海
著作権は放棄しておりませんのでご注意ください。
雪と出会えて変わったこと。
俺の中にずっとあった孤独がなくなった。
ずっとずっと「君」に会いたかった。
何度転生しても「君」を忘れられなかった。
無駄だと思った時もあった。
でも、「君」にまた出会えた。
「雪」は「君」とはまるで別人だけど。
別人で良かったと思える事がたくさんある。
今の「君」が生きている世界が平和なこと。
今の「君」には両親がいること。
今の「君」は笑えること。
それは普通なのかもしれない。
でも、俺にとってはとても大きなこと。
「和葉とプーもおいでよ〜。」
波打ち際で雪と晶が遊んでいる。
雪が女一人で居ずらいかなと思って実家から車を借りるついでに犬も連れてきたのだが、そんな心配はいらなかったようだ。
雪は昔からの友達のように俺達に接する。
「プーは濡らすと母さんに怒られるからダメ。」
俺は何度庭の子ども用ビニールプールでプーを遊ばせて母さんに怒られたことか。
もう思い出せないくらいだ。
それにいくら今日が暖かいとはいえ、まだこの時期だと小型犬が全身濡れてしまったらすぐに乾かさないと風邪をひくだろう。
ちえっと言いながらも納得したのか雪がこっちにやってきた。
「プー、かわいいよね。何歳?」
「俺が中学に入った頃に家に来たから、、、そろそろ7歳だな。」
ふ〜ん、そっかぁなんて言いながらプーと遊び始める雪。
つうか、プーに遊ばれてないか?
「和葉、勝負だっ!」
振り向くと晶がいつの間にか波打ち際からこっちにやってきていた。
、、、そのへんに落ちていたであろうボールを手にして。




