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社長

正直暇潰しです。

俺は気が付くと、死臭のする暗闇の中に居た。

人間は本能的に暗闇を恐れるそうだが、俺は全くそういう物が無いらしい。

俺は、ここが何処なのかを探ろうと前へ歩こうとした。

ギシ

ふむ。

今の音で解った。

俺はどうやら椅子に座っているらしい。

それに椅子に体を縛り付けられて。

困った物だ。

明日俺は鹿児島まで出張だというのに。

確か、早く起きれるように10時には布団の中に居た筈だ。

ふむ。

可笑しい。

はははは。

何で?

俺は何で此処にいる。

あ!

これは夢か!

だから、さつきから少しずつ、意識が遠のいて行くのか。

成る程ー。


そこで俺の意識は途切れた。

ガツン……ぐちゃ、ぐちょ。




はっ!

此処は?

私は体の痛みに目を覚まされた。

痛みの原因はこの椅子の様な物に縛り付けられているからだろう。

んんん!

私は体を無理に捻ってみた。

ガツン

痛っ!

何だろう。

目の前が花火を上げた時みたいにチカチカする。

それに頭から鉄の臭いのする液体が……あはは。それは血か。

え?

血?

何で血が?

あ、頭が痛い。

それに、下半身が無いや。

血がシャワーみたいに吹き出てる。

ぎゃははは!


そこで私の意識は永遠に戻らなくなった。

グヂャン!ベチャ……


«想»

これだけ殺しても、気が済まない。

もっと殺ろう。

いいんだ。

リストラした社長が悪い。

そうだ!

社長を殺ろう。

んー、じっくりと痛めつけて、自分がどんなやつをリストラしたか教えてあげよう!

ぎゃひ!

«想続»


うう…。


私は薄暗い部屋で目を覚ました。

………。

ここは、どうやら、打ちっぱなしのコンクリートの家らし……家?

それは違うな。

家というには殺風景すぎる。

だが、目の前に扉はある。

ガラス張りだな。

おお、そうだ。

トイレに行こう。

最近トイレが近いからなぁ。

よいしょ。

ギシ

あれ。

私は自分の体を見る。

ほほう。

何故か椅子に座っているらしい。

それに黒いシートベルトの様な物で体が縛り付けられているらしい。

身動きが一切出来ない。

困ったな。

私はこの状況を知ったことでますますトイレに行きたくなった。

糞!

誰かー!

あれ…声が出ないぞ。

私は口から舌を出してみる。

べとっと何か粘着性のあるものが引っ付いた。

んーむ。

口にガムテープか、何かが貼られているな。

と、兎に角、トイレに行きたいな。

誰かー!

漏れる!

明日は会社の方針を決め直す会議だってのに!

!!

誰だ?

いや、誰でもいい!助けて!

トイレトイレトイレトイレトイレトイレトイレ!

早く来い!

いや、来てくれ!

来てください!

ああ、ドアが開いた。

トイレに行ける。

あああ??

西川君じゃないか!

西川君は私の口のガムテープを一気にひき剥がした。

痛くて声が漏れる。

下もヤバイ。

「いぎ!」

「よう。大谷。」

「き、君が何でこんな所に……いや、それより早くここから逃がしてくれ!」

「ふはははははははははは!!!」

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