353決戦まで。
「やっと、着きましたね。すいません、お義父さん。船団が一緒で無ければ、あっという間でしたのに。」
「商会のメインは、貿易じゃろ。わしも、途中で海賊退治が楽しめたしな。」
「お義父さんがいるおかげで、大規模な船団が組めますよ。ここからは、船団は神戸に行かせます。我々は、相生に生きましょうか。」
「ふむ、非合法では無いがヤバい物はこっちでおろした方が良いか。」
「みんなも、野口君の家に集まっているみたいですよ。」
「久しぶりに、美世ちゃんに逢えるな。まこと舞香がいれば、申し分ないのだが。」
「そうですね、夏世と晴明にも逢ってやってください。小町ちゃんは、とても良い娘の様ですよ。さすが、闇の世のプリンセスです。」
「まぁ、なんだ。あの娘は、常識的でとてもお淑やかなのだ。まことは、正反対だな。」
「そうですか、それは会うのが楽しみです。」
相生に、着いた。
ドックには、すでにフェリーが停留していた。
「変ですね、誰もいませんね。魔人は、警備の為にいますが。」
「とりあえず、施設に向かおうか?美世も夏世も、激オコかもしれんしな。」
激オコって…。
山あいの道を抜けて、施設のゲートを潜って行く。
最終門にも、魔人しか居なかった。
シーンと静まり返った施設に、入る。
「何でしょう、皆どこに行ったんですかね?」
野口君の家にも行ってみるが、誰もいない。
普段ならば、施設にちらほら研究者がいるはずである。
「ムゥ、あちらから魔力の気配がするのう。」
ぽっかり穴が空いた洞窟の方に、お義父さんが目を向ける。
「あそこは、希人君の工房ですね。誰でしょう、希人君は異世界ですからね。」
「行ってみようか、かなり大きな気配じゃ。」
「あっ、お父さん!お帰りなさい、ビリーお兄ちゃんも。」
「やはり、お主らだったか。皆は、どこに行ったんだ?」
「鷲羽山って言う所、遊園地があるんだって。僕、置いて行かれたんだよ。酷くない!」
「マコ、研究者の皆も連れて行ったのかい?」
「ううん、皆避難してる。」
「地震でも、来るのかな?」
「晴明が避来矢って言うのを闇の世に、取りに行ったんだ。そしたら、何故かマレトがアーテファクトを作り始めて。んで、野口のおっさんが皆を避難させ始めたの。」
「あの、バカ孫が!ちょっと莫大な力に過信して、つけあがりおって!」
「えっ、息子が何か為出かしたんですか?」
「詳しい説明は、後でする。マコや、マレトに会わしてくれんか?」
「うん、こっちだよ。」
ミスリルの小刀で何かを削っている、マレト。
「マコ、ポーション飲んだか?又、これに魔力込めてくれ。あっ、王様ビリーさん。お帰りなさい、ご無事で何よりです。」
「其方は、大丈夫か?だいぶ、げっそりしておるな。マコも、ポーション漬けとは尋常で無いな。」
「何、もうすぐで終わりますよ。申し訳無いですが、今回は晴明君の所業停めさせてもらいますよ。」
「いや、こちらこそ済まぬ。本来であれば、わしが停めねはならぬ事。やはり、闇の世を譲るのは早計であったわ。」
「そんな事、無いですよ。晴明は、良くやっています。ただ、この世界の怨念や邪念が喰っても喰っても湧いてくるんです。大陸を、あそこに墜とせば何とかなると思っているんでしょう。そこら辺は、やはり純真な男の子なんですよ。」
「わかっておったのか、マレトは?」
「はい、マコが死んだ時になり振り構わず何とかしようと思いましたから。結局、何も出来ませんでしたが。そのかわり、色々面白い事がわかりましたよ。」
「あれだな、お前も神の一柱なのだ。わしらとは、不倶戴天の間柄じゃ。頼るのもなんだが、今回ばかりは。」
「えぇ、信じてください。晴明に、教えてやりますよ。邪悪の、真髄を。」
「怖いよ、マレト。ねぇ、神様なの?」
「今さら、何言ってんだ。お前も、神だぞ。こんなわがままな人間なんて、いないだろう?」
「もう、僕そんなにわがままじゃないよ!ビリーお兄ちゃん、僕いい子だよね。」
「うん、すごくいい子だよ。」
「ビリーさん、息子の事でかなり気が動転してます?」
「まぁ、良くわからないけど晴明もまだ子供なんだなぁと。マコは、ちゃんとわかっているいい子だと思うよ。」
「僕ね、小町ちゃんを叩きのめさなきゃいけないの。あの子も、晴明には盲目だから。だけど、小町ちゃん相当強いのね。そうだよね、お父さん!」
「あぁ、お前さんの方がわずかに強い。だけど、あの子は闇の住人だ。闇魔術師のマコが、どこまで通用するのか?どちらが勝つにせよ、わしが最悪の事態にはさせん。ただ、マレト其方の方はわしでも何とも出来ん。」
「大丈夫ですよ、マコと小町ちゃんの事よろしくお願いします。ビリーさんは、エレベーターで地下に非難してくださいね。そろそろ、来ますよ。」
「居ちゃ、いけんかな?息子の事なんだが…?」
「ダメです!俺が、夏世さんに殺されます。」
「わかったよ、頼んだ!」
とは言ったものの、俺でも今回は厳しいかなぁ?
だいぶ削って、後は秋人に頑張ってもらおうか。
何だかんだで、こちらでも弟に尻ぬぐいさせてしまうな。
マコもマイトもモエも、俺がいなくても元気でやれよ。
パパは、又何とか這い上がってくるから。
なんて化け物になったんだ晴明、お前は。




