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レインアース

ヒロイン登場

「ねえ起きて……」


頭が尋常じゃないぐらい痛い。俺は生きているのか?あの高さから落ちたら死んでもおかしくない。


「起きなさい!」


頭を蹴られた。激痛が走っていた後頭部にさらなる追い討ち。俺は怒りに身を任せて起き上がった。


そこにはガードレールが二本足で立っていた。なんだただのガード……


「うおうわ」


俺は情けない悲鳴をあげて後ずさった。

「ば、化け物!」

「命の恩人に向かって、化物は無いんじゃない?」


ガードレールが喋っている。正確には縦にしたガードレールの下の方が裂けて足のようになっている化け物がだ。


「夢……か?」

「残念ながら夢じゃないわ。ここはレインアースという世界。君のいたところとは五つの世界を超えた先にある。私はこのレインアースの守護天使長イザール様の第三妖精ピリスよ」


思考が、完全に停止した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「てことは急にこの世界に俺の魂が落ちて来たから、俺の世界の天使にあんたの上司のイザールさんが連絡を取ったところあっちでは問題なく俺が生きていると」

「ええ」

「うーん、じゃあ、この俺はなんなんだ?」

「こんなケースは過去に存在しないから憶測でしか話せないけど。おそらく君が川から落ちた時、魂が二つに分かれた。これ自体は強い衝撃が加わるとよくあることなんだけど……」


あれからしばらくし、俺は焚き火を前にガードレールと話していた。慣れとは恐ろしいものだ…


「普通はすぐに元に戻るの。でも」

「でも?」

「ちょうどそのときこの世界で勇者召喚を行なっていた。異世界からの勇者召喚は禁忌中の禁忌なんだけれど……君の魂はわかりやすく言えばその引力に引き寄せられてこの世界に落ちた」

「ガードレールは?」

「異世界に落ちて来たあなたの魂は、放っておいたら大気に取り込まれて消えるところだった。異変に気がついた私が、イザール様の力を借りてこの世界に馴染ませて、具現化したの。そしたら、この白いのが」


ガードレールもとい第三妖精ピリスは天使長イザールの命を受けて俺に謝りに来たらしい。


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