四人目
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6月11日 15:40
どこがの中学校の教室
ある少女が黒表紙の題名が無い本を読んでいる。
「あのさぁ、君、いつもその本読んでるよね。」
となりの女の子が嫌味ったらしくそのことを言う。
「うん、面白いからね」
笑顔で女の子に言葉を返す。
「へーどんな本が見せてよ」
女の子は少女のつまらない性格に対してケチをつけようと本をみようとする。
「いいよ」
「どれどれ」
少女はその黒表紙の本を取り、読もうとする。
その本の内容は
ああああああああああああああああ ああああああああああああああああ
ああああああああああああああああ ああああああああああああああああ
ああああああああああああああああ ああああああああああああああああ
ああああああああああああああああ ああああああああああああああああ
ああああああああああああああああ ああああああああああああああああ
ああああああああああああああああ ああああああああああああああああ
ああああああああああああああああ ああああああああああああああああ
ああああああああああああああああ ああああああああああああああああ
ああああああああああああああああ ああああああああああああああああ
ああああああああああああああああ ああああああああああああああああ
ああああああああああああああああ ああああああああああああああああ
ああああああああああああああああ ああああああああああああああああ
ああああああああああああああああ ああああああああああああああああ
ああああああああああああああああ ああああああああああああああああ
ああああああああああああああああ ああああああああああああああああ
ああああああああああああああああ ああああああああああああああああ
ああああああああああああああああ ああああああああああああああああ
ああああああああああああああああ ああああああああああああああああ
ああああああああああああああああ ああああああああああああああああ
ああああああああああああああああ ああああああああああああああああ
そして、その本を見ている女の子に対し少女はにたにたと笑顔を向けながら話す。
「ねぇ面白いでしょう?」
「いや、え?なにこれ?」
そして、右のページを見ても左のページを見ても同じことしか書いていない。
少女は恐怖を感じ、何かこの本に対して文句を、言ったら大変なことになると第六感が反応していた。
「ねぇねぇよく見てよ面白くなってこない」
女の子は突然、恍惚とした表情となり話した。
「なにこれ、これだけなのに面白い。どうして」
異様、異常、奇怪・・・そんな狂気がその場に満ちていた。
しかし、黒色の服に、黒色のインクを垂らしても、その異変に気づきにくいように
狂気に狂気を垂らしても、その狂気は目立つことはなかった。
「秘密だよ」
「そうだこの本、貸してあげようか。明日返してね」
「うん、ありがと、じゃあね、さよなら」
女の子は鞄を肩にかけて帰っていった。
「四人の英雄の中で一人、食人鬼が死亡・・・これはまあいい。悪魔に選べれた四人の中で記憶喪失か・・・、これは困ったな。この戦いを掌握することができなくなってしまう。まあそれもまた一興か」
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6月11日 18:20
葵の銀行
「命を狙われているとか突然いだして、金庫の中に引きこもる。もっと私に話してください。心配なんです。」
葵の秘書が葵に話しかける。
「まあ、いろいろあるんだ。いつものことなら君に対し状況を説明するが、今回のことはやっぱり伝えられない。まあ、いずれ話す。」
「そうですか。ああ、奇怪な事件について調べてきました。爆破事件、異常火災事件、空飛ぶ殺人鬼事件、不可解魚大量死などがありました。」
葵の顔が引きつる。
「爆破事件、放火事件、空飛ぶ殺人鬼事件は知っている。不可解魚大量死事件ってなんだ」
「ええ、最近の事件ではないのですが一年前ほどに琵琶湖に住むほとんどの魚が突然死をした事件なんです。これは噂ですが、突然死した魚の全てが、内臓が無くなっていたという噂もあったため報告しました。」
大量に突然死とは普通、毒とか水質汚染とかが疑われるはずである。
しかし魔法があれば説明できる事件だ、釣り竿と餌を媒体にし魚を取り、包丁を媒体にして内臓を取る。魔法を使えば跡を残さず可能だ。
一年前となると魔法はない。そもそも内臓が無くなったのが嘘かもしれないが、火の無いところに煙は立たない、オカルト好きが考える噂とは離れているから、何か隠されているな。
葵はいろいろ考えていたが、そもそも内臓が無くなっていたという噂に対し真偽を判断するすべはなかった。
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6月11日 20:00
株取引は15:00まで、だからこの時間になるといつもは暇だ。
しかし、この戦いに巻き込まれたことから。どうやって我々レジスタンスが集合するか考える。
「記憶喪失は困ったものだ。」
一番、集合しやすい所は葵の銀行だろう。
四人の話では葵と私は東京、章はここまで来るのに3時間かかる場所、肉夫は、千葉県に在住。
気になることは、肉夫の異常すぎる筋力。あれはもう人間じゃない。あと四人目。
四人目とは男性なのか女性なのか、狂人なのか常人なのか、それすらわからない。
ただ神に選ばれたということは、おそらく狂人だろう。しかし、こっちまで攻撃を仕掛けていない?いや。既に仕掛けている?
2chを確認するか。ここの情報は大体はあてにならないが、質より量を重視したいからな。
まあ初めは、ニュース速報からだ。ここにはページのソースがあるから信頼性は高い。まあソース自体が信頼性の無いものかもしれないけれど。
この戦いに関する事件を見ている、爆破事件、異常火災事件、空飛ぶ殺人鬼事件。
どうしてだ?異常火災事件と、空飛ぶ殺人鬼事件を結び付けている人が多い。そして反論があまりみつからないな。
勢いがあるスレで煽ってみるか。そうすれば結びつける根拠を提示してくれるかもしれない。
「異常火災事件と空飛ぶ殺人鬼事件ってなんの関係があるuんだよ根拠ねえよバーカ」
品性の無い文章である。uを付けた理由は相手に反応してもらうためだ。そして数秒まって更新
・・・10秒ぐらい待つだけで20個もスレされたとは、反論の中に根拠となるものは・・・
これmyutubeのURLか、どれどれ動画を確認してみるか。
何か体をつらぬくような、寒気がした。見てはいけないものを見てしまったかのようなそんな感じだ。
「こ・・・これって、なぜだ。この私がわからないことなどあるか。いやあるか・・・でも、ありえない。」
そこには章と天使が戦っている姿が映っていた、山羊に確認した映像と撮影している場所は異なるが、内容は一致している。
ただ、その映像の世界を認識したときに、常に冷静を心掛けていた真ですら動揺を隠せないものだった。
それは、ガキ大将がヤクザに恨まれてしまったような、自分の常識の範疇をはるかに超えた事実に直面したからだ。
「なんで、なんで、章君と天使が戦っている姿がアップされているんだ。誰かが撮っていたのか?」
「四人目か?それ以外の天使が近くにいたのか?ただ、今までの情報からしてそれ以外の天使がアップロードした可能性は低い」
「おそらく四人目だろう、でもどうやって撮った?普通こんな場所から取られてたら気づかないはずがない、普通こんなところに監視カメラは無い?メタマテリアル?いやまだそれは開発段階のはず、魔法の力で不可能は可能に変えられない。魔法の力ではない?じゃあ何が何なんだよ。一体、どのようにして撮影した?不可能だ、不可能、いや違う。常識に囚われるな、異世界の物質を使ったら可能かもしれない。異世界に行って調べる必要があるな」
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6月11日 20:00
「はあ~家が爆発」
肉夫は悩んでいた。
「しかし、無傷、やはり俺はムキムキング。」
そんなことを言っていたが、さすがに肉夫は自分のことを異常だと気づき始めた。
「考えても仕方がない、俺様は考えるのは仕事じゃないし」
仕事?
「って最近、無職になったんだ。まあ山羊に願いをかなえてもらえばいいや。」
願い・・・願い・・・何か違和感を感じる?何の違和感だ
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6月11日 20:20
真は異世界に移動する
ここが異世界か、森だな。まあ人を発見しないと話にならないだろう。
真はつぶやきながら、ライトをつける。
・・・真が足元に気を付けるため地面に光を当てるとそこには足跡があった。
これは・・・世界の方の靴の跡だ・・・
真は周囲を黒く染める。そして山羊が現れる。
「なあ山羊よ今、章は異世界にいるのか?」
「そうだ」
「この異世界のひとはどんな靴を履いている?」
山羊人間は手を上にあげ、真にホログラムを見せる。
「こんな靴だ」
やはり・・・考えられるのは真の靴か、足跡的には真の靴、以外には考えられるものがない。
すぐに真は黒く染めた空間から出て、走りだした。
「記憶喪失、命を狙われるのなら今ぐらいしかない。一回失敗しているから警戒されているはず。」
足を跡を追いかける、もしもの時のために・・・【加速】を使いながら。
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6月11日 20:20
警戒せよ・・・警戒せよ・・・
「見つけたよ、私たちの見方を殺めておいて記憶喪失かあぁぁぁっ!そうかそうか。まあどうでもいいんだけどね」
「ひぃ。誰だ」
章は顔を引きつる、黒い空間から引き続きまたおかしなことが起きたからだ。
少女は右手に大きな鎌を振り上げる
もう一人の少女がそう語る
「ああ、そうそう、赤い線の付近に地雷を設置しといたよ」
よく左右前後を見ると、赤い線が円を描いていて、その中に自分と鎌を持った少女がいることに気づく。
円の外側の少女は笑いながら喋る。
「ゲームスタート」
鎌を持った少女は、章を追いかける。
「や、やめろ、僕を殺すなあ」
「え~どうして」
「死にたくないからだ!」
章はこの状況に”記憶を失う前の自分はどんな生活をしていたのだろうか”ということが考えられないまでに危機感を感じていた。
彼の思考は、ここからどうやって逃げるか。それを考えていたが、実際その考えというものは恐怖によって思考とは言えないものになっていた。
「ふーん」
章は焦るがあまり、転んでしまった。
彼の思考回路は完全に停止していたわけではない、ただ思考が カレーにねずみを入れるようなほど 滅茶苦茶になっていただけである。
章は右手の近くに、石があることに気づく。章は倒れながらも、石を少女に投げつける
「無駄だよ」
鎌を持った少女は、章が投げつけた岩を軽く、鎌で受け流した。
「ふーん、まあいいや。こっちから攻めるのもつまらないものだよね」
鎌を持った。少女は待機している。
20cmほどの大きさの石が近くにあることに章は気づいた。
「これなら・・・」
そんな大きな石を少女に向けて投げる。
しかし
「だーかーらー無駄だってー」
「そうだね、無駄だね」
そこには真がいた。
「地雷があったはずじゃ、いや飛んできたのか」
「地雷ってこのことかい?」
真は地下から掘り出した、地雷を踏みつける。
「な?何を」
「地雷っていうのは、踏めば爆発する。けれど、踏んでる最中は爆発しない。【爆発】の媒体は手に入れた。」
真が一瞬、魂失っていたような顔になった。
鎌を持った少女の近くで爆発が起きた。
しかし、少女にはその爆発が効かなかった。そして少女は小さな盾の残骸を持っていた
「これはね、小型の盾さ。でも魔力によって強化することができる。まあ、どうでもいいことか。降参だよ、地雷は撤去する」
「それを認めるとでも」
真はそう話す
「認めた方が君たちの得になるんじゃないか。だってこっちは二人、そっちも二人だけど、一人は記憶喪失」
「まあ、そうだな降参を認めよう」
そのあっさりとした降参の意味は何かを含んでいるようだった。