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351ダスティの恋。

 日が暮れる前に、聖地に着いた。


 急いだ甲斐が、あった。


 住民や非戦闘系の聖職者は、郊外に避難している。


 付いてきた聖騎士団と、聖職者に朝までの見張りをお願いして高台にある元法王の別館に泊まる。


 魔人さんとまこが、話し合いをしていた。


 魔人さんもいわゆる向こうの世界のアンテッドなので、一緒には行けないらしい。


 ここで、マイカやメイドさんのお守りをしているとの事。


 聖地の迷宮に入らなければ、最強の戦力には変わらない。


 編成は、斥候にダスティ。


 盾役が、アキト。


 攻撃魔法使が、カミロお義姉様。


 剣士が、まこ。


 私ルアンが、防御魔法使。


 そして、ミルスお義母様は回復術士。


 完璧だわ、理想的なパーティーよ。


 「オーホッホ、ほぅ…。」


 「どうしたの、ルアン?」


 「何でもないわ、アキト疲れてない?」


 「全然、デスクにつかなくていいし何よりルアンが目の前にいる。」


 「もう、アキトったら。」


 熱い口づけを交わす、二人。


 「バァンッ!」


 「何、何ですの!」


 「アキト、遊ぼ。」


 「マイカちゃん、まこ姉ぇは?」


 「ダスティおじちゃんと、遊んでる。」


 剣の稽古でも、しているのかな。


 「ルアン、帝都で買って来たタルトまだある?」


 「マイカ、イチゴのタルト食べる?」


 「食べる!」


 まこの娘なのに、イケメン好きなのよね。


 ミルクとタルトを用意すると、椅子にちょこんと座って食べ始める。


 「マイカちゃん、お口ベトベトだね。」


 アキトが、口の回りを拭っていた。


 うーん、いいお父さんになりそう。


 「アキト、お仕事忙しいの?」


 「そうだね、でもマイカちゃんのパパが色々手伝ってくれるから助かっているよ。」


 「パパね、アキトがたいせつなんだって。」


 「希人、そんな事言ったの?」


 「うん、マイカとママのちゅぎだけどね。」


 「アキト、泣かないの。」


 「アキト、イヤ?」


 「嫌じゃないよ、私も兄さんを頼りにしているよ。ありがとう、マイカ。」


 「マイカ、なにもしてないの。」


 「コンコン。あっ、こんな所にいた。マイカ様、カミロ様が捜しておられましたよ。そろそろ、オムツ替えておっぱいにしましょう。」


 メイドさんが、迎えに来た様だ。


 「アキト、ありがとう。ルアンお姉ちゃん、おやすみなちゃい。」


 【はい、お休みなさい。】


 「アキト、気づいた?」


 「何?」


 「マイカ、あなたにロックオンしたわね。」


 「えっ、どういう事?」


 「名前呼びに、なってたでしょ。ホントに、あんたって人は。」


 「私は、何もしていないよ。ルアン一筋、さぁ誰もいない。久しぶりに、愛でさせておくれ。」


 

 「ダスティ、そんなんでゴーレムが切れると思っているの?聖剣の能力をもっと、引き出しなさい!」


 「ハァハァ、俺はお前らみたいな魔術師じゃないんだ。そんな、一朝一夕に行くかよ。」


 「あんた、馬鹿ァー!魔術が使えないから、聖剣があるんじゃん。心技体の、心だよ。あんた、昨日花街行ったでしょ。商売女に、心を動かさられるんじゃないよ。」


 「そんなんじゃネェよ!花街は行ったけど、何も出来なかったんだよ。俺の心は、今トレンちゃんでいっぱいなんだよ。」


 「あらっ、トレンちゃんって家のメイドさんの事?あんたも、隅に置けないわね。本人には、伝えたの?」


 「言える訳、無いだろう。根本的に、住む世界が違うんだ。フレアス王女みたいには、いかないよ。」


 「ふ~ん、トレンちゃんのどこがいいの?」


 「どこって、運転してても心配して替わろうとするし。あれこれ、飲み物や軽食など世話焼いてくれるし。何より、見た目がドストライクだ!」


 「あの子、あんたと交代で運転してくれるもんね。トレンちゃんも、まんざらじゃなさそうね。ダスティ、一回死になよ。そしたら、私が闇魔術で何とかしてあげるよ。」


 「うわっ、マジで言ってんの?やっぱり、お前は悪魔なんだな。大変だろう、人間の相手は。確かに、イワノフさんみたいになればか。今回の聖地攻略が成ったら、考えてみるよ。色々と、簡単じゃないだろう?」


 「そうだね、ボクにも準備がいるし。それに、悪魔じゃなく天使だからね。何気に、デスってんじャないわよ。」


 「悪い悪い、もう1戦頼むわ。」


 

 「ママ~、かえってきた~。」


 「マイカ、どこに行ってたの?ママ、心配したのよ。」


 「カミロは、過保護だっちゃ。」


 「お姉ちゃん、希人いないんだからその口調やめなさい。何も、もらえないわよ。」


 「カミロ、ほら!」


 「何、これ?オパールじゃない、こんなにたくさん。ナジロでちょっとしか、採れないのに。」


 「向こうでは、いっぱい採れるんだっちゃ。希人が、いっぱいくれたっちゃ。」


 「ほぇー、白い玉がいっぱい。これ、食べれるの?」


 「薬の代わりに、食べる人はいるわね。でもね、こつやって丸く紐を通して首飾りとかにするのよ。」


 「マイカ、これ一粒で小さいお家建つからね。」


 「それって、お菓子いっぱい?」


 「んふふ、この部屋満杯くらいよ。」


 「ほぅ、マイカにもちょうだい。」


 「マイカには、お菓子いっぱい買ってあげるわね。」


 「アイ!」


 「さっ、オムツ替えてお寝んねしましょう。」


 「カーミママ、おっぱい。」


 「そうね、ほらマイカ。」


 見れば見るほど、マコレとおんなじ顔だ。


 今頃、どうしているかしら。


 


 

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