第3話
扉を開けると、俺達以外が長机を囲むように全員座ってこちらを見ていた。
唯一、銀髪ポニーテールの女、那夢だけが笑っている。
すると、席の中心、いわゆるお誕生日席に座っている白髪の男。白鳥裕二が低い声で言う。
「遅刻だぞ、一条、結城。」
「まぁまぁ、そんなカリカリしないで下さいよー、白鳥さん」
「黙れ、それより会議を始めるから座れ」
「うぃーす」
その時、白鳥が睨んできたが無視する。
俺達が座ると白鳥が言う。
「渚、あの資料を」
すると白鳥の隣に立っていた女、綾瀬渚が資料を配る。
配り終わると、白鳥の隣に戻る。
そして白鳥が
「これが今回、お前達を集めた理由だ。1ページを見ろ」
そこには白髪の長い髪の男の吸血鬼らしきものが映っていた。
「この吸血鬼は現在、約60人を殺した怪異だ。とりあえず本部の隊員、10名が行方不明、だから隊長のお前達、だれかひとりに行ってもらいたい。なので誰か…」
俺は迷わず、言った。
「吸血鬼かー、初めてなんで俺に行かせてもらっても?1回、見てみたいんですよねー」
「お前、こいつを1人でやるつもりか?」
「いやー、そんな自殺行為はしないですよー。なんで2人連れていっても?」
「構わんが誰だ?」
「那夢と紗で」
「は!?なんで私なのよ!?」
「少し黙れ、後で言う」
「で、紗とは?」
「俺の妹ですよ」