352人間なんて…。
「ビリー君、今回は難儀だったのう。」
「ええ、みんなが居るモロッコであんな事になろうとは。」
「モロッコもそうだが、北アフリカはちとキナ臭いのう。何か、あるのか?」
「原子力が使えない現在、あの辺りに埋蔵されている化石燃料は西側にとって確固として置かなかればならないのでしょう。」
「どこが、仕掛けたのかのう。」
「それは分かりませんが、油田を自国に持たないドイツやフランスなどは石炭の採掘を又始めた様です。環境問題とか、言ってられないでしょうね。」
「中東も、怪しいな。自国の利益に、ダメージが有りそうだ。」
「そこは、盲点でした。イランに連絡を取って、原油価格を下げさせましょう。馬脚を現すかも、しれません。」
「どっちみち、ユダヤの政商が絡んでおろう。ビリー君、邪魔立てされていないか?」
「その辺りは、華僑が動いてくれますので。中華も、西側と関わりのある政治委員は表舞台から消えてもらっています。」
過日、物産を積み込んだ船団と相生へ帰る事になった。
「お義父さん、それより晴明が婚約したそうですよ。」
「篁から、聞いたわ。孫の小町と、駆け落ちしたと泣いておったわ。」
闇の宰相を泣かすって、晴明よお前大丈夫か?
「後で、篁様にご挨拶に窺わねばなりませんね。」
「まぁ、その辺は親同士で良い様にしてくれ。」
「美世と夏世も、明石に帰ったらしいぞ。我等も、そろそろ戻らんと恐ろしい事になるぞ。お土産も、しこたま用意せねばな。」
「それは、ペルシャ絨毯や地中海産の宝石をたんまり用意してあります。」
「婿殿は、相変わらず出来るなぁ。」
「義父上あっての、商会ですから。」
「さぁ、出発だ。みんな、乗ったか?」
「吾郎さん達は、置いて行くの?」
「魔人に言って、総理とイワノフ達と先に大阪府へ送ってもらっているよ。今日は、倉敷の和旅館にお泊まりだからな。」
「ジャムおじちゃん、ママだいちょうぶ?」
「モエ、マコは腐っても聖母だ。この世が滅んでも、あの子は大丈夫だ。」
「ママ、くしゃってるんだ。」
「モエ、マコはちょっとだけオタクなのよ。」
「マイカちゃん、腐女子に何か!」
「叶お姉ちゃま、これには深い訳が…。」
「オタクをなめちゃ、ダメよ。」
「メイドさんは、全員いるな。美世さん夏世さん、お義母さんちゃんと座ってくださいよ。」
「出発、」
「チンコー!」
「モエ!」
二号線に乗り換えて、倉敷にまっしぐら。
今夜は、赤穂で盛大な花火大会が催される事でしょう。
「あれ、小町ちゃんは?」
「小町ちゃんも、残るって。女同士の熾烈な争いが、あるそうよ。」
「全く、止めに行ったんじゃねえのかよ。」
と言う訳で、倉敷到着。
大所帯なので、旅館の別館を貸切にしてもらった。
もちろん、お風呂も貸切なのだが。
男衆は、俺一人。
わいわい皆がやっている隣で、侘しく桶に浮かべた徳利で手酌酒。
ス~、ポチャン!
「トシ君、私にも…。」
「おっ、お義母さん何でー!」
「何、言ってるんだい。親子じゃないの、水入らずいやお湯いらずで飲も。」
「パッコ~ン、何やってんじゃエロババァ!」
「痛っ、あれ叶。お前も、交ざるか?」
「ごめんね、トシ。こっち来いや、クソばばぁ!」
フゥ、相変わらずだなお義母さん。
風呂から上がると、舟盛りや祭り寿司など和食がこれ見よがしに並んでいた。
日本人に生まれて、良かったなぁ。
「マイカとモエは、海老めしかぁ。」
「ジャムおじちゃん、このご飯焦げてるよ。」
「こげちぇる~。」
もう、マーガリンだろがジャムだろうがどっちでもねいいや。
「これな、甘いソースで味付けした海老のご飯なんだ。食べて、みな。」
「おいしい、希と英世も食べる?」
「二人には、まだ早いかな。」
「野口君、案外子煩悩ね。」
「お宅の娘さんで、馴らされましたよ。あれは、究極のかわいいでしたから。」
「まぁ、あれと一緒にいたら得度出来るわね。」
宗教か!あっ、まこの家は神社だったか。
メイドさんも日本に慣れてきたのか、普通に旨そうに食べているな。
つかの間の平和なのか、晴明が何考えているかわからんがマレト今は阻止しろよ。
鷹人さんがいない隙に、あの幼児は良からぬ事を考えているぞ。
晴明が悪い訳でも無いだろうが、この世界も色々溜まっているからな。
魔人を解放しても、喰いきれないんだろうな。
まっ、一度ぶつかればいいさ。
俺がいくらでも、抑えつけてやるよ。
お前らがお互いを牽制している内に、こちらはそれなりの用意はさせてもらったからな。
人間を舐めるなよ!




