プー
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いつも通りの晶のいたずらに付き合い、プーに下敷きにされていた雪も救出して帰路についた。
「晶、お前そろそろ落ち着けよ、、、。」
「えっ?なんで??落ち着いてるじゃん、俺。」
ぶはっと噴き出す音が隣から聞こえる。
「雪、、、人のこと笑えないぞ?
プーに遊ばれてただろう?」
「だって、プー可愛いんだもん。
ていうか、プーって本当に7歳?
ペットショップで見かける生後三ヵ月くらいのトイプードルと同じ大きさなんだけど。」
「7歳だ。
家に来た頃に病気ばかりしてたからな。
そのせいで小さいのかもしれないな。」
そう言ったら雪は「君」だった頃のように悲しそうな顔をした。
晶はプーの事で母さんが心を痛めていた事を知っているからか、何も言わない。
ごめんって、隣からかすかに聞こえた。
雪が気にすることじゃないのに。
俺も、つい、ごめんって言ってた。
腹減った〜、なんて言いながら晶がお腹を鳴らした。
マジかよ?
さっき、モスに寄って食べただろ?
そう言うと晶は、俺は燃費が違うの!なんて偉そうに言った。
雪と俺は苦笑するしか出来なかったけど。
苦笑でもいい。
雪が笑ってくれるなら。
雪は昔のことなんて覚えていない。
それでも、俺は雪の悲しそうな顔なんて見たくない。
ずっとずっと笑っていて欲しい。
だって「雪」は「君」だから。
そして「君」はいつも悲しそうだったから。




