最終話
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早苗ちゃんの提案で俺達は遊園地に来た。
「五月とはいえ、もう暑いね〜。」
「そうだな。
つうか、この日差しの中二時間も並ぶなんて普通しないぞ?」
え〜っ、だってコレ乗りたかったんだもん、なんて言いながら雪が笑う。
日差しと生い茂る緑。
昔の「君」の笑顔と重なる。
「何か飲み物買ってくるよ。
何がいい?」
「ウーロン茶!」
「あたしはオレンジジュース!」
笑顔で答える雪と早苗ちゃんをその場に残し、晶を連れて売店へ向かう。
今回は俺が払う、と晶が言ったので甘えることにした。
そもそもは晶と早苗ちゃんのために来たんだし。
俺は自分の分にアイスコーヒーを、晶はコーラを買って二人のところへ戻った。
「おかえり〜。ありがとうっ。」
「君」と同じ笑顔で笑う雪。
オカエリ、がどうしようもなく懐かしい。
エデンにいた頃も「君」はオカエリ、と言ってくれた。
懐かしさのあまり、つい空を見上げた。
「君」といたエデンはここからでは見えないけれど。
それでも「君」があの頃の俺を待ってくれているような気がした。
大気に溶けて俺に手を差し出す「君」。
俺はあの頃の「俺」の気持ちを吐きだすように大きく息をつく。
そうすれば「俺」も大気に還れるんじゃないかと思って。
そして、雪のもとへ行く。
タダイマ、と声をかけながら。
風がすべてを吹き飛ばしたかのように俺の心はすっきりとした。
きっとここから今の俺の恋は始まるのだろう。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
お話を書くのって難しいですね。
気になる和葉と雪の今後については機会がありましたらまた投稿させていただきたいと思っています。
お付き合いいただき、ありがとうございました。




