない。



 ユニークスキル欄をタップしてみる。



 あっ。なんかでた。


 というか触れるのね。



 ユニークスキル

 そのものだけに与えられしスキル。



「それだけ?もっとなんかあるでしょ!」



 思わずツッコミを入れてしまった。

 うん。一人漫才だって?

 うるさいやい。



 次に『炎竜王』をタップしてみる。



 炎竜王

 神話の時代より前から生きる竜。

 竜種の頂点。



「おいっ!それだけなわけないだろ!!スキルだろお前!スキルの説明どこいった!カムバック!」



 はぁはぁ。


 なんだこのスキル…。

 スキルなのに何もできないの?

 それ悲しくない?

 だいたい神話より前?竜種の頂点?あきらか強いスキルだよね。



 次は…


 刀剣術をタップしよう。



 刀剣術Lv3

 刀の扱いに補正がかかる。



 うん。少し期待したんだけどね。

 もうわかったよ。



 『雷帝』

 雷属性を操ることができる。





「はぁ…。スキルポイントみるか一応…」



 スキルポイント0

 これを消費することにより、既存のスキルの派生スキルを獲得できる。派生スキル以外も取得可能。



 おぉ! つまりはこれを消費して炎竜王とかの派生スキルがゲットできるってことか。



 このスキルポイントはたぶん魔物倒してレベルを上げればもらえるんじゃないか?



 あとは職業だ。


 タップしてみるが反応がない。



 どうやらこれは見れないようだ。




「んー、あらかた調べ終わったし特にやることもないんだよね…。 ダンジョン見にいくか」



 シャワーを浴びドライヤーで髪を乾かす。


 私服に着替えコートを羽織る。



 11月は肌寒い。


 帽子とマスクを着用し家を出る。


 正面玄関ではなく裏口から。


 たびたびストーカーらしき人がいるからね。





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 電車を乗り継ぎ、次の駅が目的の場所、渋谷だ。


 ここにくるまでも電車の中では度々ダンジョンの話が聞こえてきた。


 みんな何かしら思うことがあるのは当たり前だ。


 車内アナウンスが流れ、渋谷に到着した。



 改札ををでて少し歩くと巨大な洞窟が姿を現した。写真で見るよりも大きい。全長10mぐらい、横幅も人が十人ぐらい並んで入れるぐらいに大きい。



 あわよくば入ってみたかったが自衛隊の人たちが交通規制と立ち入られないようにしているためそれは叶わなかった。


 たぶん日本中のダンジョンが同じ状態だろう。



 僕の見解としては、かなりのダンジョンが日本中にあるため人員不足で一般に公開されることも近いと思ってる。



 もちろん公開されないこともあるだろうがその時はどうにかしてダンジョンに入りたい。



 こうしてダンジョンが日本にできた日は終わった。






読んでいただきありがとうございます。



もし、この作品が面白いと思ったら下にある評価をしていただけると嬉しいです。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 王や帝の厨二要素にスルー? 悶絶するかテンション爆上げする流れでしょ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ