282聖魔術師、真。
「オイクさん、その後お加減いかがですか?」
「だいぶ、良いわよ。ドレイクも、順調よ。真ちゃん、貴重な聖魔術ありがとうね。」
「いえいえ、ボクでお役に立てるなら。」
「真、聖魔術使えたのか?」
「こっちに、来てからね。その代わり、闇魔術使えなくなったけど。」
「こっちは、闇とつながってないのかな?」
「それってたぶん、あの丘のせいよ。マレト君が、マコを使って何かを封印したらしいから。」
「へぇ、それより赤ちゃん名前決まったんですね。かっこいいです!」
「夫のドミヤと私の名前を、くっつけたの。ありがとうね。」
「旦那さんね、もうすぐ帰って来ると思うよ。うちの甥っ子が、接触するって言ってたから。」
「本当に、この大事な時に。迷惑かけて、ゴメンね。まこちゃんの甥っ子さんって、子供じゃないの?」
「大丈夫よ、覚醒して先祖返りしてるから。あの子、召喚魔を何億も使いこなしているらしいわ。」
「すごいわね、スケールが違うわ。」
「ところで、スカル家の皆さんは魔術使えないんですか。俺も、使えないんですよ。」
「へぇ、希人君もなんだ。使えない事も無いけど、他の能力が凄すぎてそっちに頼っちゃうのよ。例えば、タカト叔父さんやアキト君は身体能力。マコは、母親の血を濃く受け継いだから、魔力馬鹿だけど。」
「やはりな、真も舞香も魔力馬鹿ですよ。」
「ところで、舞香ちゃんは?」
「孤児院に拉致されて、可愛がられてます。」
「マコレとモエが、いなくなったからね。」
「他人事じゃなくて、ドレイク君も被害に合うわよ?」
「そうね、あの人達だもんね。希人君、頼んだ事上手く行きそう。」
「はい、ルアンさんから伺ってます。まず、アカテと言う所から。あそこは、魔術師があまりいませんから上手く行くと思いますよ。」
「よろしくね、私も手伝えるようにするわ。」
「無理、しないでください。ケリー君が、オレの実家で病院の経営ノウハウを修得していますから大丈夫ですよ。」
「へぇ、あの子向こうでそんな事してたんだ。」
「うちの親父がえらい気に入ってて、たぶん向こうにいたら跡継ぎにするつもりだったんじゃないんでしょうか。」
「優秀ね、ドミヤも商会の跡継ぎにしたいって言ってたわ。」
「じゃあ、おれ達行きますね。詳しい事は、精霊巫女と打ち合わせしますのでご安心を。」
「舞香ちゃん、ばーばですよ。」
「私も、ばーばですよ。」
「私も、ばーばですよ。」
「もう、舞香ちゃん困ってるじゃない!」
「はーい、じーじですよ。」
「はーい、じーじじゃ。」
「やめんか!おのれ等!」
「リオン、落ち着いて。」
「あなたは、何やっているの?ルアンいないんだから、とっととアキトの手伝いに行きなさいよ。」
「いや、父上に挨拶してからと思って。」
「そういや、コルザはまだか?レイナックと、一緒であろう。」
「ルアンが、向こうに着いたら来ると思いますよ。お義父様、孫が大好きですから。舞香ちゃん、私が本物のばーばですよ。」
【違うやろ!】
「オゥー、ンキャキャ!」
「舞香ちゃん、私はミルス。マイトの、おばあちゃんよ。」
「マイトお兄ちゃんの?ミーママ、おばあちゃん?」
「あら、いい子ね。ミーママで、いいわよ。」
「舞香ちゃん、私はマリス。私も、マイトのおばあちゃんよ。」
「マリママ、よろちくでちゅ。」
「あら、可愛い。」
「マリスお姉ちゃん、ずるい。私にも抱っこさせて。」
「私は、ラリーネよ。」
「あっ、ラリーネちぇんちぇい。マイトお兄ちゃんから、きいたこちょありゅ。やちゃちい、ちぇんちぇい。」
「私は、モラドだ。マイトの、おじいちゃんだよ。」
「ちょうこうちゃま?」
「うん、あっ教皇か?難しい事、知っているんだね。もう辞めて、ただのじじだぞ。」
「ただじぃじ!」
「いいの、あだ名をつけてもらって。わしは、タカトじゃ。わしも、マイトのおじいちゃんじゃ。」
「あっ、やみにょおうちゃま。」
「魔王では、あるかな?だが、怖くないぞ。」
「おかお、こわい!」
「それは、しょうがない。勘弁、してくれ。」
「なきゃないで、じーじ。」
「優しいの、舞香は。」
「こんにちは、すいません皆さん。舞香、いい子にしてたか?」
「マイカは、いい子!」
「そうか、皆さんありがとうございました。そろそろ、手伝いに向かいますので。」
「舞香ちゃんは、置いて行ってもいいぞ。」
「そうそう、ここなら何の不自由も無いわよ。」
「確かに。でも、甘やかされてしまいますんで。帝都の、カミロさんに預かってもらう予定です。ケリー君も、一緒ですから。」
「そうじゃな、マコレもいなくて寂しい想いをしておろう。」
「それでは、希人君、真ちゃんよろしくお願いします。」
「こちらこそ、良しなに。行こうか、真、舞香。」
舞香ちゃん、パニックにならないかなぁ。