表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼女がいない理由を、オレたちはまだ知らない  作者: 双鶴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/10

4話

1. 金曜午後6時、ファミレスにて


「今週のテーマは、“恋愛経験ゼロのリアル”だ」


佐久間が言った。

経済学部らしく、今日もホワイトボードアプリを開いている。

画面には、「恋愛経験ゼロ=語れないことを語る勇気」と書かれていた。


「俺、ゼロだよ」


西野が言った。

文学部らしく、今日もミネストローネ。


「告白したこともないし、されたこともない。

でも、妄想はある。めっちゃある」


「それ、経験じゃなくて創作」


「でも、創作の中に、俺の“本音”があるんだよ」


翔太は黙ってポテトを食べていた。

でも、今日は、少しだけ口を開いた。


「……俺も、ゼロです」


3人が、静かに彼を見た。


---


2. 語れないことを語る


「中学も、高校も、大学も。

好きな人はいたけど、言えなかった。

言ったら、何かが壊れる気がして」


翔太が言った。


「壊れるって、何が?」


西野が聞いた。


「自分の中の“日常”みたいなもの。

好きって言ったら、もう戻れない気がして」


佐久間は、スマホのメモに書いた。


“恋愛経験ゼロ=感情の封印”


陸は、静かに頷いた。

彼は、恋愛経験が“ある側”だった。

でも、翔太の言葉に、少しだけ刺された。


---


3. 恋愛経験ゼロの強さ


「でもさ、経験ゼロって、弱さじゃないと思う」


西野が言った。


「むしろ、“語れないことを語る”って、めっちゃ強い」


「俺、今日ちょっとだけ、言えてよかったです」


翔太が言った。


「それ、経験値に入れていいと思う」


佐久間が言った。


「じゃあ、俺たち、今日ちょっとだけレベル上がった?」


「うん。恋愛未満だけど、成長はしてる」


陸は、静かに笑った。

でも、その笑顔の奥に、“経験があることの罪悪感”があった。


---


4. 俺たちは、まだ語り始めたばかり


「次回のテーマは、“告白って、いつすればいいのか”でいこう」


佐久間が言った。


「それ、俺、語れないかも」


翔太が言った。


「語れないことを語るのが、この会の意味だよ」


西野が言った。


陸は、黙って頷いた。

彼は、“告白したことがある”側だった。

でも、それを言うつもりはなかった。


——俺たちは、まだ語り始めたばかり。

——恋愛未満のまま、でも、少しずつ前に進んでいる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ