345シャインマスカット。
野口が作った、バルーンランドで遊ぶ子供達。
「叶お姉ちゃんも、遊ぼう。ほら、英世も希も花梨もみんなご機嫌だよ。キャホー、ウキャキャ!」
一番上機嫌なのは、マコトだった。
「おっちゃん、もっとボール入れて。行くよ、マイカ、モエ!」
「痛っ、やったわねマコ。モエ、やっておしまいなさい。」
「アイアイマム、ハッチャッ!」
「楽しいね、トシ君。」
「あぁ、済まなかったな叶。どうだ、ここの住み心地は?」
「ちょっと不便だけど、元々引きこもりだから苦にならないわ。空気もいいし、郁恵先生も引っ越して来るって。」
「そうか、堀谷達どうしてるかなぁ?」
「そこにいるマコは、外見は同じだけどちょっと違うわね。やはり、お姫様なのかなぁ?」
「あいつは、ただの要注意幼児だ。その辺は、まこと変わりはしねえよ。」
「あなた、子供達の為にも無理しないでね。」
「う~ん、子供達の為にも無理しなきゃなんだ。ゴメンよ、叶。」
「しょうがないかぁ、ノーベル賞取ったら許してあげるわ。」
「そういや、お前個展開くんだって?」
「タワマンのスペース借りて、来月に開催する予定よ。」
「凄ーな、売れそうか?」
「もういくつかは、予約が入ってるわ。作品も仕上がっているし、後はメイドさんがやってくれてそうよ。」
「予約が、もう入ってんのか?」
「何点かは、あのバカ希人だけどね。」
「あいつは、変わらんな。お前も、あんなのが弟子で苦労するな。」
「まっ、あんたら最凶のオタクだからね。」
「ちげーねえ!」
「みんな、おやつにしますよ!」
メイドさん達が赤ちゃんを連れて、やってきた。
マコ、お前が先頭かよ。
「ジャムおじさん、今日は何パン?」
「ジャムおじさんじゃねぇ!今日は、クレープだぞ、小っちゃい子から順番に並んだ。マコ、お前は後だろう。」
「僕、小っちゃいよ。」
「いつも、小っちゃい言うなって言うクセに。マイカ、このアホ連れて行け。」
「イヤー、マイカ痛い!ちゃんと、並ぶからー!」
「はい、花梨ちゃん。それから、英世と希もな。次は、モエだな。」
赤ん坊達は、メイドさんに食べさせてもらって満天の笑顔だ。
「モエ、チョコレートいっぱい入れて。」
「あいよ、マイカもか?」
「あたしは、クリーム多めで。ありがとうございます。」
「おっちゃん、全部載せな。」
「偉そうだな、お前。そういう態度なら、やらんぞ。」
「ウソウソ、何でもいいです。ありがとうございます!」
「おいしいね、モエ。チョコ、拭こうね。」
「マイカママも、クリームついてるよ。ペロッと!」
「ふぁーん、モエ大好きよ。」
メイドさんの分も渡して、トシ君が私にも作ってくれた。
「ありがとう、おいしいわね。ねぇ、タワマンのフードコートと同じ味がするわ。」
「あれ、俺の店だ。」
「もしかして、お好み焼き屋とたこ焼き屋さんも。」
「あぁ、従業員が青い目だから違和感あるけどな。」
「そういう事、女の子はメイドさんできるからかぁ。」
「男共は、なかなか就職先が無いだろう。」
「儲かってるの、なかなか大変でしょ?」
「ビリーさんが噛んでるから、大丈夫だよ。赤字にならなかったら、御の字だ。」
「だから、あそこ安いのか。たまに、行列出来てるわよ。」
「へぇ、みんな頑張っているんだな。」
「野口君、私達にもちょうだい。」
「これはこれは、今用意しますね。小町ちゃんは、食べれるかな?」
「はい、晴様に食べさせてもらった事があります。くれーぷでしたっけ?」
「そうだ、晴明の野郎。色気づくなんぞ、百年早いちゅうに。」
「野口さん、あちきもう千年以上生きておりますへ。」
「オウマイ、閻魔さま!」
「秋人と瑠亜は、どこ行った。」
「二人で、砂越に牡蠣買いに行ったわよ。」
「若いもんは、いいねぇ。」
「吾郎さんとラリーネさんも、ついて行ったって。」
「ご愁傷様。」
「マコ、旦那は?」
「工房に、引き籠もっているよ。なんか、魔改造がって言いながら笑ってたよ。」
「構わんとこ、被害甚大になるな。」
「メイドお姉ちゃん、これねシャインマスカット。みんなで、食べて。」
「ありがとうございます、マコちゃん。いつの間に?」
「道の駅で、売ってたよ。少ししかなかったから、メイドお姉ちゃん達だけね。」
「よろしいのですか?」
「うん、だって僕らのお守り大変でしょ。」
【ありがとうございます。】
「お前、自覚はあるんだな。」
「やだな~、僕だってただの幼児じゃないんだよ。」
「マコ、あなた二児の母親だからね。」
「マイカ、あなたは僕のお姉ちゃんだからね。」
「ハァー…。」
「マイカ、ちょっと出掛けんか?」
「おじちゃん、どこに?」
「岡山の鷲羽山ハイランドって言う、遊園地だ。」
「メイドさんも悪いけど、子供達がいるから付き合ってくれ。叶、お母さんがいいって言ったら呼んで来てくれるか?」
「おっちゃん、もちろん僕らもだよね。」
「モエはいいけど、マコはマレトに許可もらってこい。」
「何でよ、僕も子供じゃん!」
「だからだ、勝手に連れ出したら後で文句言われるからな。」
「ちぇっ、聞いてくるよ。先に、行かないでよ!」
「トシ君、私も連れて行ってくれるのかい?」
「はい、温泉はこの間夢前に行ったばっかりでしょ。たまには、孫と戯れて欲しくて。」
「持つべきものは、出来た婿だねぇ。」
「おっさん、ダメだって…。」
「ほう、何でまた?」
「魔改造した部品に、僕の魔力込めなきゃならないんだって。」
「あいつ、何作ってんだ?」
「何か、あらゆる方向に攻撃が出来るパネルがどうたらこうたらとかって。」
「全く、何と戦うつもりだよ。あっ、晴明はどこだ?小町ちゃんと連れて行って、やろうか?」
「晴様は、闇の世には行ってはります。何や、避来矢を取りに行くって。」
「然様か、奴らぶつかんのか?こりゃ、早よ逃げなあかん。美世さん夏世さん、残りのメイドさんも全員アンパンマンバスに集めてください。」
「ねぇ、おっさん。何が、始まるの?」
「知らねえよ、マレトと晴明がどっちが上か勝負すんだろ。お前も、魔力込めたら地下の研究所に非難していろ。」
「何で、そんな事しますねんやろ?」
「向こうの世界の事で、食い違いがあるんだろう。晴明は、先に向こうを堕としたいんだよ。魔人、いるか?」
魔人達が、野口の前に跪いた。
「お前らの主人は、晴明だな。ただ、絶対服従では無いな。この施設と、周辺の環境は守れ。後、総理達にこの事伝えろ。どうしようも無くなったら、アレを使え。二人を殺してもいい、俺が蘇生する。」
一同が、頷く。
「ダメだよ、おっさん。マレトを殺さないでよ。」
「野口さん、晴様はまだ小さいんです!」
「二人共、とっくに生きちゃいねえよ。殺したって、死なねえんだ。心配するな、これでこの世界の行く末が決まる。俺は、どっちも嫌だがな。」




